ストーリー
2014年に北海道・新冠町のコスモヴューファームで父ステイゴールド、母サマーエタニティ(母の父アドマイヤコジーン)から誕生したウインブライト。香港で2つの勲章を手に入れ、引退レースの香港ヴァーズでG1初制覇の父を超えた。
ウインブライトには1歳上に新潟2歳Sと阪神ジュベナイルフィリーズで2着の全姉ウインファビラスがおり、デビュー前から期待を集めていた。姉弟はともに2歳の3回東京2日目に初陣、2回福島8日目に2戦目と歩みもそろえていたが、姉が2戦目で勝ち上がったのに対し、弟は11月の3戦目と後れを取った。
しかし、明け3歳初戦で2勝目を手にすると、次戦ではスプリングSで重賞初挑戦、初制覇。3歳以降は1勝のみの姉を追い越して皐月賞へ駒を進める。その皐月賞は大外枠から馬群の外を走らされる展開もあって8着。続くダービー、ひと夏越した毎日王冠も敗れたが、福島記念に臨むと2つ目のタイトルを手にした。
4歳は中山金杯の2着から中山記念でアエロリットらG1ホース3頭を抑えて価値ある勝利を挙げたものの、次戦の大阪杯、秋のマイルCSではコース適性の差もあったのか、G1になると結果が出せない状態が続く。
仕切り直しの5歳初戦はトップハンデの58kgを負担して中山金杯を完勝。中山記念は2着ラッキーライラックから6着のディアドラまでがG1ホースという国内最高クラスの強豪を退けて連覇し、中山競馬場では現役最強とまで評価されるようになった。
そして、次戦には香港のクイーンエリザベス2世Cを選ぶ。中山競馬場と同じ右回りながら直線は長く、ウインブライトの真価を問われる遠征となったが、地元の雄エグザルタント、その後に年度代表馬へ飛躍するリスグラシューを抑えてG1初制覇。年末に再び遠征した香港Cでもレースレコードで勝利し、2019年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬を受賞した。
現役を続行した6歳は主戦の松岡正海騎手が骨折で戦線離脱したのに始まり、コロナ禍でクイーンエリザベス2世Cの連覇を断念、さらには左前肢に蟻洞を発症とアクシデントが続いた。秋になってようやく態勢が整い、天皇賞から叩き2戦目の香港Cが引退レースに決定。結果はノームコアに惜敗もシャティン競馬場を庭の如く走りこなし、中山競馬場に限らない絶対的な能力を裏づけて種牡馬入りした。