「G1を勝てて、タイトルホルダーにありがとう、という気持ちです」

天皇賞(春)を逃げて圧勝したタイトルホルダー(Photo by Shuhei Okada)

さて、先ほども名前の出たタイトルホルダーですが、初めて跨ったのは昨年の有馬記念。

「菊花賞馬ですからね。普通、GT馬の手綱が回ってくるなんて、ありえません。ありがたいと思いました」

レース前に調教で初めて乗った時の印象は?

「難しい面はあったけど、事前に(菊花賞を勝った時の乗っていた弟の横山)武史に癖を聞いていたし、想定内という感じでした」

日経賞でタッグを組んで初勝利を挙げました。

「次の天皇賞(春)を見据えた上で結果も求められるという立場でした。でも、ただ勝つだけでなく、しっかり折り合いもついて、次にも希望の持てるよい競馬ができました」

宝塚記念(G1)もレコードで圧勝し2つ目のG1を手に入れた(Photo by Toru Arita)

実際に天皇賞(春)(G1)を逃げて圧勝しましたね。

「直前の調教も乗っていたのですが、落ち着きもあったし、期待できると感じていた通りの強い競馬でした」

ご自身も初のG1制覇となりましたが、いかがでしたか?

「僕自身がG1を勝っていなかったことで、挑戦者という気持ちで臨めたから思ったほど緊張せず、楽しんで乗れました。G1を勝てて嬉しいのは当然ですが、タイトルホルダーありがとう、という気持ちでした」

続く宝塚記念(G1)もレコードで圧勝しました。

「天皇賞の時は逃げようと考えていたけど、宝塚記念は他にも行きたい馬がいたので、リズムさえ崩さなければ位置取りはどこでも良いと考えていました」

抜群のスタートでしたが他を行かせて2番手に。

「ゲートセンスの良い馬なので行こうとすれば行けました。でも、最後に気持ち良くゴールを迎えてもらうために位置取りよりもリズムを重視しました」

1000メートルは57秒台。速過ぎる?とは感じましたか?

「一緒にリズム良く走れていたので、何も心配はありませんでした」

直線では早目に先頭に立ちました。

「雰囲気や様子を確かめながらあのタイミングで動きました。抜けた後も危な気なく走り切ってくれました」

2200メートルが課題になるかと思われましたが、終わってみればレコード勝ちでしたね。

「時計は馬場状態やペースもあったので……。それより2200メートルもリズム良く走れたことに、馬の成長を感じられたし、今後を考える上で自信になりました」