第1816回 【ローズS × 過去データ分析】中心はオークス組。条件戦組の取捨がカギに|競馬情報ならJRA-VAN

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【ローズS × 過去データ分析】中心はオークス組。条件戦組の取捨がカギに

2025/9/11(木)

今週の中央競馬では3重賞が組まれているが、チャレンジCは今年から条件が変更されておりデータ分析が難しく、セントライト記念は3連単が3年連続1万円未満など堅い決着が多め。今回は波乱も期待できるローズSについて、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して過去10年の傾向を中心に分析したい。

中位人気以下からも好走多数

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 阪神 同複勝率
1 3-2-1-4/10 30.0% 50.0% 60.0% 2-2-0-2 66.7%
2 1-2-2-5/10 10.0% 30.0% 50.0% 0-1-2-3 50.0%
3 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 0-0-1-5 16.7%
4 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 0-0-0-6 0.0%
5 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 1-0-1-4 33.3%
6 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0-2-1-3 50.0%
7 2-1-1-6/10 20.0% 30.0% 40.0% 2-0-0-4 33.3%
8 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 1-0-0-5 16.7%
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-6 0.0%
10 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-6 0.0%
11〜 0-3-3-53/59 0.0% 5.1% 10.2% 0-1-1-32 5.9%

(表1 人気別成績)

過去10年、1〜2番人気は計【4.4.3.9】で複勝率55.0%とまずまず。ただ3〜5番人気が【3.0.2.25】同16.7%と今ひとつで、その分、6〜7番人気は計【2.3.2.13】同35.0%、11番人気以下は【0.3.3.53】同10.2%など穴馬の好走も多い。中京で代替された年のほうが波乱度は高めながら、阪神開催時でも6回中3回が3連単10万馬券以上だ。

以前はローズSというと平穏なレースという印象が強く、2005〜14年は単勝4倍未満の馬が【7.4.2.3】で複勝率81.3%を記録していた。しかし2015〜24年は同【3.2.1.4】複勝率60.0%と、4倍未満に支持される馬が減った上に好走確率も低下している。

レース間隔が詰まった馬は割引

レース間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率
中3週以内 0-1-2-33/36 0.0% 2.8% 8.3%
中4〜8週 3-4-3-29/39 7.7% 17.9% 25.6%
中9〜24週 7-5-5-65/82 8.5% 14.6% 20.7%
中25週以上 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0%

(表2 レース間隔別成績)

前走との間隔別の成績を見ると、中3週以内だった馬は【0.1.2.33】と好走例が少なく、複勝率も8.3%とかなり低い。穴馬の好走が多いレースではあるが、格上挑戦馬でもレース間隔はある程度しっかり取っている馬のほうが狙いが立つ。2023年には6月の条件戦以来だった馬が1〜3着を独占した。前走オープン・重賞組は3着以内に好走した全馬が、オークス以前のレースからの休み明けだった。

前走がG1なら7着以内が目安

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 6番人気以下
未勝利 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-6
1勝 4-5-2-45/56 7.1% 16.1% 19.6% 3-2-2-40
2勝 0-2-4-20/26 0.0% 7.7% 23.1% 0-2-2-16
3勝 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-3
OPEN 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-2
重賞未格付 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-1
G3 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-5
G2 0-1-0-3/4 0.0% 25.0% 25.0% 0-1-0-2
G1 6-2-4-42/54 11.1% 14.8% 22.2% 0-1-1-18
地方 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-2

(表3 前走クラス別成績)

前走クラス別で好走馬を出しているのは、1、2勝クラスと中央G2、G1。好走馬の数や勝率・連対率には差があるが、複勝率はどのクラスでもほぼ互角。条件戦組のほうが穴馬の好走が多く、G1組はローズS上位人気かつ前走でオークスに出走していた馬が中心だ。

このうち、好走馬のもっとも多いG1組は取捨のポイントがわかりやすい。前走3着以内だった馬は該当馬が少なく【1.1.0.2】複勝率50.0%。そして前走4〜7着馬が【4.0.4.8】で複勝率は同じ50.0%と、前走7着以内でさえあれば信頼度に差はない。前走8着以下になると【1.1.0.31】同6.1%と劣勢だ(取消を挟む馬を除く)。

また、この組は前走のG1での人気が9番人気以内なら【6.2.3.25】複勝率30.6%に対し、10番人気以下だった馬は【0.0.1.16】同5.9。前走着順だけでは絞りきれない場合は、前走の人気も参考にしたい。

なお、前走G2で唯一好走したクロコスミア(2016年2着、フローラS14着以来)は、重賞で3着2回の実績馬だった。

条件戦組は「前走1勝クラス・平場の芝1800〜2000m出走馬」が中心に

馬名 ローズS 前走
人気 着順 レース 距離 人気 着順
2015 タッチングスピーチ 7 1 500万下 芝20 4 1
トーセンビクトリー 2 3 1000万特 芝18 1 1
2016 カイザーバル 6 3 1000万特 芝15 1 6
2017 ラビットラン 8 1 500万下 芝16 4 1
カワキタエンカ 6 2 1000万特 芝18 3 2
2018 サラキア 2 2 500万特 芝17 1 1
ラテュロス 13 3 1000万特 芝20 3 4
2020 ムジカ 14 2 1勝クラス 芝18 2 2
オーマイダーリン 11 3 1勝クラス 芝16 1 1
2021 アンドヴァラナウト 4 1 1勝C特 芝20 1 1
エイシンヒテン 12 2 2勝C特 芝20 2 4
2022 サリエラ 2 2 1勝クラス 芝20 1 1
エグランタイン 7 3 1勝クラス 芝20 1 1
2023 マスクトディーヴァ 7 1 1勝クラス 芝18 2 1
ブレイディヴェーグ 1 2 1勝クラス 芝20 1 1
マラキナイア 5 3 2勝C特 芝18 1 2
2024 チェレスタ 7 2 1勝クラス 芝20 1 1

(表4 前走条件戦からの3着以内好走馬)

前走条件戦組の好走馬は表4の17頭。表3にあった通り1勝クラス(旧500万条件)組の好走馬が多いが、特に近年目立つのが1勝クラスの中でも平場戦に出走していた馬だ。1勝クラスであれば1着がほぼ必須、2勝クラスなら負けていても問題はない。また、近4年の好走馬はすべて前走で芝1800〜2000mのレースに出走していた。

前走条件戦組なら2走前は重賞以外

馬名 ローズS 2走前
人気 着順 レース名 人気 着順
2015 タッチングスピーチ 7 1 忘れな草賞 4 8
トーセンビクトリー 2 3 500万特 3 1
2016 カイザーバル 6 3 500万特 1 1
2017 ラビットラン 8 1 500万下 1 6
カワキタエンカ 6 2 桜花賞G1 10 7
2018 サラキア 2 2 白百合S 1 2
ラテュロス 13 3 500万下 3 1
2020 ムジカ 14 2 未勝利 2 1
オーマイダーリン 11 3 1勝クラス 1 3
2021 アンドヴァラナウト 4 1 1勝クラス 2 2
エイシンヒテン 12 2 忘れな草賞 5 2
2022 サリエラ 2 2 新馬 2 1
エグランタイン 7 3 1勝C特 8 2
2023 マスクトディーヴァ 7 1 忘れな草賞 5 7
ブレイディヴェーグ 1 2 未勝利 1 1
マラキナイア 5 3 1勝クラス 2 1
2024 チェレスタ 7 2 1勝クラス 1 2

(表5 前走条件戦組の好走馬の2走前成績)

今年のローズS登録馬を見ると、前走が条件戦だった馬のうち3頭は、2走前にオークスに出走していた。これら「前走条件戦+2走前中央重賞」という馬は過去10年で13頭が該当し【0.1.0.12。2017年のカワキタエンカ1頭しか好走馬が出ていない。一方で、同じ前走条件戦組でも2走前がオープン特別なら【2.2.0.6】連対率40.0%とまったく問題なく、前走、2走前ともに条件戦だった馬も表5にあるように多数好走している。

また、2走前が新馬・未勝利戦だった好走馬3頭のうち2頭はローズSで2番人気以内。残る1頭・14番人気で激走したムジカは、距離を1800mに伸ばしたデビュー3戦目以降は【1.3.3.0】と崩れることなくここに駒を進めていた。

【結論】

カムニャックとパラディレーヌの争いに1勝クラス組が絡むか

ローズSはオークスを中心とした前走G1組と、1勝クラス組の好走が多いレース。G1組で好走確率が高い「前走7着以内」を満たす登録馬はカムニャック、チェルビアット、パラディレーヌの3頭。ただ、チェルビアットは前走がオークスではなくNHKマイルCで、前走人気も12番人気と低かった点で他の2頭よりやや評価が下がる。オークス馬のカムニャックと、オークス4着のパラディレーヌが上位だ。

1勝クラス組は前走の芝1800〜2000m戦から中4週以上で、2走前が重賞以外というあたりがチェックポイント。2走前も1勝クラスの馬ならマトラコーニッシュ、2走前が新馬・未勝利戦の馬なら2戦2勝のセナスタイルや、芝で8戦連続4着以内のコンドゥイアあたりが穴候補としておもしろい。ほかに、前走2勝クラスのテレサやミッキージュエリーにも好走のチャンスはありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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