競馬予想・競馬情報トップ > 記事一覧 > 購入点数を絞り込む買い方 3連単のフォーメーションとは?
3連単は、軸1頭(1着)ながしが基本的な購入方法といえるでしょう。「この馬が勝つ!」と信じられる馬を1着に固定、その相手(2〜3着候補)を数頭ピックアップし、1着−2着−3着の組合せを購入するわけです。
計12点となる
この場合、2着の部分と3着の部分には同じ顔ぶれが並ぶことになります。
これに対し、2着候補を絞り込んだり、あるいは2着候補・3着候補を別々に指定して購入するのがフォーメーションという方法です。
計6点となる
軸馬5番の相手として選んだ馬は3番・7番・10番・14番の4頭ですが、「より有力なのは10番と14番。3番と7番は、せいぜい3着まで。2着に来るのは厳しいだろう」という予想を形にした買い方といえます。
ながし馬券ではなく、わざわざフォーメーションで購入する意味やメリットは、ちゃんとあります。いっぽう、ながし馬券では得られるメリットがフォーメーションでは得られない、という事実も存在します。そのあたりを理解したうえで、フォーメーションにチャレンジするようにしたいものです。
ながし馬券に比べて購入点数を抑えられるのが最大のメリットです。前述のように軸馬(1着)が1頭、相手(2着・3着候補)が4頭の場合、ながし馬券の組合せ総数は12点となりますが、2着候補を半分の2頭にすれば組合せ総数も半分の6点に収まります。
「3番と7番が2着に来るのは厳しいだろう」と予想したなら、その3番・7番を2着に置く組合せを省略=確率の低い組合せを買わずに済ませることで、購入資金を節約する、というわけです。
また5番の馬を1着に固定し、相手(2着・3着候補)が3番・7番・10番・14番という4頭の場合、ながし馬券の組合せ総数は12点。馬券に含まれる馬は計5頭です。
しかし、1着に5番、2着には10番と14番だけ、3着に1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番の7頭、というフォーメーションの場合、組合せ総数は同じく12点、馬券に含まれる馬は計8頭。フォーメーションは、同じ組合せ総数でも、ながし馬券より幅広い馬をカバーできる、というメリットがあるわけです。
上述のような買い方をした場合、もしも「2着に来るのは厳しいだろう」と予想した3番や7番が2着に入ったら不的中です。たとえば1着5番−2着3番−3着10番で決着した場合、「相手として選んだ馬の顔ぶれは正解」、けれど「その組合せは買っていない」ということになるわけです。
2着候補・3着候補の絞り込みは、より慎重に行わなければならず、ながし馬券より難易度の高い買い方といえるでしょう。
3連単ながし馬券ではなく3連単フォーメーションで購入するべきレースとしては、どんなケースが考えられるでしょうか。
まず思いつくのは、力関係がハッキリしているレース。実力断然の存在が1頭、それに次ぐ有力馬が2頭、それ以下は混戦、といったケースでは、ながし馬券ではなくフォーメーションで馬券を組み立てたいところです。
1着:5番(実力断然)
2着:10番・14番(かなり有力)
3着:1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番
12点
この例の場合、もし1番・3番・7番・8番・10番・11番・14番すべてを相手(2着候補・3着候補)にした「ながし馬券」を購入すると、組合せ総数は42点にもなってしまいます。フォーメーションの方が効率的なケースといえるでしょう。
また、通常ながし馬券やフォーメーションではもっとも強いと思える馬1頭を1着に固定することが多いのですが、複数の馬を1着に割り当てることも可能です。
たとえば「5番と10番の一騎打ち」「割って入るとすれば14番か」というレースではフォーメーションを有効活用して以下のように馬券を組み立てることが考えられます。
1着:5番・10番
2着:5番・10番・14番
3着:5番・9番・10番・14番
8点
1着〜3着に入る馬を、順番まで正確に予想しなければならない3連単は、難易度の高い馬券。16頭立てのレースの場合、単勝は16通り、馬連の組合せは全120通り、3連複は全560通りであるのに対し、3連単は3360通り。単純に確率を考えると、的中させることは難しいかもしれません。
かといって100点、200点と買っていては購入資金が尽きてしまいます。組合せ総数を減らせる=購入資金を節約できるフォーメーションを有効活用したいものです。
3連単は「勝つ馬はどれか」「2着・3着になる可能性を持つ馬はどれか」という予想がベースとなる馬券。特にフォーメーションは、ながし馬券と比べて、主として2着候補を絞り込む買い方といえるため、予想の正確さがより大切となります。
出走頭数が多くて実力比較の難しいレースでは、あれもこれもと馬券に組み込みたくなって、せっかく「組合せ総数を減らせる=購入資金を節約できる」というフォーメーションのメリットを十分に生かせないかもしれません。まずは少頭数のレースからはじめてみることをおすすめします。
3連単を購入する場合、大切なのは「組合せ総数(何点買うことになるのか)」を把握すること。馬連や3連複などと比べて組合せ総数が多くなる3連単では、1着・2着・3着候補にあれもこれもと選びすぎると、瞬く間に購入点数が増えてしまうため、注意が必要です。
原則として3連単の組合せ総数は以下の式で計算できます。
1着に指定した馬・2着に指定した馬・3着に指定した馬が重複していない場合は、この計算式で単純に組合せ総数を求めることが可能です。
ただし3連単では、たとえば軸1頭ながしのように、2着・3着に同じ馬を指定して購入することが多くなるはずです。この場合、重複したぶんを除いて組合せ総数を計算しなければなりません。
軸馬(1着) :5番
相手(2着・3着):3番・7番・10番・14番
1着:1頭
2着:4頭
3着:4頭−2着になる1頭=3頭
1×4×3=12点
3連単フォーメーションでも同様で、1着指定馬・2着指定馬・3着指定馬の重複を考慮して組合せ総数を計算することになります。
重複ぶんを減算するための計算式もありますが、やや複雑です。レース前の限られた時間で、1着指定馬と2着指定馬の重複、2着指定馬と3着指定馬の重複、1着〜3着まですべて指定した馬……などと数えながら組合せ総数を計算することは現実的ではありません。
そこで利用したいのがJRAホームページに用意されている「フォーメーション組み合わせ数計算」。1着候補・2着候補・3着候補として指定したい馬番にチェックマークを入れていくことで、総組合せ数が何点になるのかを自動計算してくれるページです。
パソコンやスマートフォンのユーザーであれば、このページを利用するのが便利かつ確実です。
また3連単フォーメーションを自分の馬券スタイルとして恒常的に活用したい場合は、あらかじめ「これが自分のパターン」というものを決めておくことをおすすめします。
1着:1頭
2着:2頭(1着指定馬は入れない)
3着:6頭(2着指定馬の2頭も入れる) 組合せ総数10点
1着:2頭
2着:2頭(1着指定馬と同じ2頭)
3着:5頭(1〜2着指定馬は入れない) 組合せ総数10点
1着:2頭
2着:3頭(1着指定馬2頭+1頭)
3着:7頭(1〜2着指定馬の3頭も入れる) 組合せ総数20点
1着:2頭
2着:4頭(1着指定馬2頭+2頭)
3着:7頭(1〜2着指定馬の4頭も入れる) 組合せ総数30点
1着:3頭
2着:5頭(1着指定馬3頭+2頭)
3着:7頭(1〜2着指定馬の5頭も入れる) 組合せ総数60点
競馬では予想の正確さが何よりも大切。とりわけ1〜3着までに入る馬を順番通りに指定しなければならない3連単では、複数の馬の実力を冷静に比較して「絶対に勝てる馬」や「必ず3着以内に入る馬」を見つけ出すことが的中への大前提となります。
中でもフォーメーションは、なるべく購入資金を抑えるために、主として2着候補を絞り込む効率的な買い方。なおさら予想の精度が的中・不的中を左右することになります。
またフォーメーションは、ながし馬券と同じ資金(組合せ総数)で、ながし馬券より多くの馬(主として3着指定馬)を馬券に組み込める可能性を秘めています。データをもとに思わぬ穴馬を見つけ出し、3連単フォーメーションに組み込んでみるのも面白いでしょう。
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『優駿』、JRAレーシングプログラム、JRAホームページ、競馬専門誌などの掲載記事や、競馬シミュレーションゲーム・競馬データの解説書などを多数手がけるほか、企業取材など他ジャンルも執筆する。