ストーリー
ノームコアは父ハービンジャー、母クロノロジスト(母の父クロフネ)から2015年に北海道・安平町のノーザンファームで誕生。4歳時の2019年には1歳下の半妹クロノジェネシスとともに姉妹でG1制覇を果たすなど、スピードを武器にマイルと2000mでG1レースを2勝した。
若駒時代のノームコアは秘めたる能力の一端を見せる一方で、上手くかみ合わない状況が続いた。2歳時の2戦をいずれも先行策から完勝したノームコアだが、半年の休養から3歳初戦のフラワーCで初の重賞に挑むと、前2戦と同じよう先行したものの終盤に捕まり3着で賞金加算ならず。続いて矛先を向けたフローラSも3着で優先出走権を逃し、桜花賞にもオークスにも縁がないまま春を終えた。
秋を迎えたノームコアは紫苑Sで復帰すると、春の先行から好位の後ろに控える形に変え、レースレコードを1秒7も更新する3馬身差の圧勝劇で重賞初制覇。秋華賞への道を文句なしの形で切り開いた。ところが、激走の反動か疲労の回復が遅れて秋華賞を回避することになり、エリザベス女王杯には間に合ったものの5着。3歳時の重賞4戦は全て掲示板に載った一方、今ひとつ波に乗り切れなかった。
明けて4歳も流れを引きずり、初戦の愛知杯は発馬の失敗で2着に敗れると、2戦目の中山牝馬Sでも7着。2戦続けて1番人気を裏切る結果となった。しかし、次戦のヴィクトリアマイルでデビュー当初に見せていたスピードを解き放ち、中団からの差し切りで鮮やかにG1初制覇を飾る。1分30秒5の走破タイムは芝1600mの世界レコードだった。その後に左第1指骨の剥離骨折が判明したものの、5か月後に富士Sで戦列に復帰すると強烈な末脚で牡馬たちを一蹴。海外初挑戦の香港マイルでも4着に善戦し、マイル路線では牡馬にも引けを取らない強豪に成長した。
5歳を迎えたノームコアは初戦で高松宮記念に狙いを定め、初のスプリント戦でスピードを試したが、重馬場に大外枠が重なり、持ち味を生かせずにチャレンジ失敗。連覇が懸かるヴィクトリアマイルはアーモンドアイ、次戦の安田記念もグランアレグリアがノームコアの前に立ちはだかり、善戦の域を出られずに終わった。すると今度は紫苑Sで実績のある2000mに距離を延ばし、札幌記念を快勝して路線転換に成功する。続くエリザベス女王杯は逃げたことが裏目に出て大敗を喫するも、次戦の香港Cはレースレコードで2度目のG1制覇。見事に有終の美を飾って繁殖入りした。