データde出〜た
第1647回 2年ぶりの札幌開催! クイーンSにおける狙い目は?
2022/7/25(月)
夏の福島開催が終了し、中央競馬は今週、来週と新潟・札幌の2場開催で行われる。先週開幕した札幌競馬では日曜メインに牝馬限定重賞のクイーンSが組まれている。今週は2年ぶりの札幌開催となるクイーンSをピックアップし、同競馬場で施行された2014〜20年の過去7年のデータから馬券的に狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 札幌競馬場で行われたクイーンSの人気別成績(2014年〜20年)
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 2- 2- 2- 1/ 7 | 28.6% | 57.1% | 85.7% | 78 | 127 |
2番人気 | 2- 0- 1- 4/ 7 | 28.6% | 28.6% | 42.9% | 120 | 70 |
3番人気 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
4番人気 | 0- 2- 1- 4/ 7 | 0.0% | 28.6% | 42.9% | 0 | 80 |
5番人気 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 37 |
6番人気 | 0- 2- 0- 5/ 7 | 0.0% | 28.6% | 28.6% | 0 | 90 |
7番人気 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 464 | 55 |
8番人気 | 0- 0- 1- 6/ 7 | 0.0% | 0.0% | 14.3% | 0 | 55 |
9番人気 | 1- 0- 1- 5/ 7 | 14.3% | 14.3% | 28.6% | 288 | 162 |
10番人気以下 | 1- 0- 1-24/26 | 3.8% | 3.8% | 7.7% | 168 | 69 |
2020/8/2 札幌11R クイーンステークス(G3)
1着 1番 レッドアネモス
まず表1は人気別成績。1番人気馬は2019年ミッキーチャームら2勝をあげ、連対率は57.1%、複勝率は85.7%と高い。複勝回収率も100%を超えている。2番人気馬は17年アエロリットら2勝で、複勝率42.9%。一方、3番人気馬からは3着以内馬が出ておらず、不振傾向にある。
1・2番人気馬で過半数の4勝をあげているが、その他の3勝は7・9・11番人気と伏兵が勝利している。一昨年は11番人気レッドアネモスが優勝。4番人気ビーチサンバが2着、1番人気スカーレットカラーが3着と、上位人気馬を破っての勝利だった。
2着馬はすべて6番人気以内におさまっているが、3着馬は8番人気以下が3頭と下位人気まで幅広く分布している。配当面では、3連単で1万円未満の堅い決着は1番人気ディアドラが勝利した18年のみ。対して3連単10万円以上の配当は、9番人気マコトブリジャールが制した16年、レッドアネモスが勝利した一昨年と2回出ている。伏兵の激走が目立ち、波乱の可能性を大いに秘めた一戦といえる。
■表2 札幌開催のクイーンSにおける所属別成績(2014年〜20年)
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
美浦 | 1- 1- 2-25/29 | 3.4% | 6.9% | 13.8% | 11 | 30 |
栗東 | 6- 6- 5-43/60 | 10.0% | 20.0% | 28.3% | 178 | 94 |
表2は所属別成績。出走数が多い栗東所属の関西馬が19年ミッキーチャームら大半の6勝をあげ、複勝率28.3%と優秀だ。19年・20年の近2回は上位3着までを占め、毎年1頭は3着以内馬が出ている。3着以内馬17頭中7頭は6番人気以下の伏兵だった。
対して、美浦所属の関東馬は17年アエロリットの1勝のみで、率でも関西馬に差をつけられている。3着以内馬4頭中3頭は上位4番人気以内だった。
■表3 札幌開催のクイーンSにおける年齢別成績(2014年〜20年)
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3歳 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 35 | 17 |
4歳 | 3- 4- 2-20/29 | 10.3% | 24.1% | 31.0% | 169 | 72 |
5歳 | 1- 3- 5-23/32 | 3.1% | 12.5% | 28.1% | 16 | 105 |
6歳 | 2- 0- 0-16/18 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 292 | 51 |
7歳 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表3は年齢別成績。4歳馬が一昨年のレッドアネモスら最多の3勝をあげ、連対率・複勝率トップだ。5歳馬は14年キャトルフィーユの1勝のみだが、2・3着が多く、複勝率は4歳馬に次いで高い。毎年1頭は3着以内に入っており、3着以内馬9頭中5頭は6番人気以下の馬だった。
3歳馬は17年アエロリット(2番人気)が優勝、6歳馬は15年メイショウスザンナ(7番人気)・16年マコトブリジャール(9番人気)と2勝しているが、連対率・複勝率は低い。
■表4 札幌開催のクイーンSにおける前走距離別成績(2014年〜20年)
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1200m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1400m | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0 | 267 |
1600m | 3- 3- 3-10/19 | 15.8% | 31.6% | 47.4% | 56 | 76 |
1700m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1800m | 2- 2- 0-28/32 | 6.3% | 12.5% | 12.5% | 73 | 33 |
2000m | 2- 2- 3-19/26 | 7.7% | 15.4% | 26.9% | 293 | 114 |
2400m | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
3200m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表4は前走距離別成績。黄色で強調した前走1600m組、前走2000m組が好成績をあげている。前走1600m組は19年ミッキーチャームら3勝をあげ、連対率は31.6%、複勝率は47.4%と非常に高い。3着以内馬9頭は前走でヴィクトリアMかNHKマイルCを使われており、すべてクイーンSで上位4番人気以内に支持されていた。
前走2000m組は15年メイショウスザンナら2勝で、複勝率26.9%。3着以内馬7頭中6頭は5番人気以下で、単勝回収率・複勝回収率とも100%を超えている。好走馬7頭中6頭は前走マーメイドS組。マーメイドS組は【2.2.2.11】で複勝率35.3%と好相性だ。
同距離の前走1800m組は18年ディアドラら2勝をあげているが、複勝率は12.5%と低い。
■表5 札幌開催のクイーンSにおける前走脚質別成績(2014年〜20年)
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
先行 | 5- 3- 0-26/34 | 14.7% | 23.5% | 23.5% | 219 | 64 |
差し | 1- 3- 6-21/31 | 3.2% | 12.9% | 32.3% | 104 | 122 |
追い込み | 0- 1- 1- 9/11 | 0.0% | 9.1% | 18.2% | 0 | 39 |
マクリ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表5は前走脚質別成績。前走逃げた馬は10頭すべて馬券圏外に敗れている。前走先行馬が19年ミッキーチャームら大半の5勝をあげており、勝率・連対率トップ。一昨年は1着レッドアネモスが該当しており、毎年1頭は連対している。
前走差し馬は15年メイショウスザンナの1勝のみだが、複勝率はトップの32.3%。一昨年は2・3着馬が該当し、3着以内馬10頭中6頭は5番人気以下の伏兵だった。
■表6 前走重賞組の前走着差別成績(2014年〜20年)
前走着差 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
勝0.1〜0.2 | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 390 | 115 |
勝0.0 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
負0.0 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
負0.1〜0.2 | 1- 2- 1- 1/ 5 | 20.0% | 60.0% | 80.0% | 104 | 196 |
負0.3〜0.5 | 0- 1- 3- 8/12 | 0.0% | 8.3% | 33.3% | 0 | 54 |
負0.6〜0.9 | 3- 1- 0- 7/11 | 27.3% | 36.4% | 36.4% | 713 | 150 |
負1.0〜1.9 | 0- 1- 0-11/12 | 0.0% | 8.3% | 8.3% | 0 | 16 |
負2.0〜2.9 | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0 | 50 |
負3.0〜3.9 | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 47 |
2015/8/2 札幌11R クイーンステークス(G3)
1着 10番 メイショウスザンナ
最後に表6は前走重賞組の前走着差別成績。前走重賞勝ち馬は【2.0.0.6】で17年アエロリットら2勝も、複勝率25.0%は高くない。狙い目は前走負けた組にあり、黄色で強調した前走0.1〜0.9秒負けのゾーンに注目。15年メイショウスザンナら4勝をあげ、複勝率42.9%と優秀だ。特に0.1〜0.2秒負けの馬は連対率が60.0%、複勝率は80.0%と非常に高く、今年該当馬がいればぜひチェックしておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。