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第1645回 札幌ダート1700mの傾向を分析する

2022/7/18(月)

今週は福島、小倉、そして札幌の3場開催。福島と小倉は開催7、8日目だが、北海道だけは函館から札幌への開催替わりになる。その札幌では日曜メインの大雪ハンデキャップがダート1700mで行われるが、このコースではほかに8月7日のエルムSなど多くのレースが組まれているため、今回はその札幌ダート1700mの傾向を分析したい。集計にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、集計対象は2017年〜2021年の5年間とした。また、集計対象には複勝式2着払いのレースも含まれるため、表や本文には「複勝率」ではなく「3着内率」を記している。

■表1 枠番別成績(14頭立て)

枠番 着別度数 勝率 連対率 3着内率 単回収 複回収 5番人気以内 同3着内率
1枠 8-8-13-111/140 5.7% 11.4% 20.7% 63% 54% 6-7-10-36 39.0%
2枠 13-9-13-105/140 9.3% 15.7% 25.0% 83% 81% 11-7-9-37 42.2%
3枠 23-16-18-223/280 8.2% 13.9% 20.4% 51% 55% 20-12-11-68 38.7%
4枠 23-22-14-221/280 8.2% 16.1% 21.1% 120% 88% 14-10-7-45 40.8%
5枠 17-31-25-207/280 6.1% 17.1% 26.1% 79% 94% 14-24-16-56 49.1%
6枠 18-25-20-217/280 6.4% 15.4% 22.5% 49% 70% 14-13-18-39 53.6%
7枠 17-17-12-234/280 6.1% 12.1% 16.4% 71% 64% 13-8-6-77 26.0%
8枠 21-12-25-222/280 7.5% 11.8% 20.7% 116% 114% 16-9-12-55 40.2%

2018/8/12 札幌11R エルムステークス(G3) 1着 8番 ハイランドピーク(5枠8番) 2018/8/12 札幌11R エルムステークス(G3)
1着 8番 ハイランドピーク(5枠8番)

まず表1は、札幌ダート1700mのフルゲートである14頭が出走したレースでの枠番別成績だ。全体的にみると内の1枠や、外の7〜8枠の好走確率がやや低い傾向にあることがわかる。一方、連対率や3着内率のトップは5枠。5番人気以内に推された馬にかぎった成績をみても5、6枠の3着内率が高く、中ほどの枠を重視したい。なお、人気を問わない馬番別では5枠7番が【13.15.15.97】で3着内率は頭ひとつ抜けた30.7%をマークし、7枠11番【6.6.5.123】が唯一10%台前半の3着内率12.1%に終わっている。

■表2 脚質成績(TARGET frontier JVによる分類)

脚質 着別度数 勝率 連対率 3着内率 単回収 複回収
当該レース 逃げ 38-29-13-159/239 15.9% 28.0% 33.5% 130% 99%
先行 135-116-98-381/730 18.5% 34.4% 47.8% 174% 136%
中団 29-53-89-892/1063 2.7% 7.7% 16.1% 36% 70%
後方 1-0-7-690/698 0.1% 0.1% 1.1% 0% 4%
マクリ 9-14-5-23/51 17.6% 45.1% 54.9% 146% 149%
前走
(ダ1700 〜1800m出走馬のみ)
逃げ 20-20-13-113/166 12.0% 24.1% 31.9% 53% 71%
先行 65-65-60-360/550 11.8% 23.6% 34.5% 77% 80%
中団 46-63-57-556/722 6.4% 15.1% 23.0% 77% 87%
後方 11-10-16-256/293 3.8% 7.2% 12.6% 52% 79%
マクリ 4-4-6-31/45 8.9% 17.8% 31.1% 33% 95%

※「前走」は取消・除外を挟む馬を除く

Target frontier JVの分類による脚質成績をみると、「先行」に分類された馬が3着内率47.8%と抜群の好成績で、次いで「逃げ」が同33.5%と上々だ。しかしこれを新馬・未勝利戦を除いた1勝クラス以上のレースに限定すると、「先行」の3着内率46.5%に対し、「逃げ」は同25.8%とやや差が開いてしまう。それでも「中団」の同18.2%よりは「逃げ」のほうが良いが、主に特別レースを買う方であれば「逃げ」の評価は表2よりもやや下げて考えたい。なお、前走時の脚質(対象は前走ダート1700〜1800m戦出走馬のみ)成績をみると、複勝回収率には脚質ごとの大きな違いはないが、好走確率はやはり前走でも「逃げ」または「先行」だった馬が高い。

■表3 脚質「後方」連対率ワースト5(平地、集計期間内該当馬200頭以上)

コース 着別度数 勝率 連対率 3着内率 単回収 複回収
札幌・ダ1700 1-0-7-690/698 0.1% 0.1% 1.1% 0% 4%
小倉・ダ1000 1-1-4-493/499 0.2% 0.4% 1.2% 1% 5%
福島・ダ1700 0-8-18-1117/1143 0.0% 0.7% 2.3% 0% 11%
小倉・ダ1700 5-6-14-1398/1423 0.4% 0.8% 1.8% 5% 8%
函館・ダ1000 0-3-10-304/317 0.0% 0.9% 4.1% 0% 23%

また、表2において良くない意味で目立ったのは「後方」の【1.0.7.690】という不振ぶりだろう。小回りコースのダート戦ならどこも「後方」の成績は悪くなりがちだが、この「連対率0.1%」は同期間のコース別「後方」連対率ワースト1で、3着内率も最下位だった(「後方」該当馬200頭以上)。集計期間内に「後方」から優勝したのは2019年の1勝クラス・アノ1頭で、過去10年に拡大してもほかに2015年の大雪ハンデキャップを制したサクラエールしかいない。レースを見ると確かに「このコースでこんな勝ち方をする馬はまず見ない」と思える走りなので、興味がある方はぜひJRA-VANスマホアプリの「動画コース」などでご覧いただきたい。

■表4 騎手成績(勝ち鞍順)

騎手 着別度数 勝率 連対率 3着内率 単回収 複回収
ルメール 34-16-12-45/107 31.8% 46.7% 57.9% 94% 86%
横山武史 15-12-14-100/141 10.6% 19.1% 29.1% 50% 70%
モレイラ 14-3-4-8/29 48.3% 58.6% 72.4% 174% 105%
横山和生 12-8-6-70/96 12.5% 20.8% 27.1% 261% 90%
池添謙一 9-8-11-56/84 10.7% 20.2% 33.3% 104% 86%
吉田隼人 8-7-7-66/88 9.1% 17.0% 25.0% 52% 71%
丹内祐次 7-12-5-103/127 5.5% 15.0% 18.9% 109% 88%
武豊 7-9-6-20/42 16.7% 38.1% 52.4% 50% 109%
岩田康誠 7-8-3-39/57 12.3% 26.3% 31.6% 105% 70%
菱田裕二 7-4-9-69/89 7.9% 12.4% 22.5% 79% 80%

続いて表4は騎手成績(勝ち鞍順)。34勝を挙げたルメール騎手が断トツで、好走確率も極めて優秀だ。騎乗馬の約9割が3番人気以内の支持を受けており配当妙味は薄いが、単複の回収率も悪くないため素直に信頼していいだろう。

続いて15勝で横山武史騎手、そして12勝で横山和生騎手。好走確率は両者ほぼ互角だが、横山武史騎手は一昨年から人気馬の騎乗が多くなったせいか回収率は低め。横山和生騎手は穴馬での好走も多く回収率は高くなっている。ほかに、騎乗数こそあまり多くないが武豊騎手がさすがの好成績を残しているのが目につくところだ。

■表5 種牡馬成績(勝ち鞍順)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 3着内率 単回収 複回収
ハーツクライ 10-10-4-41/65 15.4% 30.8% 36.9% 107% 102%
ヘニーヒューズ 8-7-5-47/67 11.9% 22.4% 29.9% 41% 53%
ディープインパクト 7-5-4-35/51 13.7% 23.5% 31.4% 116% 150%
キングカメハメハ 6-3-6-50/65 9.2% 13.8% 23.1% 37% 177%
アイルハヴアナザー 6-3-5-39/53 11.3% 17.0% 26.4% 145% 79%
ルーラーシップ 6-2-2-57/67 9.0% 11.9% 14.9% 26% 39%
ゴールドアリュール 5-9-11-75/100 5.0% 14.0% 25.0% 11% 79%
キンシャサノキセキ 5-9-5-52/71 7.0% 19.7% 26.8% 113% 71%
カネヒキリ 5-5-1-23/34 14.7% 29.4% 32.4% 105% 78%
パイロ 5-2-1-34/42 11.9% 16.7% 19.0% 81% 42%

※英字表記(外国産馬の父等)除く

2020/8/9 札幌11R エルムステークス(G3) 1着 13番 タイムフライヤー(父ハーツクライ) 2020/8/9 札幌11R エルムステークス(G3)
1着 13番 タイムフライヤー(父ハーツクライ)

最後に表5は種牡馬成績(勝ち鞍順)だが1位ハーツクライ、3位ディープインパクトと芝向きの産駒が多い種牡馬が上位に食い込んでいる。特にハーツクライは2020年エルムS1着のタイムフライヤーや、昨年の大沼S2着・スワーヴアラミスとオープン連対馬も出している点が注目に値する。一方ディープインパクト産駒の連対はすべて1勝クラス以下で、2勝クラス以上では3着2回しかなかった。ただ、好走馬16頭中11頭は4番人気以下。ダート戦ということもあってか、上位人気に推されやすい同馬の産駒にしては穴っぽい馬が馬券に絡んでいる印象がある。ほかにカネヒキリの成績も良いが、現役産駒は残りわずかになっている。

以上、札幌ダート1700mについていくつかデータを調べてみた。特に印象に残ったのはやはり表2、表3で挙げた脚質「後方」の好走確率の低さだ。そもそもこのコースで追い込み馬を買おうとする人はあまりいないだろうが、他場の小回り・ダートと比較しても特に苦戦を強いられる確率が高いことは覚えておきたい。その他ではディープインパクト、ハーツクライとダート戦で積極的に「買い」とは思われないような種牡馬が好結果を出している点は要注目だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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