競馬の馬単とは？　しっかりと着順を指定して買ってみよう

馬単は１着と２着を着順通りに当てる馬券

　馬単とは１着と２着になる馬の馬番号を、着順通りに当てる馬券です。１着と２着の馬を当てる馬券としては馬連がポピュラーですが、着順通り当てるというのが馬単のポイントで、馬連に比べると的中の難易度が上がります。その分配当も上がる魅力的な面はありますが、競馬ビギナー向けではないかもしれません。

　馬単は「連対が期待できそうな馬」ではなく、「勝てそうな馬」を探す必要があります。その意味では『単勝』が狙える馬がいる時は、馬単を買うチャンスです。２着候補の馬もある程度絞れる場合は、積極的に馬単を買ってみるといいかもしれません。

馬単の“裏表買い”は理にかなわない

　馬単は馬連に見立てた買い方をすることもできます。例えば馬番�@と�Aの組み合わせを買いたい場合、馬単�@→�Aと�A→�@の２点を買って、馬連�@−�Aに見立てるというものです。これは馬単の“裏表買い”と呼ばれるもので、�@と�Aが連対さえすれば的中馬券を手にすることができます。

　ただ、買い目数が馬連の２倍になるので、資金配分や配当次第で損をする可能性が高まります。もし馬単の裏表それぞれの配当が、馬連の２倍以上であれば馬単で買う方が得になるのですが、実際にはそうなることはほとんどありません。

　このように１番人気が連対を果たしても２着であれば馬単はいい配当が期待できます。しかし、１着だった場合は馬連の1.5倍未満という配当になってしまいます。したがって、馬単の裏表、両方を買った場合（資金は半分ずつとして）は、人気がない方が勝てばかなり儲かりますが、そうでなかった場合は利益がとても少なくなり、“トリガミ”（馬券が当たったのに損をすること）の危険も出てきます。それならば最初から馬連１点に絞って買った方がいい、ということになります。

　そもそも馬券には券種ごとに『控除率』が定められています。馬単は75.00％、馬連は77.50％で、元々馬連の方が馬単よりも得な馬券になっているのです。したがって、馬単の裏表買いというのは理にかなわない買い方であり、馬連の代用にはならないのです。

馬単は着順を固定して買う馬券

　馬単の“裏表買い”が良くないのであれば、表（１着固定）か裏（２着固定）どちらかだけを買えば問題ないということになります。

　基本的な買い方は２つのパターンがあります。着順固定した理由に関してはこれに限りませんが、とにかく１着か２着に固定したい馬がいるときに馬単は有効です。

　（１）はとてもシンプルな考え方です。本命馬を１着に固定し、２着候補を何頭か選んで買う『流し馬券』が一般的です。本命馬を単勝で買う自信があり、なおかつ２着候補も絞れる場合にオススメな馬券です。

　（２）は難しい考え方です。「本命馬が勝ってはダメ」というのは、ベテランの競馬ファンでも人によっては違和感を覚えるでしょう。「勝つのは厳しいが、２着ならば可能性があるかもしれない」と思った馬でも、勢い余って勝ってしまうことは競馬では良くあるので、買いづらいのです。もしその本命馬が人気薄だった場合、２着よりも１着にきた時の方が、馬単は確実に高配当になります。２着固定にしたことでその高配当を逃したのではショックが大きい。こんな事態を避けるためには、馬単にこだわる必要はなく、馬連を買うべきです。

　（２）の買い方をしやすいのは、本命馬が１着よりも２着だった時の方が馬券的に妙味がある場合です。つまり１番人気の馬を２着固定にした馬単です。大多数のファンが「勝つだろう」と思っている強い馬が２着に敗れた時こそ、いい配当が生まれるからです。前述の日本ダービーや安田記念がまさにそうしたレースです。１番人気のエフフォーリアやグランアレグリアを信頼しつつも、２着に固定することでより配当のいい馬券をゲットすることができるのです。

馬単と馬連を両方買うときは資金配分がカギ！

　もし馬単と馬連を両方買いたい場合は、資金配分がポイントになります。例えば、何はともあれ“トリガミ”だけは防ぎたいのであれば、保険として資金の少額を馬連に回します。実際のオッズを見て馬連が当たれば『回収率』100％（プラスマイナスゼロ）になるようにし、残りの資金で馬単を買うといいでしょう。逆に馬連をメインとして資金の大半をつぎ込み、ボーナス馬券として馬単を少額だけ買うという方法もあります。大半という文字通り資金の半分以上を馬連に回せば、よほど低い配当でない限り当たればそれなりに利益は出るでしょう。馬単には「当たればラッキー」ぐらいの感覚で資金を回すと、気楽に競馬を楽しむことができるかもしれません。