【菊花賞 × 過去データ分析】三冠に挑むロブチェン 春の実績と夏の成長、菊花賞で狙うのは?
2026/10/22(木)

今週の日曜日に京都競馬場で菊花賞が行われる。人気の中心は、皐月賞・日本ダービーの二冠を達成したロブチェンだろう。前哨戦の神戸新聞杯も制し、クラシック三冠に向けて弾みをつけた。史上9頭目のクラシック三冠馬が誕生するのか、それともそれを阻む新星が現れるのか。いつものようにJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用し、過去10年(2016〜2025年)のデータを分析する。なお、2021・2022年は阪神開催だった。
菊花賞好走馬の春の実績をチェック
| 年 | 着順 | 馬名 | 人気 | ※ | 前走レース名 | 前着 |
| 2025年 | 1 | エネルジコ | 1 | − | 新潟記念G3 | 2 |
| 2 | エリキング | 2 | △ | 神戸新聞G2 | 1 | |
| 3 | エキサイトバイオ | 13 | − | ラジオNIHG3 | 1 | |
| 2024年 | 1 | アーバンシック | 2 | △ | セントラG2 | 1 |
| 2 | ヘデントール | 4 | − | 日本海S・3勝 | 1 | |
| 3 | アドマイヤテラ | 7 | − | 茶臼山H・2勝 | 1 | |
| 2023年 | 1 | ドゥレッツァ | 4 | − | 日本海S・3勝 | 1 |
| 2 | タスティエーラ | 2 | ◎ | 東京優駿G1 | 1 | |
| 3 | ソールオリエンス | 1 | ◎ | セントラG2 | 2 | |
| 2022年 | 1 | アスクビクターモア | 2 | ○ | セントラG2 | 2 |
| 2 | ボルドグフーシュ | 7 | − | 神戸新聞G2 | 3 | |
| 3 | ジャスティンパレス | 4 | △ | 神戸新聞G2 | 1 | |
| 2021年 | 1 | タイトルホルダー | 4 | ○ | セントラG2 | 13 |
| 2 | オーソクレース | 3 | − | セントラG2 | 3 | |
| 3 | ディヴァインラヴ | 6 | − | 木曽川特・2勝 | 1 | |
| 2020年 | 1 | コントレイル | 1 | ◎ | 神戸新聞G2 | 1 |
| 2 | アリストテレス | 4 | − | 小牧特別・2勝 | 1 | |
| 3 | サトノフラッグ | 5 | △ | セントラG2 | 2 | |
| 2019年 | 1 | ワールドプレミア | 3 | − | 神戸新聞G2 | 3 |
| 2 | サトノルークス | 8 | △ | セントラG2 | 2 | |
| 3 | ヴェロックス | 1 | ◎ | 神戸新聞G2 | 2 | |
| 2018年 | 1 | フィエールマン | 7 | − | ラジオNIHG3 | 2 |
| 2 | エタリオウ | 2 | △ | 神戸新聞G2 | 2 | |
| 3 | ユーキャンスマイル | 10 | − | 阿賀野川1000 | 1 | |
| 2017年 | 1 | キセキ | 1 | − | 神戸新聞G2 | 2 |
| 2 | クリンチャー | 10 | △ | セントラG2 | 9 | |
| 3 | ポポカテペトル | 13 | − | 阿賀野川1000 | 1 | |
| 2016年 | 1 | サトノダイヤモンド | 1 | ◎ | 神戸新聞G2 | 1 |
| 2 | レインボーライン | 9 | △ | 札幌記念G2 | 3 | |
| 3 | エアスピネル | 6 | △ | 神戸新聞G2 | 5 |
(表1 過去10年の菊花賞3着以内馬)
※春のクラシック実績
◎…皐月賞・日本ダービーの両方で3着以内
○…皐月賞・日本ダービーの片方のみで3着以内
△…いずれか、または両方に出走したが3着以内なし
−…皐月賞・日本ダービーのどちらも不出走
まず、菊花賞で3着以内に入った馬の春のクラシック実績を調べ、以下の4つのパターンに分類してみた。「◎」は皐月賞・日本ダービーの両方で3着以内、「○」は皐月賞・日本ダービーの片方のみで3着以内、「△」はいずれか、または両方に出走したが3着以内はなく、「−」はどちらも不出走という分類だ。
結果は◎が5頭(1着2頭、2着1頭、3着2頭)、○が2頭(1着2頭)、△が9頭(1着1頭、2着5頭、3着3頭)、−が14頭(1着5頭、2着4頭、3着5頭)となった。春のクラシック出走馬が16頭、同不出走馬が14頭と、ほぼ半数ずつに分かれた。
皐月賞・日本ダービーの両方で3着以内に入った馬については、菊花賞で好走できなかった馬も含めて少し掘り下げる。2016年はディーマジェスティ(皐月賞1着・日本ダービー3着)が菊花賞4着、2018年はエポカドーロ(皐月賞1着・日本ダービー2着)が菊花賞8着、2021年はステラヴェローチェ(皐月賞3着・日本ダービー3着)が菊花賞4着という結果だった。結果を振り返ると、春の実績だけでなく、芝3000mへの適性も問われた印象を受ける。これらの馬も含め、皐月賞・日本ダービーの両方で3着以内に入った馬の菊花賞成績は【2-1-2-3】(すべて1〜3番人気、勝率25.0%、複勝率62.5%)だった。
2021年の菊花賞を勝ったタイトルホルダーは皐月賞2着、2022年の菊花賞を勝ったアスクビクターモアは日本ダービー3着の実績により、「○」に該当する。さらに、この両馬には弥生賞ディープインパクト記念を勝ち、皐月賞では4コーナーを1番手で通過したという共通点があった。
「△」に該当した9頭中6頭は、前走の神戸新聞杯かセントライト記念で2着以内だった。残る3頭は2016年2着レインボーライン、同3着エアスピネル、2017年2着クリンチャーだった。
そして「−」に該当した14頭中7頭は前走が芝1800〜2400mの重賞で3着以内、残る7頭は前走が2勝クラス・3勝クラスの芝2200mで1着だった。前走重賞組には菊花賞トライアルだけでなく、ラジオNIKKEI賞や新潟記念といった芝1800〜2000mのG3が含まれるのがポイントだ。
前走3勝クラス組の方が優秀
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
| 1勝 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
| 2勝 | 0- 1- 4- 36/ 41 | 0.0% | 2.4% | 12.2% | 0 | 73 |
| 3勝 | 1- 1- 0- 7/ 9 | 11.1% | 22.2% | 22.2% | 81 | 50 |
| OPEN非L | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
| OPEN(L) | 0- 0- 0- 0/ 0 | |||||
| G3 | 2- 0- 1- 9/ 12 | 16.7% | 16.7% | 25.0% | 152 | 150 |
| G2 | 7- 7- 5- 87/106 | 6.6% | 13.2% | 17.9% | 28 | 48 |
| G1 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 53 |
(表2 菊花賞の前走クラス別成績、過去10年)
表2は菊花賞の前走クラス別成績。前走2勝クラス組は【0-1-4-36】(連対率2.4%、複勝率12.2%)だったのに対し、3勝クラス組は【1-1-0-7】(勝率11.1%、連対率・複勝率22.2%)で、好走率で上回っている。ただし、3勝クラス組は9頭とサンプルが少ない点には注意したい。3勝クラス組で好走した2023年1着ドゥレッツァ、2024年2着ヘデントールは、ともに前走の日本海S(新潟芝2200m)を勝ち、菊花賞当日は4番人気に支持された。前走2勝クラス組は、菊花賞当日3〜5番人気(1〜2番人気の馬はいない)に絞っても【0-1-0-4】(連対率・複勝率20.0%)という成績だった。
【結論】
ロブチェンが三冠達成か
春のクラシック実績に応じた「◎」「○」「△」「−」の4パターンごとに、今年の有力馬を探ってみたい。
まず、「◎」に該当するのはロブチェンだけ。皐月賞・日本ダービーの両方で3着以内に入った馬の菊花賞での複勝率は62.5%で、全幅の信頼を置けるほどではないかもしれない。ただ、ロブチェンは春の二冠をともに制し、2歳時にはホープフルSも勝っている。G1・3勝という実績は図抜けている。派手さはないものの、どんな位置からでも競馬ができる高い自在性が魅力で、中心馬にふさわしい存在と見る。
「○」に該当するのはバステール。弥生賞ディープインパクト記念を勝っているが、タイトルホルダーやアスクビクターモアとはタイプが全く異なり、皐月賞で11着に敗れている点は気になる。それでも日本ダービー3着は地力の証しだろう。
「△」の有力馬としてはゴーイントゥスカイに注目したい。青葉賞1着、日本ダービー4着の実績を評価。前走のセントライト記念は馬場に泣かされた可能性が高いので、度外視したい。
「−」の注目馬はやはりダノンヒストリー。前走2勝クラス組という点では、データから強く推奨しづらい。ただ、同馬は長期休養を挟み、復帰後もゆったりとしたローテーションを組んでおり、3勝クラスにも菊花賞トライアルにも出走していない。そこで、過去10年で前走2勝クラスを勝ち、菊花賞前までのキャリアが4戦だった馬の菊花賞成績を調べると、【0-0-0-4】だった。この中には、後にダイヤモンドSを制したグロンディオーズ(菊花賞13着)がおり、長距離適性が高くても大敗した例がある。また、2019年に4番人気で10着だったヒシゲッコウは、1勝クラス(函館芝2000m)、2勝クラス(阿寒湖特別)と連勝して挑んでおり、今回のダノンヒストリーに似た臨戦過程だった。一方で、前走2勝クラス組の2020年2着アリストテレス、2021年3着ディヴァインラヴは、ともにエピファネイア産駒だった。ダノンヒストリーも同産駒で、近2走の勝ち方からは高い長距離適性がうかがえる。データ上の不安と、血統やレース内容からの期待が交錯する馬という印象だ。
ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


