過去の高額取引馬ランキング

セレクトセール過去の高額取引馬ランキング

第3位

ショウナンアデイブ(シーヴの2019)
購買価格:5億1000万円〔セレクトセール2020 1歳セッション〕
ショウナンアデイブ

2020年のセレクトセールは、1歳セッション、当歳セッションと連日に渡って、母シーヴの産駒が上場された。

初日の1歳セッションの上場馬となったのが、シーヴの2019こと後のショウナンアデイブ。半姉に当たる Cathryn Sophiaはケンタッキーオークス(米G1)の優勝馬。そこに、前年(2019年)に死亡したディープインパクト産駒という希少性も相まって、せり開始前の展示から多くの購買関係者を集めていた。

最初の一声から1億円を超えたせりは、国内の1歳市場では最高額となる5億1000万円で落札。購入した国本哲秀氏はせりの後の会見において、「10億まで降りる気はなかった」 とショウナンアデイブを必ず手に入れたかったという、強い意気込みを語っていた。

翌日の当歳セッションに上場されたシーヴの2020(牡、父ハーツクライ)も2億1000万円で落札されており、シーヴの産駒は2日間で計7億2000万円の評価がされたことになる。

デビュー前の2歳馬取材においても、注目される存在となっていたショウナンアデイブは、その後の調整も順調に進み、2021年10月のメイクデビュー阪神(芝2000m)で初戦を迎える。そのレースで2着に敗れると、その後、3戦続けて2着に敗退と惜しいレースを続けていく。

デビュー5戦目の3歳未勝利(芝2000m)でようやく勝利を果たすと、その後は若葉S(7着)、京都新聞杯に出走(8着)。こうした格上挑戦は、陣営が能力を高く買っていることの証明とも言える。秋以降に巻き返す可能性を充分に秘めている馬でもあるだけに、夏の上がり馬と言えるような活躍を期待したい。

第4位

ザサンデーフサイチ(エアグルーヴの2004)
購買価格:4億9000万円〔セレクトセール2004 当歳セッション〕
ザサンデーフサイチ

馬名の由来となっているのは、日曜日と冠名の組み合わせ。また、日曜日に放送されていた情報番組からもインスパイアされたと言われているのが、ザサンデーフサイチだ。

注目を集めたのはその馬名だけではない。父ダンスインザダーク、母エアグルーヴという良血馬であり、しかも、この時の落札額となる4億9000万円は当時の国内競走馬市場における最高額。その上、落札したのはセレクトセールの黎明期から注目を集めてきた関口房朗氏だった。

多くのメディアがザサンデーフサイチの動向だけでなく、関口氏の言動も追いかける中、2006年10月の東京開催(芝1600m)でデビューを迎える。単勝オッズ1.3倍という圧倒的な支持を集めるも、その人気に応えられず3着に敗退。しかも、レース後に骨折が判明して休養を余儀なくされる。

復帰初戦は2着に敗れて、続く3歳未勝利(芝2000m)を勝ち上がったザサンデーフサイチであるが、500万下(現1勝クラス)で8着に敗れた後に、再度骨折が判明。その後は5歳時に500万下(現1勝クラス)と紫野特別を勝利すると、なんと11歳まで現役生活を続け、通算41戦3勝の競走成績を残している。

引退後はその良血が評価される形で、2015年から優駿スタリオンステーションにてスタッドイン。決して多くはない産駒の中から、エムワンハルコが盛岡の芝重賞であるサファイア賞を優勝した。2021年に種牡馬を引退し、現在は功労馬として繋養されている。

第5位

リアド(タイタンクイーンの2019)
購買価格:4億7000万円〔セレクトセール2019 当歳セッション〕
リアド

母のタイタンクイーンは、産駒の中から3頭の重賞勝ち馬(Renee's Titan、Fashion Alert、ストロングタイタン)を輩出。そのストロングタイタンに加えて、ミラアイトーン、ギルデッドミラーと、日本でも3頭のオープン馬を送り出している。

その母にディープインパクトが配合されて、セレクトセール2019の当歳セッションに上場されてきたのがリアドだ。

この年は種付けシーズン早々にディープインパクトが種付けを中止し、同じ年の7月に死亡したことで、この配合馬(父ディープインパクト×母タイタンクイーン)はリアドが最初で最後となった。

4億7000万円で落札したのは近藤利一氏。この評価額は前日の1歳セッションの最高額馬となったミュージカルウェイの2018(競走馬名ザレストノーウェア)の3億6000万円を超える評価額であるが、共にディープインパクト産駒であり、2頭そろって近藤利一氏が落札している。

近藤氏が亡くなったあと、大塚亮一氏に名義が変更されたリアドは、2021年10月のメイクデビュー阪神(芝1800m)で初戦を飾ると、2戦目は若駒Sに出走。1番人気の支持を受けたものの、逃げたリューベックをとらえられず2着に敗れる。

その後はクラシック出走を図るべく、毎日杯に出走して5着。続く京都新聞杯でも7着に敗れてしまう。だが、ストロングタイタンやミラアイトーンの競走成績を見ても、母の産駒の牡馬は遅咲きの傾向があるだけに、秋競馬での巻き返しは充分に期待できそうだ。

注記:購買価格は税抜金額
注記:2022年7月12日時点での情報を基に作成

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。