ストーリー
北海道・安平町のノーザンファームでSS系最良のダート種牡馬として名を馳せた父ゴールドアリュール、フレンチデピュティ産駒の母モンヴェールから2013年に生まれたゴールドドリーム。フェブラリーSとチャンピオンズCの同一年制覇を果たすなど、ダートG1戦線を長きに渡りけん引した。
ゴールドドリームは初陣から引退まで芝に出走することなく、全27戦がダートというスペシャリストの道を歩んだ。2歳暮れのデビューから3連勝で3歳ダート路線の登竜門というべきヒヤシンスSを勝つと、次戦は交流重賞の兵庫チャンピオンシップで初黒星を喫するも、5戦目にはユニコーンSで重賞初制覇。キャリアの滑り出しはエリートのそれだった。
続いて3歳ダート馬の日本一を決めるジャパンダートダービーは初の2000mが影響したのか3着に敗れるものの、休養から復帰した武蔵野Sでは古馬を相手に対等の斤量でレコード決着の2着に善戦。3歳秋の時点では古馬と互角に戦うのが難しいダート路線で、すでに現役トップクラスの実力の持ち主であることを証明する。しかし、チャンピオンズCでは2番人気に推されるも若さを露呈し、出遅れて折り合いも欠き12着に惨敗した。
それでも、明け4歳で直行したフェブラリーSでは、すでに十分な実績を築いていた東京1600mで躍動。中団から堂々と抜け出す快勝劇でG1初制覇を飾った。その後に挑んだドバイWCで最下位に大敗すると帰国後も精彩を欠いたが、暮れのチャンピオンズCを豪快な末脚で完勝。ジャパンCダート時代を含め史上3頭目となるフェブラリーSとの同一年制覇を成し遂げてJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。
復活の狼煙を上げたゴールドドリームは王道を邁進し、2年後のチャンピオンズCまでG1(Jpn1)ばかりに出走して3着をはずすことはなかった。その間、かしわ記念連覇や2000mを克服して帝王賞を制すなど8戦連続の連対、フェブラリーSでは4歳時と合わせて3年連続の連対と、ダート王と呼ぶにふさわしい活躍を続けた。
そして、世界最高賞金のレースとして新設されたサウジCに招待されたことを受け、6歳の東京大賞典で引退の予定を返上して7歳も現役を続行する。しかし、サウジCで6着に終わると、転戦するはずだったドバイWCはコロナ禍で開催中止。帰国後は若い力に押されて迎えたチャンピオンズCで2着と意地を見せた。その後、8歳も現役を続ける意向だったが、左前肢の状態が整わずに断念して種牡馬入りした。