【天皇賞・秋×過去データ分析】前走宝塚記念組は継続騎乗で好成績
2026/10/29(木)

昨年の覇者、2頭のダービー馬、グランプリ牝馬が出走を予定する今年の天皇賞・秋。ほかにも多くの実力馬たちが伝統の「盾」を目指して集結した。過去10年のデータではどのような傾向が表れているのか、分析していこう。分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
好走は前走国内G1・G2出走馬に限られる
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
| 国内G1 | 8- 7- 5-20/40 | 20.0% | 37.5% | 50.0% | 49 | 125 |
| 国内G2 | 2- 3- 5-71/81 | 2.5% | 6.2% | 12.3% | 8 | 41 |
| 国内その他 | 0- 0- 0-16/16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 海外 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表1 前走クラス別成績)
前走クラス別で好走例があるのは、前走で国内G1・G2に出走した馬に限られる。そのなかでも前走国内G1出走馬は、単純計算で2頭に1頭は好走を果たし、それだけでも有力な存在となりうる。意外なのは、前走海外が【0.0.0.7】に終わっていること。しかも、この7頭には歴代ダービー馬のシャフリヤール、ドウデュース、タスティエーラや、牝馬三冠のリバティアイランドなど錚々たる顔ぶれが含まれている。これほどの馬たちでも好走できなかったとなると、さすがに看過することはできないデータだ。
前走宝塚記念が最多好走をマーク
| 前走レース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| G1 | 宝塚記念 | 3- 2- 3-15/23 | 13.0% | 21.7% | 34.8% | 35 | 90 |
| 日本ダービー | 3- 0- 1- 1/ 5 | 60.0% | 60.0% | 80.0% | 174 | 122 | |
| 安田記念 | 2- 2- 1- 3/ 8 | 25.0% | 50.0% | 62.5% | 37 | 117 | |
| 天皇賞(春) | 0- 2- 0- 1/ 3 | 0.0% | 66.7% | 66.7% | 0 | 426 | |
| 大阪杯 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 110 | |
| G2 | 札幌記念 | 1- 2- 1-15/19 | 5.3% | 15.8% | 21.1% | 18 | 59 |
| オールカマー | 1- 0- 0-15/16 | 6.3% | 6.3% | 6.3% | 19 | 9 | |
| セントライト記念 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 240 | |
| 毎日王冠 | 0- 0- 4-28/32 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0 | 56 | |
(表2 前走レース別成績・好走例のある前走のみ)
続いて、具体的な前走レースを見ていこう。前走国内G1で出走例・好走例がともに最多なのは前走宝塚記念だが、ほかの国内G1と比較して好走率のアドバンテージはなく、しっかりとした見極めが必要だ。なお、今年の登録馬のなかで、前走が国内G1なのは2頭だけで、いずれも宝塚記念である。この前走宝塚記念組に関しては、表3の項でデータを掘り下げていく。
前走国内G2は、前走札幌記念と前走毎日王冠の好走例が各4頭で最多タイ。この両レースについては表4、表5の項でそれぞれデータを確認する。ほかに出走例が多いのは前走オールカマーだが、その結果は【1.0.0.15】。18年にレイデオロが勝ってはいるものの、あまり相性のいい前走ではなさそうだ。
前走宝塚記念は乗り替わりの有無に注目
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走騎手 | 継続騎乗 | 3- 1- 2- 7/13 | 23.1% | 30.8% | 46.2% | 63 | 106 |
| 乗り替わり | 0- 1- 1- 8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0 | 70 | |
| 前走着順 | 前走1〜5着 | 1- 2- 3- 9/15 | 6.7% | 20.0% | 40.0% | 8 | 114 |
| 前走6〜9着 | 2- 0- 0- 2/ 4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 172 | 90 | |
| 前走10着〜 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
(表3 前走宝塚記念出走馬に関するデータ)
前走宝塚記念出走馬は、騎手の乗り替わりの有無と前走着順をチェックしたい。まず騎手については、「継続騎乗」だと【3.1.2.7】、「乗り替わり」だと【0.1.1.8】と結構な成績差がついている。全3勝が「継続騎乗」に含まれることからも、軽視していいデータではなさそうだ。また、乗り替わりの有無を問わず前走10着以下は好走例がないので、宝塚記念で9着以内には入っておきたい。
前走札幌記念は前走1〜2着か前走1〜2番人気が条件
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走着順 | 前走1〜2着 | 1- 2- 1- 4/ 8 | 12.5% | 37.5% | 50.0% | 45 | 141 |
| 前走3着〜 | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| 前走人気 | 前走1〜2番人気 | 1- 2- 1- 4/ 8 | 12.5% | 37.5% | 50.0% | 45 | 141 |
| 前走3番人気〜 | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
(表4 前走札幌記念出走馬に関するデータ)
前走札幌記念出走馬は、「前走1〜2着」か「前走1〜2番人気」のどちらかに該当すれば【1.2.1.7】で、どちらにも該当しない馬は【0.0.0.8】と厳しい。さらに、両方を満たす「前走1〜2番人気かつ前走1〜2着」なら【1.2.1.1】とかなり有力だ。
毎日王冠で4角1〜2番手だった馬に要注意
| 前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 | |
| 前走着順 | 前走1着 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 前走2〜5着 | 0- 0- 4-14/18 | 0.0% | 0.0% | 22.2% | 0 | 100 | |
| 前走6着〜 | 0- 0- 0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 | |
| 前走4角 | 1〜2番手 | 0- 0- 3- 3/ 6 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 261 |
| 3番手〜 | 0- 0- 1-25/26 | 0.0% | 0.0% | 3.8% | 0 | 9 | |
(表5 前走毎日王冠出走馬に関するデータ)
前走毎日王冠出走馬は、前走4角通過順のチェックが欠かせない。毎日王冠で4角1〜2番手だった馬は【0.0.3.3】で複勝率50.0%、複勝回収値261を記録しているからだ。ここから、前走6着以下馬を除くと【0.0.3.1】とますます要注意。毎日王冠で4角1〜2番手から掲示板を確保した馬がいるようなら見落としは禁物だ。
【結論】
前走宝塚記念かつ鞍上が継続騎乗するダノンデサイル
前走宝塚記念組は、2着だったクロワデュノールと3着だったダノンデサイルがエントリー。ただ、前者はC・デムーロ騎手への乗り替わりが報じられ、データ的には歓迎材料とは言いづらい。今回の分析では、戸崎圭太騎手の継続騎乗となるダノンデサイルをより重視したい。
前走札幌記念組は、1着だったシェイクユアハートと2着だったサクラファレルが登録。両馬とも、さらに満たせば複勝率8割となる前走1〜2番人気の条件までは揃えられなかったが、前走着順から好走の可能性は残した。
前走毎日王冠組は、4角1〜2番手から掲示板を確保した馬がいたら見落とし禁物と述べた。今年この条件を満たすのが、毎日王冠で4角1番手から2着に入ったホウオウビスケッツ。3着に好走した2年前の再現はなるか。
そのほか、昨年の覇者マスカレードボールは前走海外が【0.0.0.7】、レガレイラも前走オールカマーが【1.0.0.15】の苦戦データに当てはまることを前述した。両馬とも能力に疑いの余地はないが、今回の分析では強調しづらい結果となった。
ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


