ストーリー
2017年4月に北海道・日高町のヤナガワ牧場で父シニスターミニスター、母マキシムカフェ(父マンハッタンカフェ)の間に誕生したテーオーケインズ。通算25戦の全てをダートで貫き、掲示板(5着以内)をはずしたのは明確な原因のある3戦のみ、負けたら次はやり返す負けじ魂で堅実な競走生活を送った。
テーオーケインズのキャリア序盤は2歳10月のデビュー戦3着から翌月の2戦目には初白星、明け3歳で迎えた昇級初戦も3着に敗れる一方、次戦で勝ち上がりと経験を着実に糧とした。オープン初戦の伏竜Sでは2着、続く鳳雛Sはゲートで躓き騎手が落馬寸前となる不利があり6着と初めて連敗するも、夏のクラス再編を経て自己条件に戻った秋から2勝、3勝クラスを連勝して挽回。初陣からほぼ1年で条件クラスを卒業した。
再びオープン入りしたベテルギウスSを2着にまとめると、3歳の最後に東京大賞典で重賞に初挑戦。さすがに古馬の一線級は手強く6着に終わったものの、このレースを4連覇と得意にしたオメガパフュームから1馬身少々に善戦して爪痕を残し、3か月の休養から復帰した4歳春に急成長を遂げる。
始動戦の名古屋城Sを完勝すると、続いてアンタレスS、さらに帝王賞と3連勝。オープン、重賞、そしてG1級での初勝利を一気に達成してダートの最前線に名乗りを上げた。1番人気に推された秋初戦のJBCクラシックでは、伸び上がるように出遅れて連勝が止まってしまうも、次戦のチャンピオンズCではうっ憤を晴らすかのように6馬身差の圧勝劇。この2021年はJRA賞最優秀ダートホースを受賞した。
日本を制したテーオーケインズは5歳の初戦でサウジCに遠征。しかし、激しい先行争いに後れを取って生涯最低の8着に完敗し、海外初挑戦は世界の壁に跳ね返される結果に終わった。それでも、帰国初戦の平安Sでは出走馬の中で唯一の59kgを負担して貫禄勝ち。その後は1年前と同じローテーションを選択し、帝王賞とチャンピオンズCの連覇を逃す一方、前年に敗れたJBCクラシックでは雪辱して通算3度目のG1級制覇とした。
現役を続けた6歳は5戦未勝利に終わったが、ドバイWCでは直線の追い上げで4着に善戦。主役の座こそウシュバテソーロに譲ったものの、2度目の世界挑戦で意地を見せた。引退後は20歳を超えて引退が近づく父の後継として期待され、同じアロースタッドで種牡馬入りしている。