ストーリー
名スプリンターのロードカナロアは5歳でG1レースを4勝したが、同じキングカメハメ産駒のラブリーデイも同様に豊かな成長力を備えていた。北海道・安平町のノーザンファームで母ポップコーンジャズ(その父ダンスインザダーク)から2010年に生まれると、5年後にG1レース2勝を含む重賞6勝の快進撃を披露した。
ラブリーデイは2歳8月のデビュー戦から2戦目にはオープンの野路菊Sを勝ち、さらに3戦目の京王杯2歳Sでも2着と早々から素質の高さを見せたが、4戦目の朝日杯フューチュリティSで7着に完敗。明け3歳は皐月賞で15着、ダービーも7着とG1の壁に跳ね返された。ひと息入れて夏場の小倉記念から晩秋の金鯱賞と古馬を相手に2着と善戦したものの、G1の有馬記念ではまたも大敗。4歳は中日新聞杯3着からオープン特別に回って1年7か月ぶりの白星を挙げ、そのままG1に挑戦することなく重賞戦線で地力を強化していった。
そして、年が明けて5歳を迎えると同時に蓄えてきた力を発露させる。中山金杯で始動したラブリーデイは、皐月賞で10馬身余り離されたロゴタイプを抑え、レコードのおまけ付きで重賞初制覇。京都記念ではダービー馬キズナらとの接戦を制し、同期のクラシックホースたちに一矢報いて重賞連勝を飾る。余勢を駆って臨んだ阪神大賞典、久々のG1挑戦となった天皇賞(春)は距離が長く完敗に終わるも、鳴尾記念で適距離に戻すと危なげなく勝利を収め、本格化を疑いのないものにした。
前哨戦を制したラブリーデイは宝塚記念に参戦。1番人気のゴールドシップが大きく出遅れて場内が騒然とする中、2番手から押し切る正攻法でG1の頂に駆け上がった。束の間の夏休みから復帰した京都大賞典は重賞で久々に1番人気に推されて完勝。さらに天皇賞(秋)も堂々の好位差しで1番人気に応え、名実ともに中距離の支配者となる。この後はジャパンCで3着、有馬記念も5着と距離の壁に阻まれたが、2015年は開催初日から最終日まで戦い抜きG1、G2、G3を各2勝という圧巻の成績でJRA賞最優秀4歳以上牡馬を受賞した。
ラブリーデイは6歳の翌年も現役を続け、香港に2度遠征するなど中距離に絞って6戦した。しかし、キタサンブラックやモーリスらの台頭もあって勝利には手が届かず、香港Cでの4着を最後に引退。種牡馬入りした。