【阪神大賞典×過去データ分析】今年は前走G2出走馬の出番!?
2025/3/20(木)
天皇賞・春の前哨戦としておなじみの阪神大賞典。昨年もこのレースを使った3頭が本番で1~3着を占めている。今年も注目すべき一戦を、過去10年のデータから読み解いていく。データ分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
勝ち馬は前走重賞出走馬に限られる
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
1勝 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2勝 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
3勝 | 0- 2- 0-12/14 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 58 |
オープン特別 | 0- 0- 1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% | 0 | 15 |
リステッド競走 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 2- 2- 2-20/26 | 7.7% | 15.4% | 23.1% | 52 | 165 |
G2 | 3- 1- 4-27/35 | 8.6% | 11.4% | 22.9% | 19 | 52 |
G1 | 5- 5- 3- 9/22 | 22.7% | 45.5% | 59.1% | 76 | 121 |
(表1 前走クラス別成績)
過去10年で前走G1出走馬が5勝を挙げ、複勝率は60%に迫る。あとは前走G2が3勝、前走G3が2勝と続き、どちらも複勝率は23%前後と僅差だ。一方、前走が非重賞だった馬は合算して【0.2.1.28】という成績で、複勝率にして9.7%。このデータを見る限り、前走でも重賞に出走していたか否かは重要になってきそうだ。
前走G1出走の4、5歳馬はオール好走
前走G1 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
前走レース | 有馬記念 | 4- 5- 2- 6/17 | 23.5% | 52.9% | 64.7% | 64 | 131 |
ジャパンC | 1- 0- 1- 2/ 4 | 25.0% | 25.0% | 50.0% | 147 | 107 | |
その他のG1 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
年齢 | 4歳 | 2- 2- 0- 0/ 4 | 50.0% | 100.0% | 100.0% | 105 | 122 |
5歳 | 3- 2- 3- 0/ 8 | 37.5% | 62.5% | 100.0% | 158 | 181 | |
6歳~ | 0- 1- 0- 9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 73 |
(表2 前走G1出走馬に関するデータ)
前走G1の場合、前年の有馬記念もしくはジャパンC以来となる馬が大半を占め、どちらも複勝率50%以上と有力だ。ただし、前走G1でも阪神大賞典出走時で6歳以上の馬は【0.1.0.9】と苦戦。唯一の好走例は21年2着のユーキャンスマイルで、同馬は前年勝ち馬だった。4~5歳馬は【5.4.3.0】と凡走なしだから、その差は歴然としている。
前走G2は1~3着に入っていることが目安
前走G2 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
前走レース | AJCC | 2- 0- 0- 6/ 8 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 47 | 31 |
日経新春杯 | 1- 0- 2- 8/11 | 9.1% | 9.1% | 27.3% | 27 | 99 | |
ステイヤーズS | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 60 | |
京都記念 | 0- 0- 2- 6/ 8 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0 | 30 | |
その他のG2 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
前走着順 | 前走1~3着 | 2- 1- 3- 7/13 | 15.4% | 23.1% | 46.2% | 40 | 68 |
前走4着 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||||||
前走5着~ | 1- 0- 1-20/22 | 4.5% | 4.5% | 9.1% | 7 | 42 | |
当日馬体重 | 今回減 | 3- 1- 1- 9/14 | 21.4% | 28.6% | 35.7% | 48 | 101 |
同体重 | 0- 0- 2- 3/ 5 | 0.0% | 0.0% | 40.0% | 0 | 54 | |
今回増 | 0- 0- 1-15/16 | 0.0% | 0.0% | 6.3% | 0 | 8 |
(表3 前走G2出走馬に関するデータ)
前走G2で好走例があるのはAJCC、日経新春杯、ステイヤーズS、京都記念の4レース。前走ステイヤーズSの1頭を除き、残りの好走馬7頭は年明けの芝2200~2400mのG2を使っていた。目安としては、前走のG2で1~3着に入っていれば複勝率46.2%。以下、前走4着は過去10年の該当例がなく判断しづらいが、前走5着以下だった場合は複勝率9.1%と大幅にダウンしてしまう。なお、前走着順を問わず、当日馬体重が今回増だと【0.0.1.15】と苦戦しており、前走G2出走馬に関しては当日の馬体重チェックも欠かせない。
ダイヤモンドSの上がり順に注目
前走G3 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
前走レース | ダイヤモンドS | 1- 2- 2-14/19 | 5.3% | 15.8% | 26.3% | 17 | 182 |
中山金杯 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 1030 | 830 | |
その他のG3 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
ダイヤモンドSの 上がり順 |
1~4位 | 1- 2- 2- 3/ 8 | 12.5% | 37.5% | 62.5% | 41 | 433 |
5位~ | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表4 前走G3出走馬に関するデータ)
前走G3の好走例6頭中、5頭を占めるのが前走ダイヤモンドS。この場合、ダイヤモンドSで上がり1~4位を記録していることが重要で、該当すれば【1.2.2.3】の好成績だ。しかし、上がり5位以下だった馬は【0.0.0.11】と、阪神大賞典で厳しい結果を突きつけられている。なお、前走G3のもう1頭の好走例は21年1着のディープボンドで、中山金杯14着から巻き返してみせた。
前走非重賞の場合は距離に注目
前走非重賞 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
前走着順 | 前走1~3着 | 0- 2- 1-12/15 | 0.0% | 13.3% | 20.0% | 0 | 67 |
前走4着~ | 0- 0- 0-16/16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
前走距離 | ~芝2000m | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
芝2200~2400m | 0- 2- 0- 7/ 9 | 0.0% | 22.2% | 22.2% | 0 | 91 | |
芝2500m~ | 0- 0- 1-16/17 | 0.0% | 0.0% | 5.9% | 0 | 11 |
(表5 前走非重賞出走馬に関するデータ)
前走が非重賞だった馬の好走例も3頭いる。この場合の目安としては前走で1~3着に入っていること。また、前走距離は【0.0.1.16】の芝2500m以上より、もう少し短い芝2200~2400mを使っていた馬のほうが【0.2.0.7】と結果を出しやすいことも、併せて押さえておきたい。
【結論】
前走G2出走の3頭に注目
今年は登録11頭のうち、重賞勝ち馬はブローザホーンのみというメンバー構成になった。しかし同馬は、前走G1出走のケースで不振の「6歳以上」に該当する。昨年の宝塚記念を制し、実績では断然の存在だが、今回のデータ分析からは強調しづらいところである。
前走G2出走の3頭はいずれもチャンスがありそう。日経新春杯2着のショウナンラプンタ、京都記念3着のマコトヴェリーキーは、複勝率46.2%の「前走1~3着」に合致。ヴェローチェエラは、過去10年で出走例がない前走G2で4着のため判断が難しいが、前走G2で1番人気だった馬は【2.0.1.3】と結果を出している。なお、前走G2出走の場合、馬体重の増減も忘れずにチェックしたい。
前走G3出走の2頭は、いずれも前走ダイヤモンドS。しかし、ワープスピード、コパノサントスともにダイヤモンドSの上がり順が5位以下で、好走例がないパターンに当てはまる。
前走非重賞出走の5頭からは、前走が芝2200~2400mかつ1~3着だったサンライズアースとウィープディライトの名前を挙げておく。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。