ストーリー
リバティアイランドは父ドゥラメンテがクラシック二冠馬、母ヤンキーローズ(母の父オールアメリカン)はオーストラリアで2歳時にATCサイアーズプロデュースS、3歳時にはスプリングチャンピオンS勝ちとG1で活躍したほか、世界的に知られるゴールデンスリッパーSやコックスプレートでも上位争いを演じた名牝という良血馬。2020年に北海道・安平町のノーザンファームで誕生し、超良血の期待に違わぬ活躍を披露していくことになる。
そのデビュー戦はセンセーショナルなものとなった。2歳7月に新潟競馬場の芝1600mで初陣を迎えたリバティアイランドは、ぎこちない発馬から中団追走となるも、直線では川田将雅騎手がステッキを振ることなく3馬身突き抜けて快勝した。レース後に発表されたラスト600mの31秒4は全世代を通じて史上最速タイ(当時)。これほどのパフォーマンスをいきなり、それも目一杯に追われることなく発揮できる能力は、その先の大仕事を予感させるに十分だった。
2戦目に選んだアルテミスSでは一身に注目を集め、単勝は1.4倍と断然の人気。ところが、馬群に包まれるうちに仕掛けが遅れて2着に敗れてしまう。続く阪神ジュベナイルフィリーズは1番人気でも単勝2.6倍とやや評価を下げる形になったものの、中団馬群の外をキープする安全策から残り100mで勝負を決める完勝。2歳女王の座を射止めた。
そして、明け3歳はリバティアイランドの独壇場となる。直行した桜花賞ではゲートが遅く後方3番手となるも、ラスト600mは次位を0秒7上回る圧倒的な瞬発力で単勝1.6倍の1番人気に応える。続くオークスでは単勝1.4倍とアルテミスSの水準に支持を戻し、6番手追走から6馬身差の圧勝劇。夏を越して迎えた秋華賞ではついに単勝人気が1.1倍まで沸騰したが、4角先頭からゴール前で流す余裕さえ見せて牝馬三冠を達成し、文句なしのJRA賞最優秀3歳牝馬に選出された。
しかし、次戦のジャパンCこそ世界王者イクイノックスの2着に善戦したものの、三冠達成が最後の先頭ゴールとなった。4歳以降は右前脚の種子骨靭帯炎を発症するなど浮き沈みを繰り返し、4歳暮れの香港Cで約1年ぶりに連対。現役続行の5歳初戦はドバイターフで8着に敗れると、転戦した香港(クイーンエリザベス2世C)ではレース中に左前脚の種子骨靭帯断裂と亜脱臼の致命傷を負ってしまった。
客死のケースでは検疫の都合もあり亡骸の返還が難しいという話もあるが、リバティアイランドは香港で荼毘に付され、お骨となって帰国を果たすことができた。苫小牧市のノーザンホースパークには遺骨の一部を納めた墓碑が設けられ、永眠の地とされている。

