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ワグネリアン ダービー馬の意地を見せたい

ワグネリアン
ダービー以来のG1制覇を狙うワグネリアン

前走天皇賞(秋)はアーモンドアイが3馬身も抜けてしまう完勝劇に終わった。しかし、2着争いはほぼ横一線。本馬は5着ながら2着のダノンプレミアムとは0.1秒差の入線。上がり3ハロンはメンバー中3位であり、見せ場は十分あったと言っていい。スローペースであっても11秒台のラップが続いた芝2000mのG1では、位置取りがやや後ろになり、脚も溜まりにくかったはず。よって、今回の距離延長は歓迎だろう。芝2400mは日本ダービーと神戸新聞杯を優勝している。1年以上勝利から遠ざかっているが、ダービー馬の意地を見せたい。

ユーキャンスマイル 中距離のG1でも勝負になる

ユーキャンスマイル
新潟記念を制したユーキャンスマイル

ステイヤーのイメージが強かったが、それを改める必要がありそうだ。9月の新潟記念を制し、前走天皇賞(秋)では7番人気ながら4着に入線。同タイムながらワグネリアンに先着した。内容的にも本馬は最後の直線で外に持ち出されたので、その分ロスがあったとも言える。上がり3ハロンは、アーモンドアイを上回りメンバー中最速。中距離のG1でも十分戦えそうだ。左回りが【3.0.0.1】の好成績で、馬券に絡めば勝ち切っている。ただ、今回は心配する要素ではない。展開次第では突き抜けるシーンがあってもおかしくない。

レイデオロ 今年に入り精彩を欠く

レイデオロ
復活を目指すレイデオロ

G1での好走実績は日本ダービーと天皇賞(秋)が1着で、ジャパンCと有馬記念が2着。今回のメンバーであれば、圧倒的1番人気に支持されても不思議ない存在だ。しかし、どうも期待のトーンは上がってこない。やはり前走オールカマーでの敗戦が印象を悪くしている。休み明けで展開も向かなかったとはいえ、格下のメンバーを相手に伸びを欠いて4着に敗れた。今年に入りドバイシーマクラシックが6着、宝塚記念が5着と精彩を欠いたレースが続いていることも信頼を落とした要因だ。果たして本来の走りができるかどうか。

スワーヴリチャード 昨年は3着だったが

大きな不利を受けて10着に終わった昨年に比べると、今年の天皇賞(秋)はスムーズな競馬ができた。しかし、結果は勝ち馬から0.9秒差の7着で、見どころも薄かった。高速決着で相手が強すぎたとはいえ、本馬も大阪杯1着、安田記念3着の実績があり、スピード能力が見劣るわけではない。だが、ピーク時に比べて勢いや覇気がないのは確かだ。昨年のジャパンCは3着。アーモンドアイは別格として、2着のキセキともまだ3馬身半の差がある内容だった。メンバー的には今年の方が楽かもしれないが、あまり自信を持てる立場でもない。

カレンブーケドール 同世代の馬がG1で苦戦

3歳牝馬はジャパンCとの相性が悪くない。過去10年でみても、アーモンドアイ、デニムアンドルビー、ジェンティルドンナ、レッドディザイアの4頭が好走。歴史に残るような名牝クラスでなくとも十分戦えている。本馬はまだG1を勝っていないので心強いデータだ。しかし、今年は3歳世代が、古馬とのG1で苦戦している。ラヴズオンリーユーやクロノジェネシスがエリザベス女王杯で敗退。牡馬もサートゥルナーリアやダノンキングリーが馬群に沈んだ。世代間の力関係で、やや不利な状況に置かれていると考えられる。

ムイトオブリガード スローの瞬発力勝負ならば

前走アルゼンチン共和国杯では少し仕掛けて好位を取りに行く競馬。スローペースの展開で脚が溜まり、最後の直線はやや早めに抜け出す形になったが、見事に勝利を飾った。東京の成績は【4.1.0.1】。もちろんベストのコースなのだが、道中ゆったりと流れて最後は瞬発力勝負という競馬に強い。同じ東京でも平均ペースになった目黒記念は5着に敗れている。底力が問われるタフな競馬には脆く、正直、G1で戦うには致命的な弱点を抱えている。ただ、今年はペースが遅くなりそう。メンバーもさほど厳しくないので、いい勝負に持ち込めるかもしれない。

シュヴァルグラン 2017年にジャパンCを制覇

今年は海外遠征をして、G1を3戦使った。近2走は日本と馬場が全く違うイギリスのG1なので、着順も内容も参考にならない。3月のドバイシーマクラシックは2着と好走しており、力に大きな陰りはないと判断したい。とはいえ、ジャパンCを勝った2017年がやはりピーク。昨年の同レースでは4着に終わった。驚異的なレコード決着の上、勝ち馬は強すぎたが、かなり離された。今秋も東京の芝は時計が速く、年齢的なことも考えると本馬にはきつい状況になっている。前年並みのパフォーマンスができたとしても勝つまでは厳しいか。

エタリオウ 展開的に苦労が多く

今回、5頭もの出走馬を送り込む友道康夫厩舎。本馬はそのうちの1頭だ。前走京都大賞典は後方を追走し、最後の直線で末脚にかけるも5着に終わった。逃げたダンビュライトが淀みないラップを刻んだため、ペースは思いのほか上がったのだが、前の馬が止まらなかった。自身は外を回り、上がり3ハロンで最速の脚を使っており、一定の評価はできる。ただ、スタートダッシュは常に鈍い馬。ゲートは五分でも後方追走となる可能性が高い。1勝馬ながらG1でも通用する走りは見せているが、展開的に苦労することが多いのがネックだ。

ルックトゥワイス L.デットーリ騎手が騎乗

ムイトオブリガードとは、この1年間の重賞で度々顔を合わせている。実績・実力的には近い印象だが、競走馬のタイプとしては正反対だ。ムイトオブリガードはスローペースを好むが、本馬は淀みないペースに向いている。重賞初制覇となった5月の目黒記念は平均ペースで、グローリーヴェイズの2着だった1月の日経新春杯はハイペースだった。よって、前走アルゼンチン共和国杯が若干切れ負けして4着というのも妥当な印象だ。今回、L.デットーリ騎手が騎乗予定。過去、日本でも神業と言える技を幾度も見せており、この馬をどう乗るか非常に興味深い。

ダンビュライト 今回もハナへは行けそう

前走京都大賞典は押し出される形でハナへ行った。しかし、スローではなく、淀みないペースに持ち込んだのが良かった。人気薄のドレッドノータスに捕まり2着だったが、自分の持ち味は十分発揮できた。瞬発力勝負では厳しく、早めに仕掛けて抜け出すスタイルが合っている。ただ、今回は東京芝2400m。コース経験の少なさも気になるが、その前に輸送でイレ込んでしまう心配をしなければならない。まずは、当日落ち着いてレースに臨めるかどうかがカギ。主張すればまたハナへ行けそうなメンバーであり、展開上無視できない存在ではある。