ストーリー
北海道・白老町の社台コーポレーション白老ファームで2011年に生まれたショウナンパンドラ。父はディープインパクト、母キューティゴールド(その父フレンチデピュティ)の半兄にステイゴールド、半姉にはレクレドールがいる良血で、素質を開花させるまでの過程はDNAの影響を強く感じさせた。
ショウナンパンドラから見て伯父のステイゴールド、伯母のレクレドールは3歳春のクラシックに縁がなく、秋になって最後の一冠だけ出走できた。ショウナンパンドラも同様で、明け3歳1月にデビュー2戦目で初勝利を挙げたものの、次戦のエルフィンSで2着に敗れると、その後もフラワーCとスイートピーSで5着。エルフィンS以降は全て1番人気に推されながら、桜花賞にもオークスにも出走は叶わなかった。
その後、8月の新潟開催で2勝目を挙げたショウナンパンドラは、次戦で紫苑Sに臨むとクビ差の2着で秋華賞の優先出走権を確保。最後の一冠にはギリギリで滑り込むことができた。そして、ようやくたどりついたG1の舞台では、中団追走から内目の最短距離をキープすると、行く先々の進路が開いて無理なく先頭。自身の背後から外に持ち出されたオークス馬ヌーヴォレコルトの猛追をクビ差振り切り、それまでのもどかしい日々を清算するかのような会心の走りで重賞初制覇を果たした。
しかし、次戦のエリザベス女王杯で6着に敗れ、明けて4歳は大阪杯9着、ヴィクトリアマイルも8着と完敗が続く。そうして迎えた宝塚記念は11番人気まで評価を落とすことになったが、馬場の荒れたラチ沿いから粘りを発揮して3着に激走。4歳秋に向けて健在をアピールすると、再始動のオールカマーを末脚鋭く快勝して戦いの最前線に返り咲いた。
その先は前年に敗れたエリザベス女王杯を目標とせず、牡馬が相手の王道を選択する。天皇賞(秋)は外枠や発馬直後の不利も重なり、上がり最速の追い込みも及ばず4着に終わったものの、次戦のジャパンCでは再度の外枠を克服。池添謙一騎手が馬群に突っ込んでロスを最小限に防ぐとゴール前の激戦をクビ差で制し、2015年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。
5歳も現役を続けたショウナンパンドラは、初戦の大阪杯、2戦目のヴィクトリアマイルとも3着と前年から着順を上げるも、宝塚記念に向けて調整中に左前肢を骨折。秋の復帰を目指して療養するも繁殖生活を優先し、そのまま引退することになった。