第1823回 【天皇賞・秋×過去データ分析】前走G1からの継続騎乗が今年のカギ!?|競馬情報ならJRA-VAN

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【天皇賞・秋×過去データ分析】前走G1からの継続騎乗が今年のカギ!?

2025/10/30(木)

ドウデュースが怒涛の追い込みを決めてから1年。今年も天皇賞・秋には好メンバーが集結した。年度代表馬争いにも直結する秋の古馬中長距離GT3連戦の初戦を、過去10年のデータから展望する。データ分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

1番人気が過去10年で7勝

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1番人気 7- 1- 0- 2/10 70.0% 80.0% 80.0% 170 104
2番人気 2- 1- 2- 5/10 20.0% 30.0% 50.0% 69 77
3番人気 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 34 58
4番人気 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0 53
5番人気 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0 26
6番人気 0- 1- 4- 5/10 0.0% 10.0% 50.0% 0 145
7番人気 0- 2- 0- 8/10 0.0% 20.0% 20.0% 0 82
8番人気 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0 100
9番人気 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0 102
10番人気〜 0- 1- 1-56/58 0.0% 1.7% 3.4% 0 20

(表1 人気別成績)

1988年から99年にかけて1番人気が12連敗したこともある天皇賞・秋だが、2000年代以降は様相が変わった。過去10年は1番人気が7勝、2着1回と強く、1番人気が馬券圏外に沈んだ2回(18年、24年)は2番人気が勝利。残る1回(21年)を制したのも3番人気だった。一方、2〜3着は幅広い人気から出ており、いわゆる穴党も諦める必要はない。

過去10年で6歳以上の好走例はない

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
年齢 3歳 2- 0- 1- 7/10 20.0% 20.0% 30.0% 60 47
4歳 3- 7- 5-34/49 6.1% 20.4% 30.6% 12 116
5歳 5- 3- 4-35/47 10.6% 17.0% 25.5% 32 53
6歳〜 0- 0- 0-42/42 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
所属・性別
関東・牡馬 5- 3- 3-37/48 10.4% 16.7% 22.9% 29 75
関東・牝馬 2- 0- 2- 4/ 8 25.0% 25.0% 50.0% 37 75
関西・牡馬 3- 7- 4-71/85 3.5% 11.8% 16.5% 12 50
関西・牝馬 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0 20

(表2 年齢および所属・牡牝別成績)

「年齢別」では5歳が最多の5勝をマーク。次いで4歳が3勝を挙げ、1〜3着15回と最多。3歳は出走自体が少ないこともあって2勝だが、勝率20.0%は4歳や5歳を上回る。そして、過去10年の好走例は3〜5歳に限られ、6歳以上は1頭も3着以内に入れなかった。また、「東西別」と「牡牝別(せん馬は牡馬に含む)」を組み合わせたデータでは、【2.0.2.4】の「関東・牝馬」に注意したい。

好走馬の6割は前走で国内G1出走

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
オープン特別 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
リステッド競走 0- 0- 0- 0/ 0          
国内G3 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
国内G2 3- 3- 6-80/92 3.3% 6.5% 13.0% 10 45
国内G1 7- 7- 4-19/37 18.9% 37.8% 48.6% 46 122
海外 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表3 前走クラス別成績)

前走クラスの傾向は明確だ。前走GT出走馬が7勝を含む1〜3着18回を記録し、複勝率も50%弱と好走する確率も高い。次いで前走G2出走馬が3勝を含む1〜3着12回をマークし、あとのクラスは好走例がない。

今年の前走G1出走馬は継続騎乗に注目

前走G1出走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走レース 宝塚記念 3- 2- 2-12/19 15.8% 26.3% 36.8% 43 90
安田記念 2- 2- 1- 3/ 8 25.0% 50.0% 62.5% 37 117
日本ダービー 2- 0- 1- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 120 94
天皇賞・春 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0 320
大阪杯 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 110
前走人気 前走1番人気 6- 2- 2- 1/11 54.5% 72.7% 90.9% 132 137
前走2番人気 1- 3- 1- 2/ 7 14.3% 57.1% 71.4% 37 174
前走3番人気〜 0- 2- 1-16/19 0.0% 10.5% 15.8% 0 94
騎手
継続騎乗 7- 3- 4-11/25 28.0% 40.0% 56.0% 68 102
乗り替わり 0- 4- 0- 8/12 0.0% 33.3% 33.3% 0 164

(表4 前走G1出走馬に関するデータ)

前走G1のなかでも、出走例と好走例が多いのは宝塚記念で、3勝を含む1〜3着7回をマーク。ただし、4着以下に終わるケースも多く、前走G1としては好走率が高いとは言えない。

前走G1出走馬で傾向が出ているファクターはふたつ。まずは「前走人気」で、前走1番人気なら【6.2.2.1】と極めて高い確率で好走してくる。前走2番人気も複勝率70%超と有力だ。もうひとつは「乗り替わりの有無」で、この組で勝った7頭はすべて前走のG1と同じジョッキーが継続騎乗していた。一方、乗り替わりだと好走率を落とすが、2着に来た4頭はいずれも5番人気以下で複勝回収値は164に達する。昨年9番人気2着のタスティエーラなど、盲点となっているパターンに気をつけたい。

前走G2では負けても0秒3差まで

前走G2出走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走レース 札幌記念 1- 2- 1-17/21 4.8% 14.3% 19.0% 17 53
オールカマー 1- 0- 0-15/16 6.3% 6.3% 6.3% 19 9
京都大賞典 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 30 14
毎日王冠 0- 1- 5-33/39 0.0% 2.6% 15.4% 0 69
その他のG2 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走タイム差 前走1着 2- 1- 1-12/16 12.5% 18.8% 25.0% 40 51
負け0.0〜0.3秒 1- 1- 4-26/32 3.1% 6.3% 18.8% 11 77
負け0.4秒〜 0- 1- 1-42/44 0.0% 2.3% 4.5% 0 18
前走上がり3F順 1位 3- 0- 1-10/14 21.4% 21.4% 28.6% 72 47
2位〜 0- 3- 5-70/78 0.0% 3.8% 10.3% 0 44
前走4角通過
1〜2番手 0- 1- 4-15/20 0.0% 5.0% 25.0% 0 112
3番手〜 3- 2- 2-65/72 4.2% 6.9% 9.7% 14 26

(表5 前走G2出走馬に関するデータ)

前走G2で好走例があるのは札幌記念、オールカマー、京都大賞典、毎日王冠の4レース。いずれも好走率が高いとは言えないが、このうち毎日王冠は過去10年で5頭の3着馬を出しており、無視はできない。

前走G2出走の場合、前走1着なら複勝率25.0%とまずまずで、負けても0秒3差以内には踏みとどまりたい。0秒4以上負けていた馬は複勝率5%未満と苦しく、巻き返したのは2年連続好走のステファノス(15年2着、16年3着)だけである。そのほか、前走G2出走から勝った3頭はいずれも前走で上がり1位を記録していたことと、前走G2で4角1〜2番手だった馬が複勝回収値112と穴傾向にあることの2点を記しておきたい。

【結論】

「前走G1で鞍上が継続騎乗のメイショウタバル」

以上の分析に基づき、有力なデータに合致する馬を紹介していこう。

前走国内G1出走馬の6頭はすべて前走3番人気以下で、複勝率9割超の前走1番人気、同じく7割超の前走2番人気に該当する馬は残念ながらいない。そこで、このパターンで複勝率5割を超える「継続騎乗」に当てはまる馬を探すと、武豊騎手予定のメイショウタバルがいる。また、前走は海外G1になるが、昨年の2着馬タスティエーラもレーン騎手が継続騎乗の予定だ。なお、2週連続G1制覇中かつ過去10年の天皇賞・秋で5勝のルメール騎手は、乗り替わりでマスカレードボールに騎乗予定となっている。

前走G2出走馬は、そこで1着か、負けても0秒3差以内にとどまっておきたい。加えて、前走上がり1位か4角1〜2番手ならなおよし。今年の登録馬では、前走セントライト記念1着のミュージアムマイルと、前走毎日王冠で4角先頭から0秒1差で2着のホウオウビスケッツを挙げておく。

最後に前走新潟記念組にも触れておきたい。今年から別定戦に変更された影響か、2着エネルジコが菊花賞1着、3着ディープモンスターが京都大賞典1着と次走で結果を出しており、ハイレベル戦だった可能性がある。すなわち、そこで上がり1位を記録して1着のシランケドを軽視できない。また、6着だったブレイディヴェーグは複勝率5割の「関東・牝馬」に当てはまり、こちらもマークはしておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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