セレクトセール2022 セレクトセール出身の主な活躍馬

セレクトセールで落札されて、今年の上半期に大舞台で活躍した馬たちを、セールの時のエピソードや、デビューからの歩みなどを交えて紹介します。

ポタジェ

ポタジェ

セレクトセール2018 1歳セッション 購買価格:1億9000万円
父:ディープインパクト 母:ジンジャーパンチ
牡5歳・友道康夫厩舎(栗東) 馬主:金子真人ホールディングス(株)
ポタジェ

2022年大阪杯

セレクトセールに上場されていたディープインパクト産駒の牡馬が、ミリオンをはるかに超えるような評価を集めた理由。それは競走馬としての活躍だけでなく、種牡馬となる可能性も含まれての評価だったからだろう。

ポタジェの母ジンジャーパンチは、現役時にブリーダーズカップディスタフ(米G1)を含むG1レース6勝をあげており、エクリプス賞最優秀古牝馬にも選出された名牝である。日本で繁殖入りしてからも、3番仔のルージュバックが重賞を4勝するなど、優れた繁殖成績を残している。

2018年のセレクトセール1歳セッションに上場されたポタジェは、活発な取引の末に1億9000万円で金子真人ホールディングス(株)によって落札されている。この時の1歳セッション全体では5番目、1歳セッションのディープインパクト産駒の中では2番目という高額取引馬となった。

育成時から評判が高く、デビュー前にはクラシック候補として様々な媒体で取り上げられたものの、日本ダービー出走をかけたプリンシパルSで2着に敗れるなど、勝ちきれないレースが続いた。それでも3歳の夏から連勝を重ねていき、4歳春にはリステッド勝ちを果たすも、その後の重賞では再び勝ち運から見放されるレースが続く。

だが、8番人気で出走した今年の大阪杯では、昨年度のJRA賞年度代表馬エフフォーリアより前の位置でレースを進めていくと、最後の直線で連覇を狙うレイパパレをかわして勝利。重賞初制覇がGI制覇という快挙を成し遂げた。

大阪杯の勝利で、引退後の種牡馬入りが見えてきたポタジェ。ただ、ディープインパクト産駒たちが続々と種牡馬入りしていく現状において評価を高めていくには、さらなるGIタイトルが必要となってくる。

しかしながら、良血開花を感じさせたような大阪杯のレース内容からしても、これからのGIでさらに勝利を積み重ねていく可能性は充分に考えられそうだ。

注記:金額は、全て税抜金額
注記:2022年6月15日時点での情報を基に作成

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。