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19年の菊花賞を制したワールドプレミア
2019年の神戸新聞杯で3着に入り、続く菊花賞で優勝した実績がある。全兄のワールドエース(皐月賞2着)に比べると一瞬の末脚は見劣るが、本馬の方が長くいい脚を持続できて長い距離を苦にしない。今回のような芝3200mのG1は待ち望んだ舞台だ。前走日経賞はスタートでやや後手を踏んで中団よりも後ろから進み、4コーナーは外を回って最後の直線に入った。ウインマリリンとカレンブーケドールを捕らえ切れず3着と敗れたが、懸命な伸び脚は目立った。今回は距離が延びるし、斤量は前走1、2着馬との差が3〜4キロから2キロへと縮まるので、十分逆転は可能だろう。
アメリカジョッキークラブカップを勝ったアリストテレス
昨年の菊花賞では最後の直線でディープボンドを振り切り、コントレイルとの一騎打ちに持ち込んで2着に入った。重賞初挑戦ながら迫力ある走りをみせ、3000mの距離にも難なく対応した。高いポテンシャルがあり、まだ成長も期待できる素質馬だ。2走前のアメリカジョッキークラブカップで重賞初制覇を飾ったが、前走阪神大賞典はまさかの7着に敗退。途中から手ごたえが怪しくなり前へ進んでいかず、残り200mあたりで失速してしまった。2戦連続で道悪馬場を走らされたダメージは大きかったのかもしれない。本調子を取り戻せれば、上位争いはできる。
日経賞を快勝したウインマリリン
2019年、20年に天皇賞(春)を連覇したフィエールマンと同じ手塚貴久厩舎の管理馬。本馬は3歳時にフローラSを勝ち、オークスではデアリングタクトの2着と好走。秋はエリザベス女王杯が4着だったが、同レースは勝ち馬だけでなく2着サラキア、3着ラヴズオンリーユーと上位勢は強かった。前走は日経賞を勝ち重賞2勝目。うまく立ち回りカレンブーケドールとワールドプレミアを下した。長距離にも対応できそうなレースっぷりで、最後に上り坂があるコースも合っていそうだ。皐月賞を制して勢いに乗る横山武史騎手の手腕にも期待だ。
2019年ジャパンCなどG1で3度の2着がある。昨年のジャパンCではアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトに続く4着に入線。続く有馬記念はクロノジェネシスの5着(ワールドプレミアと同着)という結果だった。現役トップクラスの馬たちには分が悪いが、2番手グループには安定して入る実力を持っている。今回は阪神芝3200mが舞台。競馬場も距離も全く経験はないが、場所を選ぶタイプではないので、あまり気にする必要はないだろう。相手関係は3走前や2走前に比べて楽にはなっている。悲願のG1制覇を飾ることができるか。
前走阪神大賞典は重馬場のなか4番手で追走し、最後の直線は抜け出すと後続を突き放し5馬身差の圧勝を飾った。レースのラップを調べると12秒台のラップが長く刻まれていて、全体的に淀みないペースだった。タフな馬場状態も相まってかなりスタミナを要したはずだ。重賞初制覇を飾った20年の京都新聞杯も前半に11秒台が続くレースラップで、上がりの時計がかかる展開だった。一方、3走前の菊花賞(4着)のように決め手勝負になると、置かれてしまう心配がありそうだ。少し馬場が渋り、ペースも上がった方がチャンスが出てくるだろう。
重賞勝ちは昨年の青葉賞とアルゼンチン共和国杯の2勝と東京芝との相性はいいが、阪神芝は未経験。G1はホープフルSが5着、2走前の有馬記念が14着と結果が出ていない。前走ダイヤモンドSはインの先団で追走し、最後の直線は早めに抜け出したが、グロンディオーズの末脚にクビ差だけ捕まり2着と敗れた。本馬の方が斤量が2キロ重かったし、仕掛けのタイミング次第では勝っていた可能性も十分あるので落胆する内容ではない。3000m以上の距離にも適性がありそうだ。コース替わりのG1でも底力をみせることができるか。
芝3000m以上の成績は【2.2.1.2】と経験が豊富。19年ダイヤモンドSと20年の阪神大賞典を勝利しており、現役馬を代表するステイヤーと言っていい。昨年秋はアルゼンチン共和国杯4着、ジャパンCが12着、有馬記念が11着という成績。相手が強く、ベストの条件でもなかったが、19年の成績・パフォーマンスに比べると物足りない感じはする。今年に入り前走阪神大賞典は2着と、ディープボンドには5馬身離されたが長距離戦で存在感をみせた。レースで内にもたれないように気を付ければ、ここでの上位争いも十分期待できそうだ。
4走前から着用したブリンカーが功を奏したせいか、直近は4戦3勝の好成績だ。2走前のグッドラックハンデキャップは逃げて7馬身差の圧勝で、勝ち時計も同日に行われた有馬記念と0.7秒差という優秀なものだった。阪神芝3200mで行われた前走松籟Sはじんわりとハナへ行くと、そのまま押し切り3馬身差で勝利。昇級戦ながら他馬を寄せ付けない完勝劇だった。今回はG1で相手も大幅に強化されるので、常識的には難しいレースになる。ただ、さほどマークが厳しくない状況で逃がしてもらえればわからない。展開的には一発の可能性を秘めるタイプだ。
2019年2月に箱根特別(2勝クラス)を勝った後は、3勝クラスで6戦連続で着外という成績だったが、3走前の万葉ステークス(中京芝3000m)を勝利した。格上挑戦でいきなり結果を出せた要因は、長距離に適性があったからだろう。2走前のダイヤモンドSでは4着、前走阪神大賞典では3着と3000m以上の距離で安定した走りを披露している。序盤は後方で折り合いに専念し、末脚勝負というレーススタイルが確立されている。G1で強い馬を相手にして、決め手比べがどこまで通用するか。前に行った馬が止まる展開が望ましい。
芝3000m以上のレースはこれまで2回走り、20年ダイヤモンドS3着、同年ステイヤーズS1着と好結果が出ている。前走日経賞は6着と敗れたが、休み明けで距離も2500mだったのであまり気にする必要はないか。今回が最大の目標であり、それに向けてしっかりと調整していることだろう。鞍上は今回も横山典弘騎手が予定されている。本競走は過去に3勝しており、特に10番人気のイングランディーレで逃げ切った04年のレースは印象深い。大レースでの思い切った騎乗には定評がある。今回はどんな作戦に出るか注目だ。