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待望の参戦を決めたアーモンドアイ
今秋の天皇賞を3馬身差で快勝し、G1・6勝目を達成。休み明けでも地力の違いを見せつけ、現役最強馬としての存在感をあらためて示した。次走は香港カップを予定していたが、熱発で無念の回避。急遽こちらのグランプリに出走することになった。馬体に故障があったわけではなかったので、アクシデントの影響はあまり心配する必要はなさそう。むしろ、初めてとなる中山芝2500mの対応が気になる点だ。枠順や展開も重要なレースで、いかに不利を受けずに走れるかがポイントだ。
宝塚記念を完勝したリスグラシュー
今年の宝塚記念でのパフォーマンスは強烈だった。逃げたキセキを見ながら2番手で追走すると、最後の直線で3馬身突き抜けて完勝した。差し・追い込みタイプなので末脚は堅実ながら、先行して上がり3ハロン最速をマークしたのだ。2000年以降、牝馬による同レースの優勝は、本馬の他にスイープトウショウ(05年)とマリアライト(16年)がいる。この2頭は本馬と同じようにエリザベス女王杯も勝利。しかし、有馬記念では好走できなかった。牝馬によるダブルグランプリ(宝塚記念と有馬記念)制覇は過去に例がない。勝てば史上初の偉業となる。
皐月賞を制したサートゥルナーリア
前走天皇賞(秋)は好スタートを切り、上手く内の好位につけた。折り合いはついており、最後の直線はアーモンドアイに交わされてからもしばらく粘っていた。しかし、残り100mで力尽きると2着争いから崩れて6着に落ちてしまった。勝ち馬が強すぎたのは確かだが、3歳の代表馬としては残念な内容だ。もしかすると、レースの間隔を詰めると良くないタイプなのかもしれない。レースセンスは抜群で、東京よりも中山が合っている。距離の2500mも全く問題はないだろう。ガラリ一変してくる可能性はあるので、あらためて注目だ。
重馬場のジャパンCを勝ったスワーヴリチャード
前走ジャパンCは3番人気で優勝。2018年の大阪杯以来、約1年半ぶりの勝利でG1・2勝目を飾った。昨年のジャパンCや今年の宝塚記念は3着で、その時先着を許したのがアーモンドアイとキセキ、リスグラシュー。前走はこの3頭がいなかったが、今回は出走してくる。その分、厳しい競馬になることが予想される。また、左回りの方が得意なタイプ。右回りの成績は【2.1.1.3】だが、中山に限定すると【0.0.0.3】だ。2017年の有馬記念は3着とは僅差(4着)で惜しかったが、外を回って追い上げる形だとやや苦しい印象を受ける。
ソエの影響で春のクラシックは出走を断念。前走菊花賞がG1初挑戦で、3番人気ながら見事に優勝を飾った。大きな勝因は長距離の適性があったことだろう。秋初戦の神戸新聞杯ではサートゥルナーリアとヴェロックスに完敗し、3着に終わっている。中距離戦でペースアップした際の機敏な動きや、最後の瞬発力には課題がありそうな印象だった。また今回は古馬が加わり、相手が格段に強くなる。まともに勝負しては厳しいかもしれない。ハイペースの消耗戦になり、スタミナが問われるような競馬になればチャンスが出てくるだろうか。
前走凱旋門賞は大差のシンガリ負け。デビュー以来、3着以内を外していない堅実な馬が初めて大きく崩れた。大変な道悪馬場で、日本国内の競馬とは比べ物にならないような過酷なレースだったことが想像できる。他の日本馬も苦しんだので、この敗戦は度外視していい。遠征明けのダメージがなければ、巻き返してくる可能性が高い。8月の札幌記念は距離が短くて脚を余した。G1の2勝は3000m以上のレースだが、長距離以外でも強い。2500mもあれば十分で、今回の条件はいい方だろう。中山の直線は短いが、鋭い決め手は大きな武器だ。
今年の凱旋門賞は日本馬の中で最先着の7位で入線した。地元フランスで前哨戦のフォア賞(3着)を使った点が良かったのかもしれない。タフなロンシャンの馬場を2回走ったが、大きなダメージはなく今回のグランプリ出走にこぎつけた。昨年秋から国内では堅実なレースを続けている。勝ち切れない点は課題だが、G1でアーモンドアイやリスグラシューに食い下がっての2着は地力の証しだ。ただ、昨年の有馬記念は2番人気で5着と少し崩れてしまった。それでも先行できる点は魅力。中山芝2500mも合いそうなイメージがある。
今年のクラシックの結果は皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着だった。善戦はするも勝ち切れないもどかしさは残った。特に春の実績馬が少なかった菊花賞を1番人気で落としたのは痛手だった。ただ、長距離適性でやや劣っただけで、本質的には中距離がベストだろう。上がりの脚は瞬発力よりも持続力に長けていそうなタイプだけに、中山の適性は高そうだ。皐月賞のレース運びを見ると、芝2500mでもうまく立ち回ることができるだろう。古馬勢は非常に強いが、見せ場以上の走りを期待してみたい。
前走天皇賞(秋)は6番人気で3着と好走。注文通り先手を奪い、自分の競馬に徹して最後まで頑張った。ただ、本質的に2000m以上は長いという印象はレース後も変わらない。東京コースの適性が非常に高いので、前走は強い相手にも粘りが利いた。今回ポイントとなる中山の成績は【0.3.0.0】。連対率100%だが、古馬重賞の経験が2018年の中山記念(2着)しかない。強敵が揃った有馬記念でどこまで通用するか。キセキの出方にもよるが、おそらくハナへは行けるはず。騎乗予定の津村明秀騎手が、どれぐらいのペースで引っ張るかが気になるところ。
前走ジャパンCは1番人気で出走。秋初戦のオールカマーは4着で結果・内容ともに良くなかったのだが、地力を信じて巻き返しを願ったファンが多かった。しかし、その期待に応えられず11着と惨敗。重馬場でかなりタフな競馬になったとはいえ、条件は全馬同じ。最後の直線で全く伸びずに後退していく姿は、本来の本馬ではなかった。今年はこのような調子が続いており、原因不明のスランプに陥っている可能性が高い。良馬場で競馬ができれば前走のようなことにはならないかもしれないが、強い相手が揃った。100%の力を出せないと勝機はないだろう。