【アルゼンチン共和国杯 × 過去データ分析】ハンデ戦でも人気馬が安定の一戦!
2025/11/6(木)

東京競馬場の芝2500mを舞台に争われるG2競走・アルゼンチン共和国杯。ジャパンCに向けては中2週とレース間隔に余裕がないため、年末の有馬記念や来春の天皇賞を目指す馬が多く出走するレースだ。今回はこのアルゼンチン共和国杯について、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向を分析してみたい。
ハンデ戦でも人気馬が安定
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 1 | 4-2-1-3/10 | 40.0% | 60.0% | 70.0% |
| 2 | 2-0-1-7/10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
| 3 | 2-0-5-3/10 | 20.0% | 20.0% | 70.0% |
| 4 | 0-3-1-6/10 | 0.0% | 30.0% | 40.0% |
| 5 | 0-3-0-7/10 | 0.0% | 30.0% | 30.0% |
| 6 | 1-1-1-7/10 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
| 7 | 0-1-0-9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
| 8〜9 | 0-0-1-19/20 | 0.0% | 0.0% | 5.0% |
| 10〜11 | 1-0-1-18/20 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
| 12〜 | 0-0-0-49/49 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表1 人気別成績)
人気別の成績は、1番人気【4.2.1.3】と3番人気【2.0.5.3】が複勝率70.0%をマーク。特に1番人気は勝率40.0%や連対率60.0%も高い。また、6番人気以内であればすべて連対率20.0%以上・複勝率30.0%以上で、7番人気以下はそれぞれ10.0%以下と、この6、7番人気を境にして好走確率に差がついている。ハンデ戦ではあるが、穴馬の出番はあまり多くないレースだ。
今年は3歳馬不在で、4歳馬が中心
| 年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 1〜3番人気 | 同複勝率 |
| 3歳 | 2-0-2-1/5 | 40.0% | 40.0% | 80.0% | 2-0-2-1/5 | 80.0% |
| 4歳 | 5-3-4-22/34 | 14.7% | 23.5% | 35.3% | 4-1-2-4/11 | 63.6% |
| 5歳 | 1-3-4-45/53 | 1.9% | 7.5% | 15.1% | 1-0-3-5/9 | 44.4% |
| 6歳 | 1-2-1-29/33 | 3.0% | 9.1% | 12.1% | 1-0-0-3/4 | 25.0% |
| 7歳以上 | 1-2-0-31/34 | 2.9% | 8.8% | 8.8% | 0-1-0-0/1 | 100.0% |
(表2 年齢別成績)
年齢別では3歳が抜群の成績を収めているが、今年は登録なし。4歳が【5.3.4.22】と半数の5勝を挙げ、複勝率も35.3%と上々の成績を残している。人気馬にかぎった信頼性でも5、6歳に差をつけており、4歳馬中心という見立てでいいだろう。
前走G1組が好成績
| 前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
| 2勝 | 0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 3勝 | 2-2-6-9/19 | 10.5% | 21.1% | 52.6% |
| OPEN | 1-3-0-42/46 | 2.2% | 8.7% | 8.7% |
| 中央G3 | 0-0-2-16/18 | 0.0% | 0.0% | 11.1% |
| 中央G2 | 3-4-2-51/60 | 5.0% | 11.7% | 15.0% |
| 中央G1 | 4-1-1-9/15 | 26.7% | 33.3% | 40.0% |
(表3 前走クラス別成績)
前走クラス別の成績では、3勝クラス組が複勝率52.6%、G1組が同40.0%で、他を大きくリードしている。ただ、3勝クラス組の好走馬10頭はすべて前走3着以内(7頭は前走1着)で、今年は該当馬不在だ。対してG1組は、前走馬券圏外から巻き返した馬が好走馬6頭中5頭を占めており、今年は前走G1組を重視したい。そのG1組のうちレース間隔が半年以内だった馬は【3.0.1.4】で、複勝率は50.0%とさらに高くなる。
残る前走オープン特別、G3、G2の中では、G3組のみ連対なし。また、G3組の好走馬2頭は前走2番人気以内かつ本競走3番人気以内だったが、本年の登録馬には前走G3で2番人気以内だった馬はいない。よって、今年は前走G1組以外なら、G2組かオープン特別組が候補になる。
前走G2組は、G2で4着以内の実績が必要
| 年 | 馬名 | AR共和国杯 | 前走 | 主なG2実績 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
| 2015 | メイショウカドマツ | 4 | 2 | オールカマー | 10 | 7 | 目黒記念4着 |
| 2019 | ムイトオブリガード | 2 | 1 | 目黒記念 | 2 | 5 | 前年2着 |
| 2020 | オーソリティ | 3 | 1 | 青葉賞 | 3 | 1 | 青葉賞1着 |
| サンアップルトン | 9 | 3 | オールカマー | 7 | 6 | 日経賞4着 | |
| 2021 | マイネルウィルトス | 4 | 2 | 札幌記念 | 11 | 4 | 札幌記念4着 |
| 2023 | ゼッフィーロ | 1 | 1 | オールカマー | 7 | 3 | オールカマー3着 |
| マイネルウィルトス | 5 | 2 | 京都大賞典 | 8 | 6 | 前々年2着 | |
| ヒートオンビート | 4 | 3 | 京都大賞典 | 4 | 9 | 目黒記念1着 | |
| 2024 | クロミナンス | 1 | 2 | 目黒記念 | 2 | 3 | 日経賞2着 |
(表4 前走G2からの好走馬)
前走G2から本競走で3着以内に好走したのは表4の9頭。前走着順はひと桁に収まっていれば問題ない。注目は表の右に記したG2実績で、9頭すべてG2で4着以内に入った経験があった。なお、好走馬9頭中8頭は前走が芝2200m以上だった。
オープン特別組なら、重賞勝ち馬か近走安定している馬
| 年 | 馬名 | AR共和国杯 | 前走 | 実績等 | |||
| 人気 | 着順 | レース | 人気 | 着順 | |||
| 2019 | タイセイトレイル | 5 | 2 | 丹頂S | 3 | 3 | 1月以降【3.2.4.0】 |
| 2020 | ラストドラフト | 6 | 2 | ケフェウスS | 2 | 8 | 京成杯1着 |
| 2022 | ハーツイストワール | 5 | 2 | 札幌日経OP | 1 | 1 | 過去1年【3.4.0.2】 |
| 2024 | ハヤヤッコ | 10 | 1 | タイランドC | 5 | 3 | 函館記念1着 |
(表5 前走オープン特別からの好走馬)
前走オープン特別からの好走馬は4頭。うち3頭は前走3着以内、残る1頭は前走2番人気だった。また、ラストドラフトとハヤヤッコは重賞勝ち馬。そしてタイセイトレイルは年明けから一度も馬券圏外がなく、ハーツイストワールは過去1年で連対を外したのが2回だけ(1回はG1)。重賞未勝利馬なら安定感を重視したい。
【結論】
ローシャムパークが最有力。G2・オープン特別組にも注意
前走3勝クラス組とG1組が好成績を残すアルゼンチン共和国杯。今年の3勝クラス組は好走条件に合致しないため、唯一のG1組・ローシャムパークが有力候補になる。昨秋のBCターフ2着馬。年齢は6歳だが、前走G1組の6歳馬は【1.0.0.1】のため減点は不要だろう。前走(宝塚記念15着)は少々負けすぎの感もあるが、それでも今回上位人気に推されそうなのはプラス材料だ。
G2組では、ディマイザキッドとホーエリートが好成績を残す4歳馬で、前走ひと桁着順+G2・4着以内の実績馬。5歳以上ではシュトルーヴェ、レーベンスティール(回避の見込み)も条件を満たす。中では前走が芝2200m以上だったホーエリートが上位だろうか。オープン特別組なら、4歳馬で重賞を除けば連対率100%のスティンガーグラスを挙げておきたい。
ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


