「オーナーとは普段通りに接し、正直な気持ちを伝えている」

毎年のように活躍馬を出し、成績もハイレベルで安定しています。その秘訣は?

「走るからまた良い馬を預けていただけるという良いサイクルになっていると思います。これを崩さないように努力して毎年好成績をあげていこうとスタッフには話しています」

金子真人氏や佐々木主浩氏、かつては近藤利一氏(故人)など、個性派オーナーからの預託が多い印象があります。

「誰とでも正直に普段通りに接することは心掛けています。例えば佐々木オーナーは、ヴィブロスで秋華賞勝った時『次はジャパンCや有馬記念』と考えておられたけど、馬の体調や成長力を考慮して『ひと休みさせましょう』と提案しました。これを聞き入れてもらえたことで年明けから馬が一段と良くなりました。すると、佐々木さんが『ドバイへ行きたい』と。最初は『え?!』と思ったけど、前年にはこちらの意見を聞いてもらったので、今回はオーナーの意見を聞いて、遠征したらドバイターフ(G1)を勝てました。自分の考えだけだったらドバイは視野に入っていませんでした。正直な気持ちを伝えたことで最高の結果につながった好例だと思いました」

2017年のドバイターフを制したヴィヴロス。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

そうやって沢山の名馬を育てられましたが、思い出に残っている馬は?

「やはりハルーワスウィートです。私が調教師試験に合格して、技術調教師としてノーザンファームを訪れた際、当歳時のハルーワスウィートに出合い、吉田勝己社長から預けていただけることになりました。つまり厩舎の預託馬第一号だったんです。尻尾の無い馬だったけど、自身が5勝したばかりかシュヴァルグランやヴィブロスといった子達も皆、走ったし、ヴィルシーナに至ってはブラヴァスやディヴィーナなど、そのまた子供達も走っています」

2歳馬にも期待の馬はいますか?

「ハルーワスウィートの子のグランヴィノスは10月のデビューを予定しています。馬格があって良い馬です。また、デニムアンドルビーの子のデューデットも良いですよ。父はモーリスだけど、450キロくらいの均整がとれた体はディープインパクト産駒と言われても納得しちゃうと思います。ゲート試験は既に合格しているので、こちらも10月のデビューを目指しています」

「思い出に残っている馬はハルーワスウィート」と語る友道調教師。(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

前回伺った時にもJRA-VANを使用されているとおっしゃっていましたが、現在はいかがでしょうか?

「スマホとPCと合わせて毎日10回以上はアクセスしています(笑)。何か調べる時はなくてはならないアイテムです。フランスでも活用させていただきます」

では最後にファンの皆様にひと言、いただけますか?

「いつも応援していただきありがとうございます。凱旋門賞は皆さんにも喜んでいただけるような結果が出せるように全力で挑みます。引き続き応援よろしくお願いいたします」