ストーリー
北海道・安平町のノーザンファームで父バゴ、母クロノロジスト(その父クロフネ)から2016年に生まれたクロノジェネシスは、2019年に半姉のノームコアと姉妹でG1制覇の快挙を成し遂げるなどG1レースを通算4勝。近親に重賞4勝のフサイチエアデールや2歳王者フサイチリシャールもいる活気あふれるファミリーの中で出色の活躍を披露した。
クロノジェネシスは2歳の小倉開催でデビューしている。牧場時代から評判が高く、初陣も1番人気で快勝したが、北村友一騎手に伝わった能力は調教時の感触を超えてきたという。2戦目のアイビーSも完勝したクロノジェネシスは、3戦目で阪神ジュベナイルFに駒を進める。しかし、出遅れてダノンファンタジーとの追いくらべに半馬身差で敗れ、痛恨の黒星を喫することになった。
クロノジェネシスは2か月後に3歳初戦のクイーンCで重賞初制覇を飾ったが、続く桜花賞ではグランアレグリア、さらにオークスでもラヴズオンリーユーと一時代を築く名牝たちの後塵を拝して無冠に終わる。それでも、姉のノームコアと同様に夏を越して一段と成長し、ぶっつけ本番で臨んだ秋華賞を20kg増の馬体で完勝。ヴィクトリアマイル勝ちの姉とともに同一年G1制覇を果たした。
次戦のエリザベス女王杯では敗れたものの、クロノジェネシスは3か月の休養から始動した4歳からいよいよ本領を発揮。京都記念を完勝して向かった大阪杯をクビ差で惜敗する一方、続く宝塚記念では並み居る牡馬たちを蹴散らして6馬身差の圧勝。直行した天皇賞(秋)ではアーモンドアイに屈したが、有馬記念を中団後方から早めの進出で押し切りグランプリ春秋制覇を達成した。
国内で確固たる地位を築いたクロノジェネシスは、5歳を迎えると世界に視線を向ける。初戦ではドバイシーマクラシックに遠征し、欧州最強クラスのミシュリフと叩き合ってクビ差の2着。その後に北村友一騎手が落馬負傷して主戦交代のアクシデントに見舞われるも、宝塚記念で史上3頭目のグランプリ3連勝を成し遂げて世界レベルの実力を証明した。
そして、秋には凱旋門賞に挑戦。2番手追走から残り200mまで先頭争いを演じる大きな見せ場を作ったものの、日本では経験できないような道悪馬場が最後に堪えて7着に完敗した。次戦の有馬記念も遠征の疲れか爆発力が影を潜め、3着と十分な結果を残すも史上初のグランプリ4連勝はならず。レース終了後に引退式を行って繁殖入りした。