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宝塚記念連覇を果たしたクロノジェネシス
今年は3月にUAEに遠征してドバイシーマクラシックで2着と惜敗。6月の宝塚記念では単勝1.8倍の圧倒的人気に応えて快勝した。前走はフランスの凱旋門賞に出走するも7着と敗退。芝2000〜2500mのG1・4勝の実績を持つ本馬でも苦戦し、日本調教馬にとって鬼門のレースであることをあらためて思い知らされた。過去、宝塚記念と有馬記念をダブル制覇した馬は、本馬の他にもグラスワンダーやオルフェーヴルなど複数頭いる。しかし、ダブル制覇を2回果たした馬はいない。よって、今回もし勝てば前人未到の記録達成となる。名牝のラストランに注目だ。
天皇賞(秋)を制したエフフォーリア
前走天皇賞(秋)はコントレイル、グランアレグリアに次ぐ3番人気で「3強対決」と注目された。一瞬のロスや不利が明暗を分けた展開のなか、横山武史騎手のコース取りと追い出すタイミングがしっかりとはまり、見事に勝利をもぎ取った。東京で凄まじい実績を誇る両馬を、芝2000mのG1で下した意味は非常に大きい。世代交代を告げるもので、本馬が今後の中央競馬を引っ張っていく存在になった。皐月賞で見せたパフォーマンスも素晴らしく、中山の適性も間違いなく高い。ここでクロノジェネシスに勝つことができれば、本馬の評価がさらに高まる。
菊花賞を逃げ切ったタイトルホルダー
前走菊花賞は2枠3番のスタートから積極的に出して行き、ハナに立った。道中はマイペースに持ち込んで、勝負どころの手ごたえは抜群。最後の直線は追い出されると力強く末脚を伸ばし、後続馬を寄せ付けず5馬身の差をつけて逃げ切った。まだ余力がある感じで、抜群の心肺機能を持っている。2走前のセントライト記念(13着)は好位に控えたことが裏目に出て、最後の直線で大きな不利を受けた。目標になってもいいので、今回も主導権を握りに行った方がいいだろう。横山武史騎手から兄・和生騎手に乗り替わるが、積極的な競馬を期待したい。
クラシックでは皐月賞3着、日本ダービー3着、菊花賞4着と勝利はできなかったが、最後まで走り抜き安定した成績を収めた。前走菊花賞は最後の直線で大外へ行き、2着オーソクレースとほぼ同じ位置から末脚を伸ばし、上がり3ハロンは34秒7とメンバー中最速タイだったが4着と敗れた。コース取りと距離適性の差が、響いた印象だ。ベストのコースはわからないが、距離が少しでも短縮されるのはプラスとみたい。今回はM.デムーロ騎手が騎乗予定。中山のG1で強いイメージがある騎手だけに、思い切ったレースが期待できそうだ。
スプリングSは7番人気で2着、セントライト記念は9番人気で1着と中山の重賞で結果を出している。セントライト記念で2着に下したソーヴァリアントは次走チャレンジCを完勝し、3着だったオーソクレースは菊花賞で2着と好走しており、春よりも秋の実績の方が価値はある。自身は前走菊花賞で9着に終わったが、最後方からじっくりと追走し、自分の競馬スタイルは崩さなかった。上がり3ハロンは34秒7と、ステラヴェローチェと並んでメンバー中トップタイであり、見どころは作った。得意の中山であれば、末脚の威力はさらに増すだろう。
前走ジャパンC(9着)は最初先頭に立ち、途中からキセキにハナを奪われる展開となった。逃げ馬が不在のメンバー構成だったとはいえ、本意ではない競馬になってしまった。今回はタイトルホルダー、パンサラッサとハナへ行ってもいい馬がいるので、普段の自分の競馬ができそうだ。今年上半期はアメリカジョッキークラブカップ(不良)で重賞初制覇を飾り、G1は天皇賞(春)4着、宝塚記念9着という成績。良馬場の有馬記念で決め手勝負になるのは苦しい気もするが、まずは自分の力を出し切りたい。
3走前に3勝クラスの垂水S(阪神芝1800m)を勝ち上がったばかりで、2走前のアイルランドT府中牝馬Sは7着と敗退。前走エリザベス女王杯は10番人気と、軽視されても仕方がない成績だった。しかし、レースではアッと驚くまくり差しを炸裂させ、2馬身突き抜けて優勝。人気になったレイパパレやアカイトリノムスメが前掛かりになってペースが厳しくなったことで、差し・追い込み馬が有利な展開になった。勢いはあるが、地力を高評価するのはまだ早いかもしれない。今回のメンバーを相手にし、中山芝2500mで同じような競馬ができるかどうか。
2017年の菊花賞馬がいよいよラストランを迎える。G1初制覇の後は勝ち星がなく、2着・3着が多かった。18年ジャパンC、19年大阪杯・宝塚記念、20年宝塚記念とG1で2回の4着があっただけに、獲得重賞タイトルが1つで終わるのは正直、寂しい。レースでは出遅れたり、途中から一気にハナへ行ってしまったりと、乗り難しい面があったこともこうした成績になった要因かもしれない。過去、有馬記念は18年が5着、19年も5着、20年は12着とあまりいい印象がない。有終の美を望むには厳しいレースだが、最後まで力いっぱい走ってもらいたい。
今春の天皇賞でワールドプレミアと激闘を演じて2着になった後、秋はフランスに遠征。前哨戦のフォワ賞ではブルームを2着に下して逃げ切り勝ちを果たした。しかし、本番の凱旋門賞では14着と惨敗。フォワ賞と同じパリロンシャン競馬場の芝2400mが舞台だったが、重馬場が影響したのか、競馬にならなかった。中山芝は過去2回走り、皐月賞10着、中山金杯14着と大崩れしていて心配だが、日本の馬場であれば一変する余地は十分ある。スタミナが豊富で、タフなレース展開は望むところ。馬の状態が良ければ、見せ場は作れるかもしれない。
ロードカナロア産駒の4歳牡馬。2走前のオクトーバーS(東京芝2000m)で大逃げを打ってそのまま押し切ると、前走福島記念は速いペースで引っ張り続け、最後は力でねじ伏せて4馬身差で勝利し、重賞初制覇を飾った。馬体と気力が充実していて、勢いを感じさせる1頭だ。矢作芳人厩舎の所属馬と言えば、ユニコーンライオンやラヴズオンリーユー、リスグラシューなど、本格化すると怖さがある。ただ、前走は完勝だったとはいえ、いきなりここで通用する感じではないし、距離が2500mに延びるのもどうか。タイトルホルダーとの先手争いもカギだ。