サートゥルナーリア
毎年、この当歳世代が初年度産駒となる上場馬たちに注目が集まる当歳セッションですが、その中でも話題を集めそうなのが、サートゥルナーリアです。この当歳セッションには14頭の産駒がラインナップされています。
徳武氏 「兄はエピファネイアだけでなく、リオンディーズも種牡馬として結果を残しています。体型はエピファネイアとはまた違っていますが、どちらも歩かせた時のクッションが良く、この辺にシーザリオの影響力を感じさせます。最近は父であるロードカナロアらしさも体型に表れてきました。産駒も歩かせた時の歩幅の大きさだけでなく、父から素直な性格も受け継がれているようですし、距離もこなせそうな種牡馬となりそうです」
アドマイヤマーズ
アドマイヤマーズは、自身がセレクトセール2017の1歳セッションの取引馬となります。4頭が上場されています。
徳武氏 「自身がセレクトセール出身馬とあって、見事な馬体をしていますが、ダイワメジャーの代表産駒として目覚ましい競走成績を残してきました。産駒もまた、その見た目の良さが受け継がれており、モデルのような馬ばかりというか、当歳セッションから声をかけたくなるような馬がそろった印象を受けます。その馬体を見ても、父同様のパワフルさというより、スピード能力がさらに前面に押し出された印象を受けますし、父の評価額を超えるような取引も期待できそうです」
シスキン
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(JRA-VAN Ver.World)
シスキンは種付けシーズン中のアクシデントもあって、種付け頭数は20頭にとどまりましたが、それでも3頭の産駒が上場されてきました。
徳武氏 「今年(2022年)は昨年の数字を取り戻すかのように、順調に繁殖牝馬を集めています。産駒も、詰まった馬体かつ後躯の発達が目立っている辺りには、父と共通する非凡なスピード能力が感じられ、前向きな気性もマイル適性の高さにつながりそうです。購買者の方だけでなく、せりに来られた生産者の方にもこの3頭の素晴らしい馬体を目に焼き付けていただきたいです」
ナダル
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社台スタリオンステーション繋養種牡馬の中でも、馬体の良さが際立っているナダルですが、この当歳セッションにも6頭が上場。産駒たちも馬体の良さで目を引く存在となりそうです。
徳武氏 「恵まれた馬体を受け継いだ産駒が多い印象ですが、一方で、バランスがちょうどよく取れている産駒も見受けられました。豊富な筋肉量を有する後躯の良さは抜群で、自分の身体を後ろ脚で持ち上げていくような歩様をしています。力の要るダートでの活躍は間違いなさそうですし、芝も力強さで押し切ってくれるはず。『二刀流』の産駒を求める購買者に方にはうってつけの存在と言えそうです」
ルヴァンスレーヴ
2021年に社台スタリオンステーションの繋養種牡馬どころか、日本で最も多くの繁殖牝馬を集めた(223頭)のがルヴァンスレーヴ。当歳セッションには5頭が上場してきました。
徳武氏 「現在のダートサイヤーブームもありますが、自身もその期待に応えて頑張って仕事をしてくれました。シンボリクリスエス産駒ながら、クッションの良さはコンスタントに活躍馬を送り出してきた母系と、母の父に入ったネオユニヴァースから来ていると言えそうです。上場馬の馬体や動きを見ていても、芝をこなせる産駒も出てくるのではないのでしょうか。繋養初年度は日高地区からも多くの繁殖牝馬が配合に来てくれましたし、来年のHBA(日高軽種馬農業協同組合)が主催する定期市場でも、多くの産駒たちが取引されていきそうです」
注記:当コンテンツの取材は、2022年6月7日に行っております。
ライタープロフィール
北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。