競馬新聞・出馬表の見方/読み方を徹底解説
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競馬を観戦する、あるいは予想をする上で欠かせないツールと言えば、ズバリ、『競馬新聞』です。
競馬新聞を読めば、レース条件や出走馬の様々な情報を詳しく知ることができ、そこから出走馬の強さ、個性、得意・苦手、または調子なども把握することができます。そして、よりそのレース・出走各馬への理解を深めることができる――いわば競馬新聞とは、競馬をより一層楽しむための“ガイドブック”的なものとイメージしていただければと思います。
では、具体的にはどのような情報が掲載されているのでしょうか。競馬新聞には『出馬表』という一覧表のようなものが掲載されており、その『出馬表』には主に以下の情報が記載されています。JRA-VANスマートフォンアプリの出馬表といっしょに見ていきましょう。
芝orダート、距離、斤量条件、年齢条件、発走時刻など
馬名、性別、年齢、父・母・母の父、毛色、馬主、生産者、通算成績など
レース名、着順、人気、走破タイム、上がり3Fタイムなど
これほどの情報を一度に閲覧できるのですから、とても便利ですよね。逆を言えば、手元に競馬新聞がないと、上に挙げたような情報が一切ないわけですから、それでレースを予想しろと言われても無理！というもの。繰り返しになりますが、競馬や予想を楽しむ上で競馬新聞はマストアイテムなのです。
「予想印」とは、競馬記者がレースを予想し、出走各馬の強さや勝ち負けの可能性を評価する際に用いる記号です。
馬やレース、騎手のことを全く知らない、あるいは競馬新聞の読み方がよく分からなくても、この予想印の意味さえ覚えておけばOK。なにせ専門の競馬記者が取材した上で、馬券に絡む可能性の高い馬を記号で教えてくれているのですから、ビギナーの方でもある程度、どの馬が強いかを把握できるというわけです。というわけで、競馬新聞を読む際にはまず、この予想印から見ていくようにしましょう。
では、予想印の意味を解説していきます。
「◎」 本命。そのレースで一番強い馬、勝つ可能性が最も高いと思われる馬。または、1～3着に来る確率が最も高いと思われる馬。
「○」 対抗。そのレースで二番目に強い馬、◎を負かすことができると思われる馬。
「▲」 単穴。そのレースで3番目に強いと思われる馬。あるいは、人気はあまりなくとも、◎や○に勝つ可能性を秘めていると思われる馬。
「△」 連下。2、3着に来る可能性があると思われる馬。
実際には記者によって予想印への解釈は微妙に異なる場合もあるのですが、最初のうちは強い馬から順に「◎」「○」「▲」「△」と単純化して覚えておくのがいいでしょう。そして、これらの印がたくさん並んでいる馬が強い馬、上位に来る可能性が高い馬ということになります。
また、この4つの印だけでなく、「☆」「×」「注」「穴」など独自の記号を採用している競馬新聞もあります。その場合、「☆」や「×」は上から何番目の評価なのかは新聞各社によって意味が異なってくるのですが、いずれにしても印がついている馬は「上位に来る可能性がある」と記者が期待している馬だと、覚えておけばいいでしょう。
予想印と並んで、ビギナーの皆さんのみならず上級者にとっても重要な情報源となるのが、出馬表の中にある直近のレース成績欄。競馬新聞には通常、その馬が直近に走った5レースほどの成績欄が掲載されており、ここに載っている情報から、その馬の強さや得意条件、特徴などを読み取ることができます。いわば競走馬の経歴書のようなものであり、ある意味、競馬新聞の肝。ここはぜひとも読み方を覚えたいところです。
では、直近のレース成績欄の読み方について、JRA-VANのスマートフォンアプリにある「出馬表の見方」のサンプルを用いて見ていきましょう。
ご覧の通り上下2段ありますが、上の段が実際にアプリの出馬表に表示されるレース成績欄。下の段はそれぞれの文字情報が何を表しているかを説明しています。まずはこのサンプル表の上下2段を見比べながら、レース成績欄には何が記載されているのか、一つずつ確認して覚えていくといいでしょう。
では、補足する形で、覚えておきたい項目、少し分かりにくいと思われる箇所を解説していきます。
「着順」： 今回のサンプル表の着順は○で数字を囲っていますが、この着順の囲み記号は4種類あり、それぞれ次のように馬場状態を表しています。○＝良、□＝稍重、●＝重、■＝不良。これはぜひ覚えておきましょう。
「通過順位」： 1～4コーナーを何番目に通過したか。左から1、2、3、4コーナーの通過順位となります。これによって、その馬の脚質が推測できます。
「クラス」： JRAのレースは「新馬・未勝利」「1勝クラス」「2勝クラス」「3勝クラス」「オープン」と、5つのクラス分けがされています。基本的には1レース勝つごとに上のクラスに昇級していき、最もレベルの高い馬が集まるクラスがオープン。そして、オープンはさらに上位から順に「G1」「G2」「G3」「リステッド（L）」「オープン特別」とクラスが分けられており、「G1」「G2」「G3」をまとめてグレード競走（重賞）と言います。
「斤量」： ジョッキーの体重や鞍など全部合わせてその馬が背負った重量。単位はキログラムです。
「走破タイム」： そのレースを完走したタイム。単位は○分○秒○となります。
「後半3F」： 残り3ハロン（600m）の地点からゴールまでに要したタイム。「上がり3ハロン」とも言われています。
「ペース」： 表示されるアルファベットの意味は、H＝ハイペース、M＝ミドルペース、S＝スローペース。
「基準馬（着差）」： 1着だった場合は「そのレースの2着馬の名前と、2着馬との着差」。2着以下だった場合は、「そのレースの1着馬の名前と、1着馬との着差」が表示されます。着差の単位は秒。よって、上にあるサンプル表の場合は「2着のサンレイレーザーに0.1秒差をつけて1着」と読むことができます。
そして、もう一つ大事なポイントは「後半3F」の数字。この数字が速いほど優れた瞬発力を持っているという証拠となり、どれだけ速いラストスパートが使えるかと言い換えることもできます。現代の日本競馬においてはこの瞬発力、ラストスパートが勝ち負けを左右する重要なファクターの1つ。それは以下のデータからも明らかです。
JRAで実施された2022年の全レースを対象にデータを取ったところ、前走の後半3Fのタイムが速かった馬ほど、次のレースでの勝率、連対率、複勝率が高いという結果がでました。したがって、後半3Fでどれだけのタイムを出しているのか、何番目に速いタイムを出しているのか、常にチェックした方がいいでしょう。
予想印、直近のレース成績から、その馬の強さや特徴を把握できたとしても、その馬の現在の調子、状態がどうなのかについてまでは分かりません。出馬表に記載されている情報は、あくまで“過去”のデータであるからです。
そこで活用したいのが、出走各馬が所属する厩舎のコメントです。発言しているのは調教師、調教助手、担当厩務員、時には騎乗するジョッキーですから、信用度の高い情報と言えそうです。この厩舎コメントから馬の調子や厩舎の自信度を判断、推測していくといいでしょう。
そして、競馬専門紙ともなれば、メインの重賞以外の平場レースでもほぼ全頭の厩舎コメントが掲載されています。人気がない・予想印がついていない馬なのに厩舎コメントがやけに強気、ポジティブだなぁと思ったら、それは激走のサインかもしれません。予想印、出馬表の情報だけでは読み取れない“掘り出しもの”が眠っている可能性がありますので、厩舎コメントは読んでおいて損のない情報です。
競馬新聞、出馬表の読み方について、基本的なことを解説していきました。では、この中でどのデータを重点的に見ていけばいいのか？ 競馬新聞には様々なデータが掲載されているので、その答えは十人十色であり、一概に「このデータ！」と断言できるものではありません。
直近の成績はもちろん重要です。しかし、着順だけでは判断できない要素、例えば上で述べた「後半3F」の数字もそうですし、各馬の通過順位（脚質）から判断してレース展開を予想することや、どの競馬場・距離が得意なのか、あるいはどの騎手と相性が良いのかも、馬券を買う上では大事な情報となってくるでしょう。
となると、「これ一つ」と言うよりは、まずは各種データを総合的に見て、出走各馬の能力や特徴を比較していくことが一番なのかもしれません。つまり、その馬がどのような条件――芝orダート、距離、競馬場、右回りor左回り、馬場状態、枠順、前走からのレース間隔など――を最も得意とし、あるいは苦手としているのか。これらの情報を総合的に比較し、さらにそこに記者の予想印や厩舎コメントを重ねていけば、そのレースで馬券を買ってみたくなる馬が浮かび上がってくるはずです。
例えば「直近5走は続けて3着以内だけど、すべて1200メートル。今回は1400メートルで予想印も△が少しついているだけだから、思い切って軽視していいかもしれない」、あるいはその逆で「直近5走はすべて2ケタ着順だけど、今回は2戦2勝の東京競馬場。しかも厩舎のコメントも前向きだから期待できるかもしれない」など。そうして、競馬新聞の情報・データを読み込めば読み込むほど、競馬を見る目がどんどんと広がり、予想も上達していくでしょう。
競馬新聞よりもっと多彩な情報を知りたい！という方にはJRA-VANがおすすめです。
パソコン・スマートフォン向けのJRA公式データ配信サービスであるJRA-VANの大きな特徴としては、新聞紙面には掲載しきれないほどのデータ量を検索できること。実に30年分以上ものJRA公式データから、「このコース、距離で得意な騎手は？」「有利な枠順は？」など、自分の知りたい・見たい切り口で出馬表から簡単に調べることができるのです。
さらに、JRA-VANは過去の情報のみならず、“リアルタイム”で最新の情報を取得できることが大きな強み。その特徴を最も生かせるサービスが、リアルタイムオッズです。競馬新聞では1日前のオッズか、もしくは競馬新聞が独自に推測したオッズしか知ることができませんが、JRA-VANなら締め切り時間ギリギリまで正確なオッズを知ることができるのです。
また、リアルタイム情報と並んで競馬新聞にはない機能が「動画」。JRA-VANなら出走馬の過去に走ったレースはもちろん、最新の調教、その日のパドックの様子を動画で確認することができるのです。文字データ情報と合わせて、実際に動いている馬の様子を見ることができるのですから、競馬予想にはとても便利。また、レース終了後3分で通常のレース動画に加えて、パトロールビデオ、マルチビューも合わせて配信されるので、スマホ1台あればお出かけ先でも動画でレース結果を見ることができますし、次に向けた予習もバッチリできるというわけです。
そして、最後にもう一つ、おすすめしたいJRA-VANならではの機能が「データマイニング」。様々なJRA公式データをもとに、人工知能が総合的に判断してレース結果を予測してくれますので、馬券予想の参考としてぜひ活用したいところですね。でも、データマイニングって本当に当たるの？と思った方は、こちらの「データマイニング通信簿」をご覧になってください。毎週のように高配当を的中していますよ！
一見、ビギナーには分かりづらそうなために敬遠してしまいがちな競馬新聞。ですが、そこには様々な情報、データが多数掲載されており、だからこそ、競馬新聞の見方・読み方をマスターすれば、競馬を見る目が広がり、競馬予想もより上達するでしょう。
冒頭で、競馬新聞は競馬を楽しむためのガイドブックのような役割と説明しましたが、予想という観点に絞れば「競馬は推理小説のようだ」と例える人も大勢います。だとすれば、まさにその1冊の単行本にあたるのが競馬新聞。そこに書かれている情報を隅々まで読み解き、ぜひ名探偵となって犯人（勝ち馬）を推理してみてください。
そして、競馬新聞に掲載されている以上の多彩な情報がほしい！と思った方には、様々なサービスがあるJRA-VANがおすすめ。PCソフトのJRA-VAN NEXT（ネクスト）、スマートフォンアプリ、ニッチなデータを見たい方であればJRA-VAN DataLab.（データラボ）、手軽に予想をしたいのであればJRA-VAN TRYなどでJRA公式データ（過去レースデータや出馬表・オッズ・調教データや血統情報等）30年分を利用することができ、多くの競馬ファンに愛用されています。まずはJRA-VANをのぞいてみましょう！
スポーツニッポン、スポーツナビの記者・編集者を経てフリーランスに。これまで競馬、競輪、プロレス・格闘技、Doスポーツ、オリンピックなど多彩なジャンルを担当し、取材・執筆活動を行ってきた。思い出の馬はギャラントアロー。大学時代に毎週末通っていた阪神競馬場を今でもホームと思っている。
