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大阪杯を制したスワーヴリチャード
今春の大阪杯に続くG1タイトルを狙える大きなチャンスと言っていいだろう。最大の目標は次走のジャパンCかもしれないが、今秋は2戦の予定。今回も条件的には申し分ないし、全力の仕上げで臨んでくるはずだ。前走の安田記念は1番人気で3着に終わったが、初めてのマイルG1で致し方がない面があった。自身の走破時計は1分31秒4であり、ハイレベルのスピード勝負によく対応できた。距離が少しでも延びる点はプラスだし、レースはしやすくなる。手ごわいライバルが揃ったが、勝ち負けが十分期待できそうだ。
オールカマーを快勝したレイデオロ
前走オールカマーは中団馬群の中で待機。最後の直線では先に抜け出たアルアインに対し、同馬の内から鮮やかに差し切って勝利を飾った。鞍上の好騎乗もあったが、久々にこの馬らしい走りを見ることができた。今春はドバイ遠征などがあり、そのダメージは少なからず心配されたが、杞憂に終わったとみていいだろう。昨年のジャパンCではシュヴァルグランの2着。すでにこのレベルでの戦いでも通用するところは見せている。本質的には2400mの方がいいかもしれないが、2000mでも遜色ない力を発揮できるはず。鞍上のC・ルメール騎手も絶好調で、期待が一層高まる。
札幌記念を際どく差し切ったサングレーザー
前走札幌記念は稍重馬場の上、道中のペースが淀みなく激しい展開となった。本馬は中団のインコースに構え、なるべく脚を溜めながら最後の直線へ。馬群に包まれてかなり厳しい位置に見えたが、空いたスペースを一瞬の末脚で切り裂き差し切り勝ち。よくぞ勝ち切ったと印象付ける競馬だった。一応、2000mの距離も克服し、今回においてもメドが立った。ただ、良馬場の東京芝2000mのG1だと、より長くいい脚が要求されるはず。良馬場の時計勝負でも強いタイプだが、相手も強い。馬場が渋った方がチャンスが出てくるかもしれない。
近年は日本ダービー馬が古馬G1であまり活躍できずターフを去るケースが多い。本馬も昨年は一年間奮わず未勝利。今年上半期は出走すらなかったが、前走札幌記念が復活の兆しを印象付ける走りだった。ペースを考えると、差し・追い込み馬の流れではあったが、終始大外を回りながらの競馬。距離のロスがありながら、稍重馬場で見せた粘り強い末脚は十分評価に値する。元々力はある馬で、本来の調子を取り戻しつつあるのではないだろうか。鞍上は武豊騎手の予定。この秋のG1では伏兵馬を操り、すべて3着と存在感を見せている。ダービー馬を完全復活へと導けるか。
前走宝塚記念は上位人気のサトノダイヤモンドやキセキが、タフな馬場と展開に苦しむ中、力強い走りを披露。香港から遠征してきたワーザーの猛追を振り切り、G1初制覇を果たした。昨年、極度の不良馬場で行われた天皇賞(秋)では12着。今年の京都記念では7着に敗れており、特に道悪が得意というイメージはなかった。よって、急激に力をつけたとも言えず、なんとも評価は難しい。上がりがかかる阪神芝2200mと、速い脚が要求される東京芝2000mとでは、ある意味対極の位置にある。要求される適性がかなり違うので、両方で好走することは容易ではない。
今年も上半期はドバイへ遠征。連覇を狙ったドバイターフは惜しくも2着に終わったが、海外遠征で堅実に走るのは並大抵のことではない。今年は秋に備える前、宝塚記念を前走で使い4着。3番人気だったので喜べる結果ではないかもしれないが、タフな競馬で牝馬ながらよく頑張った。全姉にヴィルシーナ、半兄にシュヴァルグランがいる血統で、本質的には良馬場でスピードが生きるレースの方が合っている。昨年の府中牝馬Sはスローペースで脚を余して2着。できればペースはある程度流れてほしいところだ。
前走毎日王冠は1枠スタートからいい飛び出しを見せて2番手からの競馬。ペース自体は遅く、結局アエロリットの逃げを捕らえきれずの3着という内容だったが、手応えはつかんだように見える。その前までの結果が、香港ヴァーズ9着、日経賞9着、宝塚記念8着と3戦連続で着外。この馬本来の力を考えると負けすぎの印象があった。不良馬場で激走した菊花賞の後遺症が出ていたようにも感じる。今回、距離が少しでも延びるのは歓迎。ストライドが大きく、トップスピードに乗ってからの決め手は広い東京コースで生きるはずだ。
昨年の皐月賞以降勝ち鞍からは遠ざかっている。ただ、前走のオールカマーを含めG2では2着が3着。今春は大阪杯で3着と好走している。今回のような強力なメンバー構成に入ると、どうしても印象が薄くなるが、堅実な走りが持ち味だ。最近馬券にならなかったのは、香港のクイーンエリザベス2世Cと、距離が長かった菊花賞。その前の日本ダービー5着は距離がやや長かったと考えると、2000m前後では非常に手堅い。突き抜けるイメージはないものの、東京コースでも問題はないはず。うまく立ち回ることができれば、見せ場以上の走りがあってもいい。
天皇賞(秋)は15年が2着、16年が3着。その他、香港のクイーンエリザベス2世Cが2着、香港Cが3着、大阪杯が2着と、芝2000mのG1での実績はメンバー中トップクラスと言える。ただ、今年7歳を迎えており、残されたチャンスは少なくなってきた。今秋は毎日王冠から始動。結果は4着だったが、悪くはない。前哨戦を使い、本番で上昇するタイプだ。昨年のレースは不良馬場で競馬にならなかった。良馬場ならば、この相手でも見せ場は作れるだろう。なお、鞍上は短期免許で来日するオドノヒュー騎手が予定されている。この点は注目だろう。
今年1月のAJC杯で待望の重賞初制覇を飾った。その後はG1戦線に積極的に身を投じたものの、大阪杯が6着、クイーンエリザベス2世C(香港)が7着、宝塚記念が5着という結果に終わった。このクラスの中ではパワーはあるが、明らかにスピードや瞬発力を欠くようだ。稍重で上がりの時計を要した宝塚記念でようやく掲示板に乗ることができた点が、この馬の本質を物語っている。良馬場でも前走のオールカマーのような芝2200mだといいのだが、今回は芝2000m。昨年のような道悪にでもならない限り、厳しいだろう。