セレクトセール2019

注目の種牡馬紹介(1歳世代)

昨年、当歳セクションに上場された1歳世代ですが、やはり注目したいのがドゥラメンテとモーリスではないでしょうか。

徳武氏 「モーリスは日本の生産界で90年間培われた血統であり、数々の名馬を送り出してきた「メジロ」の名前も血統内にあるなど、まさに日本競馬の歴史を物語る馬と言えます。
一方、ドゥラメンテは社台グループで50年間、チャンピオンサイアーを5世代に渡って配合してきた血統馬であり、この馬もまた、日本の競馬を語るには欠かせない馬です」

異なった印象のある2頭ですが、どちらも日本の生産界やホースマンが作り上げてきた馬であることには変わりがありませんね。

徳武氏 「ドゥラメンテは幼い頃から知っていますが、馬体のボリューム感、バネ、しなり、可動域の広さなど、常に大物感がありました。
その点、モーリスは1歳時、2歳時と2度のセリを経験しているように、成長を重ねながら名馬への階段を登っていったような印象を受けます」

その意味でも2頭の産駒も、また違った成長を遂げていきそうですね。

ドゥラメンテ

ドゥラメンテ

徳武氏 「ドゥラメンテ程のポテンシャルを持った馬は世界にもそういないでしょう。
またこの母系ならではと言える、癇症の強さも持っているだけに、馬のプロが育ててこそ、能力を発揮出来そうです。
それだけにデビュー前などに牧場で高い評価を受けた馬は、競馬でもその通りの結果を残してくれると思います」

モーリスもポテンシャルという意味では、ドゥラメンテと双璧と言えますね。

モーリス

モーリス

徳武氏 「モーリスは自身の穏やかな性格が産駒へも伝わっており、普段の手入れなど、何事においても扱いやすい馬と言えます。
自身は2歳トレーニングセールで1番時計を出していますが、それは能力の高さがあってのことでした。
産駒たちもモーリス自身の成長のように、身体の成長に合わせて負荷をかけることで強くなっていきそうですし、その分、大化けする産駒は多く出てくると思います」

初年度産駒のデビュー年となる来年は、POGの取材でもこの2頭の産駒の評判が聞けるのが楽しみです。

徳武氏 「モーリスは脚を溜めて、直線で一気に勝負を着けるタイプになりそうですし、ドゥラメンテはスタートから好位置につけて、前が開いたら物凄い脚を使ってくれそうです。
産駒も父が得意とした分野で活躍してくれそうですが、モーリスは血統背景からすると、マイルより更に距離が延びても、対応できる産駒が出てきてもおかしくありません」

ドゥラメンテとモーリスは、1歳、当歳共に多くの産駒が上場されているだけに、比較対象も楽しめそうですね。
一方、ミッキーアイルですが、芝のマイルで活躍したディープインパクト産駒となると、リアルインパクトともイメージが重なってきます。

ミッキーアイル

ミッキーアイル

徳武氏 「自身のサイズ的にはディープインパクトに似ているのですが、母父に入ったロックオブジブラルタルといった血統の影響もあるのか、産駒は総じて後駆の発達が目立っていて、父よりも更にマイラー色が強く出ています。
産駒の配合や馬体を見ても、ミッキーアイルの長所を伸ばそうとしているようにもうかがえます」

やはり産駒の活躍の場もスプリントからマイルとなりそうですね。

徳武氏 「今年のセレクトセールの上場馬は、1歳、当歳ともに素晴らしい産駒が揃いました。
今後のディープインパクトの後継種牡馬における、マイル適性の高さを証明していく上でも、その代表馬と言える、ミッキーアイルとリアルインパクトの産駒には注目してもらいたいです」

ライタープロフィール

村本浩平(競馬ライター)

北海道在住の“馬産地ライター”として、豊富な取材をもとに各種競馬雑誌で活躍中。

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