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宝塚記念を圧勝したクロノジェネシス
今年の宝塚記念を6馬身差で圧勝してG1・2勝目をマーク。前走天皇賞(秋)はスタート直後にフィエールマンと接触した影響もあり、道中の位置取りが少し後ろになってしまった。それでも最後の直線では上がり3ハロン32秒8と、鋭い瞬発力を繰り出して先に抜け出したアーモンドアイを猛追。同馬と0.1秒差の3着で入線した。宝塚記念の時(上がり3ハロン36秒3)とは一転した速い上がりの勝負に対応したのは立派。充実は著しく、初の中山芝2500mでも問題なさそうだ。昨年のリスグラシューに続き、同一年の宝塚記念・有馬記念のダブル制覇に挑む。
天皇賞(春)を連覇したフィエールマン
昨年の有馬記念は凱旋門賞(12着)後に出走して4着。勝負どころで少し早めに動いたことも影響して最後は末脚が甘くなった。馬の調子と立ち回り次第では、前年よりもいいレースは十分可能だろう。前走天皇賞(秋)はスタートで挟まれてクロノジェネシスと接触。不利の度合いは本馬の方が少し大きかったようにみえた。しかし、後方寄りで脚を溜めて最後の直線にかけると、外からメンバー中最速となる上がり3ハロン32秒7をマーク。ゴール寸前でクロノジェネシスを差して2着に上がった。ステイヤーのイメージを払拭するような鮮烈な走りだった。
エリザベス女王杯を連覇したラッキーライラック
2走前の札幌記念では単勝1.9倍の支持に応えられず3着と敗退。やや心配が残る状況で前走エリザベス女王杯を迎えた。しかし、レースでは大外枠から出ると、勝負どころで早めのスパート。やや強引な競馬ではあったが、後続をそのままねじ伏せて優勝。このレース連覇でG1・4勝目を飾った。アーモンドアイと同い年の本馬も今回がラストランとなる。中山芝は過去に中山記念に2回出走。ともに2着と好走したが、距離とペースの影響で脚が溜まりにくい展開だった。距離2500mは今回が初めて。前半でうまく末脚を温存して最後の直線にかけたい。
前走ジャパンCは歴史的な超豪華メンバーが揃うなか、本馬も存分に力を出して4着に入った。勝ったアーモンドアイとは0.2秒差で、2着コントレイルと3着デアリングタクトとはタイム差がなかった。今回はジャパンCの上位3頭がいないという点だけでも本馬にとっては大きな好材料だ。ただ、実際には脚の使いどころが難しく、相手なりに走るが勝ち切れないのがウイークポイント。初めての中山芝2500mでも心配はなさそうだが、どうすれば勝利をつかむことができるか。過去に有馬記念を4勝している池添謙一騎手に乗り替わる点は興味深い。
2019年の有馬記念(3着)以来、約11か月ぶりの休み明けで出走した前走ジャパンCは6着と敗れた。デビュー以来初めて4着以下に敗れたが、印象は決して悪くない。勢いも実績もある馬が何頭も相手で、元々分が悪そうな勝負だった。最後の直線は途中で脚が上がって苦しくなったが、大きく失速せずによく踏みとどまった点を評価したい。それにスピードや瞬発力ではなく、スタミナや持久力に長けているタイプ。東京芝2400mよりも中山芝2500mの方が適性は高いだろう。状態面の上積みがあれば、前年以上の着順も十分見込めるはず。
G1は昨年のホープフルSに初めて出走してコントレイルの5着と敗退。今年に入り弥生賞でサトノフラッグの3着と敗れた後、青葉賞で重賞初制覇を飾った。その後、骨折が判明して残念ながら日本ダービーに出走することはできなかった。前走アルゼンチン共和国杯は約6か月ぶりの休み明け。馬体重はプラス12キロだったが、3番手の追走から最後の直線でしっかりと抜け出して優勝。ブランクを感じさせない走りを披露した。ただ、今回のメンバーと比較すると実績は見劣るし、地力の面でも心配。連勝中の勢いでどこまで通用するか。
有馬記念は今年で3年連続3回目の参戦となった。18年のレースは逃げて5着、19年のレースは出遅れて中団よりも後ろから行って最後は5着まで追い上げた。いずれも存在感と地力は示した内容ではあったが、結果には結びついていない。宝塚記念やジャパンCでは2着と好走しているので力が足りないわけではなく、相性の問題かもしれない。中山芝2500mはトリッキーなコース形態なので、この馬にとってレース運びが難しい可能性はある。前走ジャパンC(6着)のように暴走気味に逃げては最後まではとてももたない。かといって出遅れ癖が再発しても困る。
2走前のアイルランドトロフィー府中牝馬Sは重馬場に苦しんで5着と敗れてしまった。前走エリザベス女王杯は道中ラッキーライラックを前に見ながら中団で追走。4コーナーから最後の直線にかけて同馬に差を広げられてしまったが、しぶとく伸びて最後は0.1秒差の3着まで迫った。長くいい脚を使ったし、勝ち馬との力の差はほとんどないとみていいだろう。芝2400m以上のレースは19年のオークス(1着)以来で、中山芝は今回が初めて。小回りコースには対応はできそうだが、このメンバーを相手に大外からまくるような競馬では厳しそう。うまく立ち回れるかがカギだ。
3走前にラジオNIKKEI賞を5馬身差で圧勝。2走前のセントライト記念は2着にサトノフラッグを下して逃げ切りと、重賞を連勝した。前走菊花賞はキメラヴェリテにハナを叩かれたので2番手で追走したが、この点は特に問題はなかったようにみえた。それよりも各馬が内側のスペースをあけていたように、馬場の内めの状態が悪かった点がこの馬には良くなかった。無理にハナを奪い返したところで好結果にはつながらなかっただろう。それに元々京都よりも福島や中山のような小回りの方がコース適性は高い。相手は強いが、見直す余地は十分ある馬だ。
3走前の小倉日経オープンでみせた鋭い瞬発力と、2走前のアイルランドトロフィー府中牝馬Sで繰り出した迫力ある末脚は本格化をうかがわせるものだった。前走エリザベス女王杯は5番人気で2着と好走。ラッキーライラックとラヴズオンリーユーの間に割って入り、それぞれとクビ差の接戦を演じた。上がり3ハロンはこの2頭を上回る33秒7とメンバー中最速をマークと、今ピークを迎えている。ラッキーライラックが今回も有力馬の1頭なので、本馬も侮れない。問題は中山芝2500mの適性。中山は未経験に加えて、距離は2200mまでの経験しかない。