競馬予想・競馬情報トップ > 記事一覧 > 競馬で当てるコツ・方法と馬券の買い方とは?
とにかく馬券を当てたい! ただひたすら的中を目指すなら、その近道は「人気のある馬や組み合わせ=オッズが低い馬券」を買うことです。2018年の中央競馬全レースで、単勝1番人気に推された馬の勝率は31.8%。そのうち、単勝オッズ2倍未満の馬は勝率47.9%、3着以内に入る確率は81.4%にもなります。
しかし、単勝オッズ2倍の馬でも、2回に1回以上は勝ってくれないとプラス収支にはなりません。それが「2倍未満」で「勝率47.9%」では確実にマイナスです。
もし、その2018年に該当した全馬の単勝を100円ずつ買ったとすると、購入金額8万2400円に対し、手にできた払戻金の合計は6万3300円。1万9100円のマイナスで、単勝回収率は76.8%に過ぎませんでした。
もっとも、波乱ばかりの日でもない限り大きく負けることはありませんので、競馬を1日楽しんでマイナス××円なら安いもの、と考えられれば良いでしょう。しかし、できれば収支もプラスにしたいものです。
では逆に、的中率は低くても高配当を当てられれば良いのでしょうか。
今度は単勝オッズ50倍以上の馬を見てみると、同じく2018年の中央競馬全レースで勝率はわずか0.6%、1000頭のうち6頭です。仮に50倍以上の馬が1レース平均10頭いたとしても、勝つのは100レースにつき6回だけ。そんな穴馬ばかりを買っていては、1レースも当たらずに競馬場から帰る日が多くなってしまいます。
この2つの例からわかるように、競馬(馬券)は的中することだけ、あるいは高配当を当てて大儲けすることだけを目指すのではなく、的中率と配当(オッズ)のバランスが重要になります。誰しもが本命に推すような馬=オッズが低い馬ばかりではなく、ひとひねりして、多少は確率が下がっても、ちょっと配当が良い馬。そんな馬をうまく見つけ出す方法を身につけていきたいものです。
出走馬の人気を大きく左右するのは過去の実績、特に前走の成績です。ほかに騎手なども挙げられますが、それら、多くのファンが注目する要素から導き出される有力馬は、どうしてもオッズが低くなってしまうもの。競馬予想に慣れてきたら、意外な馬が浮かび上がるような予想ファクターを併用するのがオススメです。
血統は、競馬の予想ファクターとして古くから用いられてきました。ただ、ある程度の知識が必要になるため、初心者の方には少しハードルが高かったものです。しかし現在は、パソコン用の競馬ソフトやスマホアプリなど、さまざまな手段によって、より詳しい情報を得ることが可能になりました。
たとえば、画面1、2は「JRA-VANスマホアプリ(Android)」で過去3年の東京競馬場・1600m戦について、芝とダートそれぞれの種牡馬(父馬)別成績を表示したものです。同じ1600mという距離でも、勝利数上位に入っている種牡馬の顔ぶれはまったく異なることがわかります。
前走とは違うコースのレースに出走する馬がいれば、比較して上積みがありそうなのか、それとも減点が必要なのか、こうして調べることができるのです。
競馬新聞などには出走馬の過去走について、着順のほか、勝ち馬との着差・タイム差(1着馬なら2着馬との差)も掲載され、それだけでも単に「勝った」「負けた」にとどまらない比較が可能です。
しかし、同じ「0.1秒差・1着」でも、騎手が「持ったまま」で勝った馬と、目一杯に追われて辛勝だった馬とでは、もちろんその価値は異なります。
そういった「勝ち方」「負け方」を、すべてのレース、すべての出走馬について覚えておくのは、たとえ競馬のプロでもほぼ不可能。当時のレース映像を見て、その勝ちっぷりや道中であった不利などを、改めて振り返るのが得策です。
競馬場やWINS、そしてテレビの競馬中継では、その日に出走する馬の「参考レース」が数多く放映されています。また、JRA-VANのスマホアプリなど、ネットを通じて過去のレース動画を視聴できるサービスもありますので、ぜひ活用しましょう。
出走馬の力関係は、前走までの着順や、その走破時計といった数字で判断されることが多いものです。しかし、出走馬レベルや、馬場状態が異なるレースでの数字を比較しても、好結果が得られるとは限りません。
これらの数字を、他馬と直接比較可能にするために用いられるのが「指数」です。競走馬の能力を示す能力指数、走破時計に注目したタイム指数など、さまざまな指数が考案されています。
たとえばタイム指数の場合、同じ「芝1400m・1分20秒0」でも、良馬場で速い時計が出やすい日のタイムなら価値は「50」、逆に時計を要する日なら「70」の価値があると考える、といった形になります。
JRA-VANでは、データマイニングによる「タイム型」「対戦型」という2つの指数が、パソコン用ソフト「JRA-VAN NEXT」やスマホアプリなどで提供されています。
調教は、レース出走へ向けた競走馬のトレーニング。馬の個性や、厩舎の調整法によって時計の出し方に違いはありますが、速ければ「そのタイムを出せるだけの状態にある(力がある)」と判断ができます。
また、その馬自身の過去の調教との比較も重要です。前走より調教タイムが速くなったり遅くなったりしていれば、前走とは違う結果……好走していた馬が凡走したり、凡走から巻き返したりする可能性が考えられます。中には、速いタイムを記録した前走の結果が伴わなかったため、意図的に軽い調教を行う馬もいます。
ほかに、「過去の日本ダービーで好走した馬に多い調教パターン」などレースごとの傾向を調べ、それに合致する馬を買うという馬券作戦もあります。
この項の冒頭で、人気のある馬=オッズの低い馬を買っていれば的中率は上がることを紹介しました(儲かるかどうかは別です)。これに加えて、レースの的中率を上げる方法はもうひとつあります。それは「買い目の数を増やす」ことです。
中央競馬では複勝とワイドを除き、1レースで的中する買い目は各馬券式別ごとに1つずつです(同着がない場合)。だからといって、単勝も馬連も3連単も1点しか買ってはいけない、などというルールはありません。特に単勝は、穴狙いでも1点しか買わない人が多いようですが、当たれば配当は高いのですから、レースによっては2点、3点と買う手もあります。
また、それぞれのレースで単勝だけ、馬連だけと絞る必要もありません。同じレースで単勝と3連複など、複数の式別を買うこともできます。単勝はハズレても、その単勝を買った馬が3着で3連複は当たった、などということはよくあるものです。
しかし、あまりに「目の前のレースを当てたい」という思いが強すぎると、陥りがちなのがいわゆる「トリガミ」、せっかく予想が当たったのに収支はマイナスだった、という結果です。
たとえば馬連で5頭ボックスを買えば、その買い目は10点。1点あたり100円なら、購入金額の合計は1000円になります。馬連上位人気のオッズはほとんどのレースで10倍を切るため、10点のうちいくつかの買い目は、当たってもマイナスになってしまいます。
1つの馬券式別だけでもそんなことが起きるのですから、複数の式別を買うとなれば、いっそう「トリガミ」になりやすくなるのです。「数分後のハズレ馬券」を買い足すことになってはいないかと、しっかり考える必要があります。その一方で、予想が完璧に的中し「単勝も馬連も3連単も全部当たった!」となれば、難易度の低い馬券だけを買うより、大きな払戻金を手にできるというメリットもあるのです。
中央競馬で発売されている馬券のうち「1着馬と2着馬の組み合わせを当てる馬券」としては、馬単と馬連があります。馬単は1、2着を着順通りに当てる馬券、馬連は順番を問わず2頭の組み合わせが当たれば良い馬券です。
この2つでは馬単のほうが難しく、その分、配当も高くなります。2頭の勝つ確率がほぼ同じだと考えられる場合、馬単のオッズは馬連の約2倍になります。2019年の「スプリンターズステークス」を例に見てみましょう。
1番人気: | 2番 ダノンスマッシュ | 単勝2.8倍 |
---|---|---|
2番人気: | 8番 タワーオブロンドン | 単勝2.9倍 |
馬連 | 2−8 | 4.6倍 |
---|---|---|
馬単 | 2→8 | 9.4倍 |
8→2 | 9.1倍 |
1番人気・ダノンスマッシュと、2番人気・タワーオブロンドンの単勝オッズは非常に接近しており、馬単ではどちらが1着の組み合わせでも、馬連の約2倍のオッズがついていました。
このようにファンの評価が二分されたレースでも、自分が予想した結果、どちらか一方の勝つ確率がかなり高いと思えるなら、リスクを冒してでも馬単を買うべきでしょう。1点に絞れなくても、総額1000円を700円と300円に分けるなど「強弱」をつけることも可能です。
しかし、中には馬単と馬連のオッズがあまり変わらないレースもあります。組み合わせた2頭のうち、一方の勝つ確率が非常に高いと考えられている場合です。
たとえば、2019年10月に行われた「アルテミスステークス」というレースでは、単勝1.3倍の断然人気に支持されたリアアメリアが優勝しました。
1着 | 9番 リアアメリア | 1番人気・単勝1.3倍 |
---|---|---|
2着 | 8番 サンクテュエール | 2番人気・単勝5.2倍 |
3着 | 5番 ビッククインバイオ | 3番人気・単勝23.5倍 |
馬連 | 8−9 | 260円 | 馬単 | 9→8 | 300円 |
---|---|---|---|---|---|
3連複 | 5−8−9 | 990円 | 3連単 | 9→8→5 | 2020円 |
2着には2番人気馬が入ったにもかかわらず、馬連260円に対し馬単は300円。たった40円しか違わなかったのです。
2018年の中央競馬全レースで、単勝1.3倍の馬が勝つ確率は52.6%、2着になる確率は28.9%でした(約2割は3着以下)。2着に負ける確率がこれほどあると知れば、少し配当が安くなることを承知のうえで馬単より馬連を選択する人もいるでしょう。ただ、リアアメリアがほぼ確実に勝つと予想した人にとっては、馬単にすれば払戻金が約15%も増えるなら十分、という考え方にもなります。
また、この「アルテミスステークス」は、3連複「5−8−9」の配当が990円、3連単「9→8→5」は2020円でした。リアアメリアが勝つとしても、2、3着の順番を決めかねた場合は、3連単「9→5→8」「9→8→5」の2点、1レースの予算が200円なら100円ずつを買うことになります。
一方、3連複なら「5−8−9」1点を200円買えるため、払戻は990円×2=1980円。やはり3連単の2020円にかなり近い額になりました。しかも、もしリアアメリアが2着や3着に敗れた場合、3連単ではハズレてしまいますが、3連複は3頭とも3着以内なら的中です(3着同着は除く)。
このように、購入するレースや馬券式別の難易度、買い目のオッズと数など、さまざまな要素によって、的中率や、当たったときの払戻総額には違いが出てきます。リスクとリターンをしっかり考え、みなさんの予想スタイルや、レースの難易度に応じた買い方を身につけたいものです。
繰り返しになりますが、馬券を当てたいだけなら、上位人気の馬を中心に、数多くの組み合わせを買うことが近道です。しかし、リスクを減らそうとすればするほど「トリガミ」になる可能性が高まってしまいます。ある程度の確率で的中した上で、プラス収支も計上できるような買い方が理想です。
そのためには、ほかの人とは少し違う予想法にチャレンジしたり、予想法はオーソドックスでも、的中する確率の割にオッズが高い「おいしい」買い目を探したりと、ひと工夫する必要があります。
JRA-VANでは、そういった「ひと工夫」に役立つさまざまな情報が提供されています。出走する各馬や、その父、騎手、調教師の詳細データ、過去のレース映像、全馬券式別のオッズ、さらにニュース記事など、その情報は多彩です。パソコン用ソフトやスマートフォン用アプリを活用して、「当たる」そして「儲かる」買い方を、ぜひ追求してみてください。
JRA-VANには様々なサービスがあります。PCソフトのJRA-VAN NEXT(ネクスト)、スマートフォンアプリ、ニッチなデータを見たい方であればJRA-VAN DataLab.(データラボ)、手軽に予想をしたいのであればJRA-VAN TRYなどJRA公式データ(過去レースデータや出馬表・オッズ・調教データや血統情報等)30年分を利用することができて多くの競馬ファンに愛用されています。
1970年、埼玉県生まれ。タブロイド紙のレース部、競馬データベース会社を経て、現在はフリーの競馬ライター。JRA-VAN DataLab.に対応した競馬ソフトを活用した原稿も数多く執筆している。