データde出〜た
第1542回 今週開幕! 新潟ダート1200mを分析する
2021/7/19(月)
今週から函館と新潟の2場開催となる中央競馬。新潟開幕日の土曜メインにはダート1200mの3勝クラス・越後Sが組まれている。今回のデータde出〜たでは、夏季開催でのレース施行数が多い新潟ダート1200m戦を2018年以降のデータから分析する。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 新潟ダート1200m戦の脚質別成績(2018年以降)
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 50- 35- 24- 112/ 221 | 22.6% | 38.5% | 49.3% | 271 | 177 |
先行 | 130- 128- 91- 434/ 783 | 16.6% | 33.0% | 44.6% | 142 | 135 |
差し | 35- 43- 85-1109/1272 | 2.8% | 6.1% | 12.8% | 26 | 53 |
追い込み | 6- 15- 22- 899/ 942 | 0.6% | 2.2% | 4.6% | 7 | 26 |
表1は2018年以降の新潟ダート1200m戦における脚質別成績。黄色で強調したように、逃げもしくは先行した馬が好成績をあげている。これはダート短距離全般にいえることだが、新潟ダート1200mでもやはり前へ行った組の成績が良い。
ダート1200m戦が行われる競馬場は新潟の他に中山、中京、京都、阪神とあるが、新潟での逃げ馬の複勝率49.3%は中京(58.0%)、京都(55.5%)に次いで3位、先行馬の複勝率は他4場の30%台に対して44.6%で1位となっている。逃げなくても先行すれば高いアドバンテージを得られるコースといえる。
■表2 夏季に行われた新潟ダート1200m戦の所属別成績(2018年以降)
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
美浦 | 56- 61- 67- 766/ 950 | 5.9% | 12.3% | 19.4% | 68 | 66 |
栗東 | 20- 15- 10- 135/ 180 | 11.1% | 19.4% | 25.0% | 108 | 97 |
※夏季7〜9月
表2は夏季に行われた新潟ダート1200m戦の所属別成績。美浦所属の関東馬が出走数では圧倒的に多いものの、勝率・連対率・複勝率いずれも栗東所属の関西馬が上回っている。
特に勝率では関西馬は11.1%と関東馬の2倍近い率を残しており、単勝回収率でも100%を超えている。夏季は中京や小倉が開催されており、そちらへ参戦する関西馬が多いのだが、新潟へ持ってくるあたりは勝負がかりといえるだろう。実際に2着・3着よりも1着数が上回っている。
■表3 新潟ダート1200m戦の枠番別成績(2018年以降)
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1枠 | 10- 14- 8-189/221 | 4.5% | 10.9% | 14.5% | 38 | 65 |
2枠 | 17- 28- 33-324/402 | 4.2% | 11.2% | 19.4% | 47 | 69 |
3枠 | 27- 14- 31-349/421 | 6.4% | 9.7% | 17.1% | 53 | 70 |
4枠 | 28- 30- 28-342/428 | 6.5% | 13.6% | 20.1% | 51 | 64 |
5枠 | 30- 24- 32-346/432 | 6.9% | 12.5% | 19.9% | 62 | 81 |
6枠 | 35- 46- 30-325/436 | 8.0% | 18.6% | 25.5% | 75 | 83 |
7枠 | 36- 30- 37-336/439 | 8.2% | 15.0% | 23.5% | 102 | 82 |
8枠 | 38- 35- 23-345/441 | 8.6% | 16.6% | 21.8% | 78 | 68 |
表3は枠番別成績。黄色で強調した外の6〜8枠が勝率・連対率・複勝率いずれも高い率を残している。表1でも述べたダート1200m戦がある5競馬場のうち、芝スタートは新潟と中山の2つ。中山では枠の内外で率はあまり変わらないのに対して、新潟では明らかに外の6〜8枠が優位となっている。
逆に内の1・2枠は勝率4%台と低く、複勝率でも1枠は14.5%と最も低い。
■表4 新潟ダート1200m戦の種牡馬別成績(2018年以降)
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
サウスヴィグラス | 22- 11- 11-110/154 | 14.3% | 21.4% | 28.6% | 112 | 62 |
ヘニーヒューズ | 12- 9- 10- 86/117 | 10.3% | 17.9% | 26.5% | 60 | 83 |
キンシャサノキセキ | 8- 12- 12- 76/108 | 7.4% | 18.5% | 29.6% | 59 | 93 |
スウェプトオーヴァーボード | 8- 0- 5- 57/ 70 | 11.4% | 11.4% | 18.6% | 114 | 132 |
ロードカナロア | 7- 7- 6- 52/ 72 | 9.7% | 19.4% | 27.8% | 57 | 74 |
ゴールドアリュール | 6- 7- 2- 60/ 75 | 8.0% | 17.3% | 20.0% | 43 | 40 |
スクリーンヒーロー | 6- 3- 3- 33/ 45 | 13.3% | 20.0% | 26.7% | 81 | 62 |
ヨハネスブルグ | 6- 0- 8- 29/ 43 | 14.0% | 14.0% | 32.6% | 96 | 86 |
エスポワールシチー | 5- 9- 4- 23/ 41 | 12.2% | 34.1% | 43.9% | 123 | 107 |
ストロングリターン | 5- 5- 2- 40/ 52 | 9.6% | 19.2% | 23.1% | 100 | 52 |
ダイワメジャー | 5- 0- 0- 45/ 50 | 10.0% | 10.0% | 10.0% | 47 | 17 |
Speightstown | 4- 3- 1- 7/ 15 | 26.7% | 46.7% | 53.3% | 150 | 127 |
ドゥラメンテ | 3- 0- 0- 4/ 7 | 42.9% | 42.9% | 42.9% | 1061 | 180 |
※5勝以上および注目種牡馬を掲載
表4は種牡馬別成績。出走数最多のサウスヴィグラス産駒が22勝と2位以下を大きく離している。施行数221レースの約1割を占めており、勝率14.3%も5勝以上の種牡馬ではトップだ。単勝回収率も100%を超えている。昨夏のオープン・NST賞でも同産駒のヒロシゲゴールドが6枠からハナに立って、逃げ切り勝ちを決めている。
勝ち星ではヘニーヒューズ産駒12勝、キンシャサノキセキ産駒・スウェプトオーヴァーボード産駒8勝と続くが、上位の中で連対率・複勝率が目立つのがエスポワールシチー産駒。単勝回収率・複勝回収率もともに100%を超えている。
5勝以下ではSpeightstown、ドゥラメンテの両産駒に注目。Speightstown産駒は今春のララクリュサオルら4勝で、複勝率53.3%と非常に高い。また、ドゥラメンテ産駒は今春の未勝利戦で、6・3・8番人気の馬で3勝をあげている。今夏の新潟ダート1200mでも注目しておきたい。
■表5 夏季に行われた新潟ダート1200m戦の騎手別成績(2018年以降)
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
武藤雅 | 6- 3- 1-17/27 | 22.2% | 33.3% | 37.0% | 166 | 113 |
M.デムーロ | 5- 3- 1-14/23 | 21.7% | 34.8% | 39.1% | 63 | 66 |
大野拓弥 | 5- 2- 5-20/32 | 15.6% | 21.9% | 37.5% | 128 | 90 |
三浦皇成 | 4- 6- 4-33/47 | 8.5% | 21.3% | 29.8% | 46 | 58 |
内田博幸 | 4- 5- 5-28/42 | 9.5% | 21.4% | 33.3% | 36 | 93 |
石橋脩 | 3- 3- 4-16/26 | 11.5% | 23.1% | 38.5% | 70 | 78 |
柴田大知 | 3- 2- 1-38/44 | 6.8% | 11.4% | 13.6% | 92 | 76 |
藤田菜七子 | 3- 1- 4-35/43 | 7.0% | 9.3% | 18.6% | 70 | 60 |
松山弘平 | 2- 1- 0- 2/ 5 | 40.0% | 60.0% | 60.0% | 228 | 122 |
※3勝以上と注目騎手を掲載
表5は夏季に行われた新潟ダート1200m戦の騎手別成績。武藤雅騎手が最多の6勝をあげており、連対率33.3%・複勝率37.0%と優秀だ。昨年9月の2歳新馬ではエスポワールシチー産駒の7番人気ジューンクエストで勝利するなど、6勝はいずれも2・3歳馬でのものだった。M.デムーロ騎手は連対率・複勝率では武藤騎手を上回っている。藤田菜七子騎手は全シーズンでは最多の15勝をあげているものの、夏季に限れば3勝に終わっている。
他では騎乗数こそ少ないものの、松山弘平騎手が好成績。近年はダート戦での活躍が目立っており、新潟に参戦してきた際はぜひチェックしておきたい。
■表6 夏季に新潟ダート1200mで行われた3歳未勝利戦の前走人気別成績(2018年以降)
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1人気 | 2- 7- 4- 16/ 29 | 6.9% | 31.0% | 44.8% | 28 | 66 |
前走2人気 | 8- 5- 7- 17/ 37 | 21.6% | 35.1% | 54.1% | 135 | 128 |
前走3人気 | 6- 4- 1- 21/ 32 | 18.8% | 31.3% | 34.4% | 75 | 64 |
前走4人気 | 2- 0- 2- 27/ 31 | 6.5% | 6.5% | 12.9% | 131 | 61 |
前走5人気 | 5- 2- 5- 20/ 32 | 15.6% | 21.9% | 37.5% | 202 | 147 |
前走6〜9人 | 5- 10- 6- 97/118 | 4.2% | 12.7% | 17.8% | 51 | 90 |
前走10番人気以下 | 0- 0- 3-118/121 | 0.0% | 0.0% | 2.5% | 0 | 36 |
最後に表6は夏季に新潟ダート1200mで行われた3歳未勝利戦の前走人気別成績。最終盤の3歳未勝利戦となるが、前走1番人気だった馬は2勝のみ。代わって前走2番人気馬が最多の8勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれもトップ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、狙い目だ。他にも前走3番人気馬、前走5番人気馬も勝率・複勝率が高い。
なお、前走2ケタ人気だった馬からは連対馬が出ておらず、苦戦傾向にある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。