ストーリー
ケイティブレイブは2013年に北海道・新ひだか町の岡野牧場が生産。父は高松宮記念勝ちのアドマイヤマックス、母ケイティローレルは王道路線で活躍したサクラローレルの産駒ながら、その半兄にはガーネットSなど短距離を中心にダート重賞8勝のビーマイナカヤマ、NZトロフィーや京王杯2歳Sでの2着など芝マイル路線で活躍したマイネルフォーグらがいる。ダートの本格派として大成するには少々意外な背景を備えていた。
ケイティブレイブは2歳の9月末にデビュー3戦目で初勝利を挙げ、明け3歳の1月に2勝目を手にしたが、これが9歳まで続く競走生活において中央競馬での最後の白星となる。5月には兵庫チャンピオンシップで重賞初制覇を飾ると、続くジャパンDダービー(2着)以降も月1走ペースで戦い続け、10月の白山大賞典と11月の浦和記念を連勝して交流重賞を3勝した。
明け4歳も出走ペースに大きな変わりはなく、初戦の川崎記念から18日後にはフェブラリーSで6着。芝の新馬戦以来、久々に掲示板から漏れたが、次戦の名古屋大賞典で巻き返すと、2戦後の帝王賞でG1級初制覇と着実にステップアップを果たす。下半期は未勝利に終わるも、大井開催のJBCクラシック2着、暮れの東京大賞典3着と、3歳のJDダービーと合わせて大井競馬場では無類の安定感を発揮していた。
そして、5歳の2018年に競走生活の転機とピークを迎える。ケイティブレイブは初戦の川崎記念で2度目のG1級制覇を飾る一方、フェブラリーSでは初めて大きく崩れ、その後に目野哲也調教師の定年に伴って杉山晴紀調教師の下へ転厩。移籍初戦のダイオライト記念に勝つと初めての放牧を経験する。レース後のリフレッシュや馬房の効率的運用のため、短期放牧を利用することが多い現在の厩舎事情にあって、重賞級の馬が年単位、それもデビューから3年近く在厩というのは極めて異例なことだった。
リフレッシュを経たケイティブレイブは帝王賞2着から日本テレビ盃、京都開催のJBCクラシックを連勝。自身最多となる年間4勝(G1級2勝)を記録するなど勢いを増したが、順調な歩みに急ブレーキが掛かってしまう。川崎記念で2着と上々の滑り出しを見せた6歳、海外初遠征のドバイで疝痛に見舞われ、緊急の回復手術を要すなど生命の危機に瀕した。一命を取り止めて帰国後は、復帰戦の浦和記念を劇的に制すも、これが最後の勝利となる。
7歳のフェブラリーSでは最低人気に反発して2着に激走。復活の兆しを見せていた中で脚部不安により1年余りの休養を余儀なくされるなど、持ち前の堅実さを取り戻せないまま引退。種牡馬入りした。