ストーリー
北海道・日高町の下河辺牧場で父ルーラーシップ、母エターナルブーケ(母の父マンハッタンカフェ)から2018年に誕生したソウルラッシュは、2020年暮れに芝2000mでデビュー勝ちを飾った。しかし、2戦目の明け3歳からは2000mを超える距離で勝てない日々が続く。母の半兄には青葉賞など長距離でオープン2勝のヒラボクディープがおり、血統表に並ぶ馬名からは長めの距離で活躍を期待されるのも無理はなかった。
しかし、デビューから1年が経った3歳12月に初のマイル戦を試されたことが転機となる。鞍上が手綱を抑えたまま上がり最速を叩き出して圧勝すると、その後も着差以上の内容で勝利を重ね、4歳春のマイラーズCまで一気の4連勝でマイルの最前線に躍り出た。ところが、勢いをぶつけた安田記念では13着に惨敗し、秋のマイルCSも4着。連覇を狙った5歳のマイラーズCは3着、安田記念は9着に完敗と再び勝利から遠ざかる。
ただ、ソウルラッシュが本領を発揮するのはここからだった。安田記念後は京成杯オータムHで再始動。59kgのトップハンデを課されるも、これを克服して1年5カ月ぶりの白星をあげると、次戦のマイルCSもクビ差の2着でG1初連対と前進する。父のルーラーシップが晩成だったように、5歳の秋を迎えて充実ぶりが見て取れるようになっていった。
明けて6歳は始動戦のマイラーズCで2年ぶり2度目の勝利。続く安田記念は3着とまたもG1に届かなかったものの、過去2年の惨敗から躍進する。そして、富士Sから再始動した秋はマイルCSで2馬身1/2差と突き抜け、7度目の挑戦で待望のG1初制覇。団野大成騎手がゴール前の5完歩ほどを残して派手なガッツポーズを繰り出したため過怠金の制裁を受けたが、それほどまでに余裕のある会心の勝利だった。
次戦の香港マイルでも2着と前年(4着)以上の結果を残したソウルラッシュは7歳でも現役を続行。中山記念から臨んだドバイターフでは幾度となく日本調教馬の前に立ちはだかってきた香港のロマンチックウォリアーをわずか8mm差で下し、2度目のG1制覇を飾ると同時に日本勢としても一矢報いる価値ある勝利を手にした。
結局、それが最後の白星となり、凱旋レースの安田記念で2年連続の3着後に左前肢の骨折が判明。幸い軽傷で秋には復帰できたものの、連覇を狙ったマイルCSは6着で2年半ぶりに掲示板から漏れる結果となった。それでも、引退レースの香港マイルでは前年に続き惜敗ながら、一度は先頭に立つ意地を見せて種牡馬生活の待つ故郷へ帰っていった。

