【府中牝馬S × 過去データ分析】前走3勝クラス組に妙味あり!
2026/6/18(木)

今年で74回目を迎える府中牝馬S。この74回という回次は一昨年までエリザベス女王杯のステップレースとして行われていた「アイルランドT府中牝馬S」から引き継がれたものだが、昨年からの「6月開催」「牝馬限定G3」「ハンデ戦」という条件から事実上は、一昨年をもって休止されたマーメイドSの後継レースと言っていいだろう。そこで今回は2016年〜24年のマーメイドSに、昨年の府中牝馬Sを加えた10回を対象にデータを分析し、今年の府中牝馬Sの行方を占ってみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
好走確率トップは10番人気。中位人気勢に妙味あり
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 2 | 0-2-1-7/10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
| 3 | 1-2-1-6/10 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
| 4 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 5 | 1-1-2-6/10 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
| 6 | 1-0-3-6/10 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
| 7 | 2-1-0-7/10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
| 8 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 9 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
| 10 | 3-1-1-5/10 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
| 11〜 | 0-0-0-48/48 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表1 人気別成績)
人気別の成績では、最多の3勝を挙げる10番人気が【3.1.1.5】で勝率・連対率・複勝率すべてトップ。1、2番人気はどちらも複勝率30.0%止まりで計1勝。3番人気【1.2.1.6】も1、2番人気の不振を補えるほどではなく、上位人気の信頼性はあまり高くない。前述の10番人気のほか、複勝率40.0%の5、6番人気など、中位人気勢に妙味がある。ただ、11番人気以下は【0.0.0.48】。単勝オッズでは27倍以上になると【0.0.0.43】と、極端な穴馬の好走は期待できない。なお、昨年の府中牝馬Sは5→3→2番人気の順で3連単は4万馬券となっている。
4歳が勝率・複勝率トップも、上位人気馬は苦戦
| 年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 1〜3番人気 | 4番人気以下 |
| 4歳 | 5-3-4-42/54 | 9.3% | 14.8% | 22.2% | 0-0-1-11 | 5-3-3-31 |
| 5歳 | 4-5-5-58/72 | 5.6% | 12.5% | 19.4% | 2-3-2-9 | 2-2-3-49 |
| 6歳 | 1-2-1-16/20 | 5.0% | 15.0% | 20.0% | 0-2-0-0 | 1-0-1-16 |
| 7歳 | 0-0-0-2/2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-0 | 0-0-0-2 |
(表2 年齢別成績)
年齢別では4歳が半数の5勝を挙げ、勝率9.3%・複勝率22.2%はトップ。しかし表の右に記したように1〜3番人気に支持されると【0.0.1.11】と苦戦しており、4番人気以下が4歳の好走馬12頭中11頭を占めている。1〜3番人気にかぎると5歳は複勝率43.8%、そして6歳は連対率100%と、人気馬を買うなら5〜6歳を優先したい。なお、昨年は4歳→6歳→4歳の1〜3着だった。
前走G1組は苦戦、オープン特別組・G2組の上位人気馬が安定
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 1〜5番人気 | 同複勝率 |
| 2勝クラス | 1-1-2-17/21 | 4.8% | 9.5% | 19.0% | 1-0-0-4 | 20.0% |
| 3勝クラス | 5-4-2-39/50 | 10.0% | 18.0% | 22.0% | 0-3-2-11 | 31.3% |
| OPEN | 3-1-1-12/17 | 17.6% | 23.5% | 29.4% | 2-1-1-1 | 80.0% |
| G3 | 1-2-3-34/40 | 2.5% | 7.5% | 15.0% | 1-1-1-12 | 20.0% |
| G2 | 0-2-2-7/11 | 0.0% | 18.2% | 36.4% | 0-2-2-3 | 57.1% |
| G1 | 0-0-0-9/9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-2 | 0.0% |
(表3 前走クラス別成績)
表3は前走クラス別成績で、出走取消も前走扱いとしている。複勝率が高いのはオープン特別組とG2組で、特にオープン特別組は今回5番人気以内なら【2.1.1.1】複勝率80.0%と安定感は抜群。G2組も同57.1%と上々だ。勝利が多いのは前走3勝クラス組で半数の5勝をマーク。5頭いずれも6〜10番人気と穴っぽい馬が勝っているのが特徴だ。一方、G1組は【0.0.0.9】と苦戦を強いられている。
各クラスについてもう少し詳しくみると、G2組の好走馬4頭は前走5〜8着で今回3〜5番人気。2番人気以内に支持された馬は【0.0.0.2】に終わっている。G3組は5歳、前走福島牝馬S、前走ひと桁着順の馬がいずれも好走馬6頭中5頭。3勝クラス組とオープン特別組は表4、表5で解説する。2勝クラス組は本年の登録馬には不在だ。
オープン特別組ならG1で4着以内の実績馬か前走1着
| 年 | 馬名 | 府中牝馬S(※) | 前走 | 主なG1実績 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
| 2017 | マキシマムドパリ | 3 | 1 | 大阪城S | 2 | 13 | 秋華賞3着 |
| 2020 | センテリュオ | 2 | 2 | 大阪城S | 3 | 5 | エリザベス女王杯4着 |
| 2022 | ウインマイティー | 10 | 1 | メトロポリタンS | 4 | 4 | オークス3着 |
| ソフトフルート | 1 | 3 | 都大路S | 1 | 4 | 秋華賞3着 | |
| 2025 | セキトバイースト | 5 | 1 | 都大路S | 8 | 1 | (桜花賞7着) |
(表4 前走オープン特別からの3着以内好走馬)
※昨年の府中牝馬S+2016〜24年のマーメイドS
前走オープン特別組の好走馬は表4の5頭で、うち4頭はG1で4着以内に食い込んだ実績を持っていた。昨年の勝ち馬・セキトバイーストだけは桜花賞7着が最高だったが、同馬は前走の都大路Sを勝っていたほか、G2では2着に好走した実績があった(チューリップ賞)。
穴馬の好走が多い前走3勝クラス組
| 年 | 馬名 | 府中牝馬S(※) | 前走 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | ||
| 2016 | リラヴァティ | 6 | 1 | パールS | 3 | 1 |
| ヒルノマテーラ | 7 | 2 | パールS | 4 | 4 | |
| 2018 | アンドリエッテ | 10 | 1 | パールS | 5 | 3 |
| 2019 | サラス | 7 | 1 | パールS | 11 | 3 |
| スカーレットカラー | 5 | 3 | パールS | 7 | 1 | |
| 2020 | サマーセント | 7 | 1 | 下鴨S | 6 | 3 |
| 2021 | シャムロックヒル | 10 | 1 | 寿S | 6 | 14 |
| クラヴェル | 5 | 2 | シドニーT | 4 | 4 | |
| 2024 | エーデルブルーメ | 1 | 2 | ダイワSC | 1 | 1 |
| 2025 | カナテープ | 3 | 2 | 初音S | 3 | 1 |
| ラヴァンダ | 2 | 3 | シドニーT | 1 | 2 | |
(表5 前走3勝クラスからの3着以内好走馬)
※昨年の府中牝馬S+2016〜24年のマーメイドS
最後に表5は前走3勝クラス組の好走馬11頭で、昨年は2〜3着を占めた。このうち10頭は前走4着以内だが、勝っていた馬は4頭にとどまり、4着までに入っていればチャンスは十分にある。また、先にも触れたように中位人気勢の好走が多く、前走4着以内かつ今回5〜10番人気だった馬は【4.2.1.6】で勝率30.8%・複勝率53.8%。単複の回収率はそれぞれ436%、225%と妙味がかなり高く要注目だ。
【結論】
難解な一戦だが、前走3勝クラス組のエストゥペンダに妙味あり!
表3で高複勝率だった前走オープン特別組やG2組で今回5番人気以内になりそうな馬をまず狙いたいところ。これに該当するヴァルキリーバースは前走1着+G2連対実績で一見すると良さそうだが、同馬は4歳で3番人気以内に推されそうな点がどうか(表2)。G2組のルージュソリテールも同様の理由で、当日の人気がカギを握る。逆に上位人気での信頼性が高い5歳馬・ニシノティアモは、前走がG1・ヴィクトリアMだったことが減点材料になる(表3)。
ならば、最多の5勝を挙げている前走3勝クラス組から、前走1着の4歳馬・エストゥペンダを狙いたい。表5本文で触れた5〜10番人気あたりが予想され、仮にもう少し人気になったとしても4歳馬は4番人気以下なら問題はない。また同じ3勝クラス組から、本稿執筆時点では除外対象だが、出走できればユキワリザクラもおもしろい存在になる。
その他では、前走G3組で5歳、前走福島牝馬S、前走ひと桁着順の3項目をすべてクリアするコガネノソラやセキトバイースト。前走オープン特別組ではG1・朝日杯FS3着の実績を持つタガノエルピーダにもチャンスはありそうだ。なお、前述のヴァルキリーバースとルージュソリテールも4〜5番人気止まりであれば候補に入ってくるため、当日の人気は忘れずにチェックしたい。
【追記】タガノエルピーダは本競走を回避し、同日の阪神・しらさぎSに出走する。
ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


