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今年のヴィクトリアマイルを制したグランアレグリア
今春は大阪杯で4着とめずらしく馬券圏外に敗れた。ただ、敗因は重馬場の可能性が濃厚で、距離ではないだろう。続くヴィクトリアマイルは4馬身差で貫禄の勝利。前走安田記念はダノンキングリーの執念とも言える末脚に屈し、2着と敗れた。ヴィクトリアマイルから中2週と間隔が短く、疲労が抜け切らなかったかもしれない。今回は休み明けで、夏にノドの手術を行った模様。それでもしっかりと調教は進められ、馬の雰囲気も良さそうなので、状態面は前走以上とみたい。メンバー随一と言える破壊力ある末脚は、東京2000mでも炸裂しそうだ。
昨年の日本ダービーを制したコントレイル
今年の大阪杯は馬場状態が結果に大きく影響した。不良馬場に近い重馬場となり、瞬発力を武器にしていた馬は、持ち味を大きく削がれた。本馬もその1頭で、3着に追い上げるのが精一杯だった。今秋の天皇賞(秋)→ジャパンCの2戦で引退、という予定が発表された。クラシック3冠馬の走りが間もなく見られなくなるのは残念だが、本競走に向けての調整は余念がない。東京芝は東スポ杯2歳Sを2歳レコードで制し、日本ダービーを圧巻の勝利。昨年のジャパンCはアーモンドアイの2着と、強いレース内容ばかり。今回は大いに期待していいだろう。
皐月賞を完勝したエフフォーリア
前走日本ダービーはハナ差の2着と敗れて初黒星。惜しくも2冠達成はならなかった。ただ、レース展開が想定外となり、目標にされてしまった。勝ったシャフリヤールの決め手と、鞍上の福永祐一騎手の手腕を褒めるべきだろう。秋は菊花賞へは向かわず、本競走に目標を定めていた。東京芝は3戦2勝、そして芝2000mは皐月賞を含み3戦全勝という点が強みだ。先のスプリンターズSや毎日王冠、富士Sは、3歳馬が古馬を撃破して勝利している。本競走ではグランアレグリアやコントレイルが強敵だが、3歳世代のレベルの高さを見せたい。
前走天皇賞(春)は阪神芝3200mで行われたこともあり、かなりスタミナを要する消耗戦となった。道中のペースがあまり緩まず、なおかつ残り1200mあたりから早めにペースアップし、レースのラスト1ハロンは13秒0と時計がかかった。この流れを差し切り勝利した本馬は、ステイヤーとしての能力が高かった。今回は東京芝2000mなのでスピードや瞬発力が問われる。昨年のジャパンCは6着と、最後の直線での反応は、上位勢に比べると明らかに鈍かった。やってみないと分からないが、2000mではもっと大変な競馬になるかもしれない。
今年の成績は日経賞2着、天皇賞(春)3着、宝塚記念4着と相変わらず勝ち星に恵まれないが、崩れることなく堅実な走りを続けている。2000mのレースは、2019年の秋華賞以来で久々。コーナーが3回以下のレースも19年スイートピーS以降は、一度も走っていない。基本的にはコースや距離でパフォーマンスが変わるタイプではないが、今回はどのあたりの位置で競馬をするかが見もの。昨年のジャパンCは2着コントレイルや3着デアリングタクトと同タイムの4着と、かなり際どい勝負を演じた。今回も有力馬たちと差がない競馬ができるかもしれない。
半姉に2017年オールカマーなど重賞4勝を挙げたルージュバック(父マンハッタンカフェ)がいる血統。本馬は今年1月、東京芝2000mで行われた白富士Sでオープンクラス初勝利を飾った。その後は金鯱賞3着、新潟大賞典2着、毎日王冠3着と重賞制覇までもう一歩のところまできている。手堅いレース運びと堅実な末脚が武器だ。ただ、G1クラスが相手だと、まだ決め手が見劣る感じは否めない。通算成績が11戦5勝2着4回3着2回と、デビュー以来一度も3着以内を外してないが、実績上位の強敵相手に好走できるかどうか。
今年の中山金杯で重賞初制覇を果たすと、続く中山記念でもケイデンスコールとの競り合いを制して優勝。重賞2連勝を飾った。その後は大阪杯を予定していたが、疲れが取れずに春シーズンはそのまま休養を余儀なくされた。そして夏の札幌記念にも間に合わず、本競走まで復帰がずれ込んだ。長期休養明けでも好走した実績はあるが、今回はG1だし、相手のレベルが今までとは違う。万全とは言えない状態かもしれないなか、どこまで食い下がることができるか。いきなり最高の結果ではなく、次走以降に繋がる内容の走りができれば十分だろう。
2走前に函館記念を制して重賞2勝目をマーク。前走新潟記念は最後の直線で外ラチ沿い付近まで行き、マイネルファンロンやクラヴェルとの競り合いの末、惜しくも2着に終わった。完全な外伸び馬場ではあったが、本馬はトップハンデの57.5キロを背負っており、勝ちに等しい内容だった。この夏の充実度は、今回のメンバーでは一番だろう。ただ、地力上位の相手が揃っており、勢いや調子だけで負かすのは難しい。過去、東京芝は2戦していずれも二けた着順。18年4月の500万(現1勝)クラス以降、走っておらず、コース適性の課題が残ったままだ。
昨年は天皇賞(春)から半年休み、秋はアルゼンチン共和国杯から始動したが、好結果にはつながらなかった。陣営はこの反省を生かし、今年は天皇賞(春)の後、夏場に楽をさせないようにと札幌記念を使った。結果は6着と良くなかったが、レースを走ったことに意味がありそうだ。19年は天皇賞(春)5着→新潟記念1着というローテーションで本競走に挑み、アーモンドアイの4着。2着ダノンプレミアムとは0.1秒差と善戦した。欲を言えば距離はもっと長い方がいいものの、左回りの東京は得意。展開が向けば、見せ場ぐらいは作れるかもしれない。
20年のジューンS(3勝クラス・東京芝2400m)から前走毎日王冠まで、一貫して左回りのレースを使われている。その間の目立つ実績としては、20年毎日王冠でサリオスの3着、今年の白富士Sでポタジェにクビ差敗れて2着、3走前の新潟大賞典では、ポタジェにクビ差競り勝ち、重賞初制覇。前走は6着だが、上がり3ハロンはメンバー中2位だった。芝1800mの成績は【0.0.2.1】に対し、芝2000mの成績は【4.3.1.5】と勝率・連対率は後者の方が圧倒的にいい。今回はG1で相手もかなり強いので大変だが、直線での末脚勝負にかけてみたい。