ストーリー
2012年に北海道・安平町のノーザンファームで父ディープインパクト、フランスで重賞3勝の母ミュージカルウェイ(母の父ゴールドアウェイ)から生まれたミッキークイーン。翌年のセレクトセール(1歳)で1億円の高評価を得た牝馬は、二冠制覇など期待に違わぬ成功を収めることになった。
ミッキークイーンは2歳12月に迎えた初陣を出遅れにより落としたが、2週後の2戦目はゲートを決め、2歳のうちに白星を手にして明け3歳初戦のクイーンCで重賞に挑戦した。しかし、関東への初輸送で体重が20kgも激減し、キャリア最軽量の424kgで臨んだレースは最後方から猛然と追い込むも2着に惜敗する。その後は立て直しを優先したためトライアルに出走できず、抽選にも漏れて桜花賞の出走を逃すことになった。
それでも、ミッキークイーンは忘れな草賞を快勝して賞金加算に成功すると、今度は東京競馬場への輸送も克服。迎えたオークスでは次位より0秒3速い圧倒的な末脚を繰り出して世代の頂点に立った。夏休みから復帰したローズSではゲート難が顔をのぞかせ、最後方から追い込み及ばず2着に敗れたものの、続く秋華賞は大外枠からいつもより前の位置を取りにいく積極的なレースを展開。差し切りのオークスとは対照的に後続を振り切って二冠を達成する。次戦のジャパンCは古馬相手もあり初めて連対をはずしたが、この年はJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞した。
ミッキークイーンは4歳以降も現役を続け、春は1600mの阪神牝馬Sとヴィクトリアマイルでともに2着。回復が遅れて宝塚記念を回避すると、夏場に球節を捻挫して京都大賞典から始動する秋の予定も狂った。そうして直行を余儀なくされたエリザベス女王杯は、3歳時に結果を出した2000m以上の牝馬限定戦で最大のチャンスとなるはずも3着に泣き、有馬記念も牝馬で最先着ながら5着とリズムに乗れないまま1年を終えた。
5歳も阪神牝馬Sからの始動となったが、前年とは異なり重馬場で時計を要す条件になったことが幸い。中団から豪快に突き抜けて約1年半ぶりの勝利を挙げる。続くヴィクトリアマイルは不利もあり7着と牝馬限定戦で唯一の着外となる一方、次戦の宝塚記念では牡馬相手の重賞で初入着の3着と改めて実力をアピールした。しかし、夏場に前年と同じ脚部不安に見舞われると、エリザベス女王杯には再びぶっつけ本番で3着と縁がなく、次戦の有馬記念を最後に繁殖入りした。