【アイルランドT × 過去データ分析】好走馬多数の前走G3組を絞り込む!
2026/10/8(木)

優勝馬にはエリザベス女王杯への優先出走権が与えられるステップレース・アイルランドT。昨年創設され本年は「第2回」として行われるが、レースの位置づけは一昨年までのアイルランドT府中牝馬Sと同じだ。そこで今回は、昨年のアイルランドTと一昨年までのアイルランドT府中牝馬S、そして2016年の府中牝馬Sを合わせた10回を対象に、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用してデータを分析したい。
大波乱は期待薄
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1番人気 | 2-2-2-4/10 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
| 2番人気 | 1-2-2-5/10 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
| 3番人気 | 1-0-1-8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
| 4番人気 | 3-1-0-6/10 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
| 5番人気 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 6〜10番人気 | 1-4-4-39/48 | 2.1% | 10.4% | 18.8% |
| 11番人気以下 | 1-0-0-39/40 | 2.5% | 2.5% | 2.5% |
| 単1.0〜3.9倍 | 2-4-4-4/14 | 14.3% | 42.9% | 71.4% |
| 単6.5〜8.9倍 | 4-1-2-10/17 | 23.5% | 29.4% | 41.2% |
(表1 人気別成績)
人気別の成績を見ると、11番人気以下が【1.0.0.39】と穴馬は苦戦しており、3着以内の好走馬30頭中29頭は10番人気以内だ。ただ複勝回収率で100%を超えるのは10番人気【0.1.1.7】の126%のみと、人気順では決め手に欠ける感もある。表の下部に記したように、単勝オッズでは4倍未満の人気馬が複勝率71.4%と安定しており、ほかに勝ち馬4頭が該当する6.5〜8.9倍の【4.1.2.10】勝率23.5%も目立つ。
4歳馬優勢、5歳は前走時に人気薄だと本競走は苦戦
| 前走人気 | 4歳 | 複勝率 | 5歳 | 複勝率 |
| 1 | 5-2-3-10 | 50.0% | 0-1-0-3 | 25.0% |
| 2 | 0-0-0-4 | 0.0% | 2-0-0-4 | 33.3% |
| 3 | 0-0-0-6 | 0.0% | 2-1-0-1 | 75.0% |
| 4 | 0-0-1-5 | 16.7% | 0-0-1-6 | 14.3% |
| 5 | 1-0-0-3 | 25.0% | 0-0-0-3 | 0.0% |
| 6〜9 | 0-3-2-15 | 25.0% | 0-0-0-16 | 0.0% |
| 10〜 | 0-0-1-3 | 25.0% | 0-1-0-12 | 7.7% |
(表2 4、5歳馬の前走人気別成績(前走海外は除く))
今年のアイルランドTは3歳や6歳以上の登録がなく、4歳馬と5歳馬によって争われる。それぞれの年齢別成績は4歳が【6.6.7.46】複勝率29.2%、5歳が【4.3.1.45】同15.1%と4歳が優勢だ。
この4歳と5歳は前走人気別の成績に違いがあり、4歳は前走1番人気だった馬が本競走【5.2.3.10】複勝率50.0%の好成績で、ほかに前走中位人気以下だった馬の好走も多いが、なぜか前走2〜3番人気だと本競走では【0.0.0.10】と好走なし。5歳は前走5番人気以下だと本競走【0.1.0.31】とかなりの不振だ。
前走ヴィクトリアM組は好走しても3着止まり
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 3勝 | 3-2-0-14/19 | 15.8% | 26.3% | 26.3% |
| OPEN | 2-0-0-11/13 | 15.4% | 15.4% | 15.4% |
| 中央G3 | 4-5-5-58/72 | 5.6% | 12.5% | 19.4% |
| 中央G2 | 0-1-0-6/7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
| 中央G1 | 1-1-5-18/25 | 4.0% | 8.0% | 28.0% |
| (ヴィクトリアM) | 0-0-4-16/20 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
| 海外 | 0-1-0-1/2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
(表3 前走クラス別成績)
前走クラス別で複勝率が高いのは3勝クラス組と中央G1組で、好走馬数では中央G3組が圧倒的に多く全体の約半数を占めている。
このうち、中央G1組は3着以内の好走馬7頭中6頭が4歳(2018年以降の6頭すべて)、同じく7頭中6頭はG1連対実績馬(残る1頭も3着はあり)。また、連対したのは前走安田記念8着のリスグラシューと、前年のエリザベス女王杯1着以来だったブレイディヴェーグで、該当馬の多い前走ヴィクトリアM組は【0.0.4.16】と好走しても3着止まりだ。
前走3勝クラス組、オープン特別組でも重賞好走実績が必要
| 年 | 馬名 | アイルランドT | 前走 | 主な実績 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
| 2017 | クロコスミア | 5 | 1 | WASJ第2戦 | 1 | 1 | ローズS2着 |
| 2022 | イズジョーノキセキ | 12 | 1 | 垂水S | 3 | 1 | 忘れな草賞2着 |
| 2024 | シンティレーション | 10 | 2 | 新潟日報賞 | 11 | 1 | フラワーC3着 |
| 2025 | ラヴァンダ | 4 | 1 | 仲秋S | 1 | 1 | フローラS2着 |
| アンゴラブラック | 6 | 2 | バーデンBC | 1 | 1 | 全成績【4.1.0.1】 | |
| 2016 | クイーンズリング | 3 | 1 | 米子S | 1 | 2 | フィリーズR1着 |
| 2020 | サラキア | 7 | 1 | 小倉日経OP | 3 | 1 | ローズS2着 |
(表4 前走3勝クラス、オープン特別からの3着以内好走馬)
表4は前走3勝クラス組5頭、前走オープン特別組2頭の好走馬である。3勝クラス組の5頭は前走1着で、うち4頭は着差がクビ以下と接戦でも問題はない。また、5頭中4頭は重賞で3着以内に入った経験があり、重賞未経験だった昨年のアンゴラブラックは長期休養明けのレース(4着)以外ではすべて連対と底を見せていなかった。そしてオープン特別組の2頭は重賞連対実績馬(2連対以上)で、前走は3番人気以内で連対していた。このように、前走が重賞以外だった馬でも重賞好走実績はほぼ必須だ。
前走G3組は前走上位人気か連対馬の好走多数
| 年 | 馬名 | アイルランドT | 前走 | 主な重賞実績 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
| 2016 | マジックタイム | 2 | 2 | ※関屋記念 | 1 | 3 | ダービー卿CT1着 |
| 2017 | アドマイヤリード | 2 | 3 | クイーンS | 1 | 6 | ヴィクトリアM1着 |
| 2018 | ディアドラ | 1 | 1 | クイーンS | 1 | 1 | 秋華賞1着 |
| フロンテアクイーン | 7 | 3 | クイーンS | 4 | 2 | クイーンS2着 | |
| 2019 | スカーレットカラー | 4 | 1 | クイーンS | 5 | 2 | クイーンS2着 |
| フロンテアクイーン | 9 | 2 | クイーンS | 2 | 7 | 中山牝馬S1着 | |
| 2020 | シャドウディーヴァ | 6 | 2 | クイーンS | 9 | 4 | フローラS2着 |
| サムシングジャスト | 8 | 3 | クイーンS | 7 | 9 | (アルテミスS6着) | |
| 2021 | シャドウディーヴァ | 4 | 1 | ※関屋記念 | 2 | 7 | 前年2着 |
| アンドラステ | 5 | 2 | ※関屋記念 | 3 | 8 | 中京記念1着 | |
| マルターズディオサ | 8 | 3 | 京成杯AH | 4 | 8 | チューリップ賞1着 | |
| 2023 | ディヴィーナ | 1 | 1 | ※関屋記念 | 2 | 2 | 中京記念2着 |
| ルージュエヴァイユ | 4 | 2 | エプソムC | 7 | 2 | エプソムC2着 | |
| 2025 | カナテープ | 5 | 3 | 関屋記念 | 1 | 1 | 関屋記念1着 |
(表5 前走G3からの3着以内好走馬)
※2024年以前の関屋記念は8月の別定戦
前走中央G3組の3着以内好走馬は14頭と多い一方で、複勝率は19.4%とあまり目立たないため、しっかり絞り込んだ上で狙いたい。まず前走時の人気や着順を見ると、前走2番人気以内だった馬が14頭中7頭、前走で連対していた馬が同6頭。どちらか一方を満たす「前走2番人気以内または前走連対」馬は【4.3.3.21】複勝率32.3%となり、前述の前走中央G1組や3勝クラス組の複勝率を上回ってくる。逆にどちらも満たせなかった馬は【0.2.2.37】同9.8%止まりだ。
実績面では、14頭中13頭が重賞連対実績馬。そして前走は7月末〜8月上旬のクイーンS組が7頭、8月の別定戦時代の関屋記念組(昨年から7月のハンデ戦)が4頭。前走が7月中旬以前だった好走馬は2023年のルージュエヴァイユ1頭のみとなっている。昨年からは中京記念が以前の関屋記念と同じ「8月・別定G3・芝1600m」の条件で行われているため、クイーンS組や中京記念組に注目したい。
【結論】
昨年の優勝馬・ラヴァンダに連覇のチャンスあり
好走馬の多い前走中央G3組(表5)のうち、「前走1〜2番人気または連対」を満たす登録馬は4頭を数えるが、うち3頭は6月の府中牝馬S組。よって注目は、昨年の本競走優勝馬で、前走の中京記念を勝ってきたラヴァンダだ。5歳馬のため表2から3番人気に推されるのがベターで、単勝6.5〜8.9倍(表1)のゾーンに入ればなお良し。今回は前走ヴィクトリアM好走馬2頭が1、2番人気に推されそうなため、本馬がその3番人気・単勝6.5〜8.9倍になる可能性も十分にある。ほかに府中牝馬S組からも1頭挙げれば、4歳で前走9番人気(表2)のウイントワイライトがおもしろそうだ。
前走3勝クラス組(表4)では、チューリップ賞で3着好走の実績があるハワイアンティアレが穴候補。オープン特別組(同)では「前走3番人気以内で連対」こそ満たせないものの、フラワーC優勝、紫苑S2着と「重賞2連対以上」はクリアするミアネーロを挙げたい。
そして前走G1組は、登録馬3頭ともヴィクトリアM組のため表3本文で触れたように3着候補になる。3頭のうちG1連対実績を持つのはカムニャックとクイーンズウォーク。高複勝率を記録している単勝4倍未満(表1)に支持されるなら、こちらを軸にした3連複も一考の余地がある。
ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


