ストーリー
2010年に北海道・浦河町の高昭牧場で父スズカマンボ、母メイショウモモカ(母の父グラスワンダー)から生まれたメイショウマンボ。9番人気でのオークス制覇から次々とG1レースを制し、2013年の牝馬戦線で一瞬の眩い光を放った。
メイショウマンボは2歳11月末のデビュー戦を1番人気で迎え、鮮やかに差し切りを決めて快勝する。2週後には阪神ジュベナイルフィリーズに挑戦したが、出遅れて内から挽回を図るも10着。明け3歳初戦の紅梅Sからは調教師へ転身する飯田祐史騎手から武幸四郎騎手に乗り替わった。
新コンビの初戦は勝ち馬に3馬身差をつけられて2着に完敗も、新馬戦と同様にスムーズに末脚を伸ばして変わり身を見せる。続くこぶし賞では2番枠から中団のラチ沿いを追走すると、最終コーナーから大外に持ち出されて豪快に差し切り。続くフィリーズレビューで重賞初制覇を飾ると、桜花賞の有力候補に浮上した。
しかし、4番人気に推された桜花賞では大外枠から中団馬群の外で脚を使わされる格好になり、2度目のG1挑戦も10着の完敗に終わる。その結果に加えて1400mのフィリーズレビューを勝っていたメイショウマンボは、2400mのオークスで9番人気に評価を落としたが、レースでは桜花賞と対照的な展開が待っていた。
中団の内ラチ沿いで包まれることなく伸び伸びと追走したメイショウマンボは、直線でもスムーズに外へ持ち出されて末脚を炸裂。これ以上ないほどの完ぺきなレース運びで快勝する。武幸四郎騎手は、久々のG1勝利に人目をはばからず大粒の涙をこぼした。
秋はローズSでひと叩きして秋華賞に臨み、武豊騎手が鞍上のスマートレイアーを抑える兄弟騎手のワンツーで二冠を達成。さらにエリザベス女王杯でも中団追走から堂々と抜け出す完勝で3度目のG1制覇を果たした。G1ではいずれも2着に1馬身1/4差をつけ、JRA賞最優秀3歳牝馬を受賞。メイショウマンボ時代が幕を開けたはずだった。
しかし、エリザベス女王杯での勝利が現役最後の勝利となる。女王として迎えた4歳は大阪杯で牡馬たちに完敗する一方、2戦目のヴィクトリアマイルでは半馬身差の2着と底力を見せた。ところが、次戦の宝塚記念以降は大きなケガもなく過ごしながら2桁着順が続き、7歳春にキャリアを終えることになった。