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第1397回 藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の組合せを分析する

2020/2/24(月)

重賞でもおなじみとなっているルメール騎手と藤沢和雄調教師の組合せ。昨年はグランアレグリアで桜花賞、タワーオブロンドンでスプリンターズSを制覇している。今年も年明けのシンザン記念をサンクテュエールで勝利。活躍が目立つ両者のコンビを2017年以降のデータから分析してみる。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 藤沢和雄厩舎の騎手別成績(2017年〜2020年2月16日終了時点)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ルメール 86- 57- 35-120/298 28.9% 48.0% 59.7% 84% 85%
北村宏司 8-  2-  8- 39/ 57 14.0% 17.5% 31.6% 65% 58%
木幡育也 7-  5-  6- 38/ 56 12.5% 21.4% 32.1% 205% 162%
杉原誠人 7-  2-  3- 34/ 46 15.2% 19.6% 26.1% 157% 116%
五十嵐雄祐 4-  8-  3- 24/ 39 10.3% 30.8% 38.5% 77% 81%
レーン 4-  1-  1-  3/  9 44.4% 55.6% 66.7% 140% 72%
福永祐一 4-  0-  2-  9/ 15 26.7% 26.7% 40.0% 114% 67%

※4勝以上の騎手を掲載。

2019/9/29 中山11R スプリンターズステークス(G1) 1着 8番 タワーオブロンドン

まず表1は藤沢和雄厩舎の騎手別成績。ルメール騎手が騎乗数も抜けて多く、勝ち星でも86勝と他の騎手を圧倒している。2・3着に比べて1着数が多いのも両者のコンビの特長で、勝率も28.9%と高い。G1では昨年のグランアレグリア、タワーオブロンドンの他に17年オークス(ソウルスターリング)、17年日本ダービー(レイデオロ)、18年天皇賞・秋(レイデオロ)と17年以降だけでも5勝。まさに藤沢和雄厩舎の主戦騎手といえる存在で、さすがの成績をあげている。日本人騎手では20代の木幡育也騎手、杉原誠人騎手が7勝ずつをあげ、条件戦で穴を開けることも多く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

ほかに注目すべきはレーン騎手。騎乗数こそ少ないものの、ルメール騎手を上回る率を残している。昨年の京王杯SCでもレーン騎手がタワーオブロンドンに騎乗して優勝。今年も短期免許で来日するようだと、藤沢和雄厩舎×レーン騎手のタッグは要チェックだ。

■表2 藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の芝・ダート人気別成績(2017年〜2020年2月16日終了時点)

馬場/人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
76- 44- 28- 78/226 33.6% 53.1% 65.5% 96% 92%
1番人気 54- 24- 17- 27/122 44.3% 63.9% 77.9% 84% 91%
2番人気 16- 16-  5- 19/ 56 28.6% 57.1% 66.1% 106% 96%
3番人気 2-  3-  2- 12/ 19 10.5% 26.3% 36.8% 55% 67%
4番人気 2-  0-  2-  7/ 11 18.2% 18.2% 36.4% 138% 97%
5番人気 1-  0-  1-  6/  8 12.5% 12.5% 25.0% 107% 71%
6番人気以下 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 212% 135%
ダート 10-13- 7-42/72 13.9% 31.9% 41.7% 44% 65%
1番人気 6- 8- 3- 8/25 24.0% 56.0% 68.0% 51% 85%
2番人気 3- 0- 1-10/14 21.4% 21.4% 28.6% 88% 45%
3番人気 1- 2- 3-13/19 5.3% 15.8% 31.6% 36% 62%
4番人気 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 45%
5番人気 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 120%
6番人気以下 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は芝・ダートに分けて人気別成績を示している。まずは色付けした芝・ダートそれぞれの全体成績を見ると、芝の方が断然率が高いことがわかる。勝率では芝が33.6%に対して、ダートは13.9%と2倍以上の開きがあった。藤沢和雄厩舎でルメール騎手騎乗となるとブランド力が強く、ダートでも人気になることが多いものの、好走できる可能性は慎重に見極めたいところだ。たとえばダートでは1番人気の連対率・複勝率こそ高いものの、勝ち星は上位3番人気以内に限られていた。

芝では騎乗機会226回中、半数以上の122回で1番人気に支持されており、やはり馬券を買う側の支持が強い。1番人気で54勝と勝ち切ることが多いのも事実で、勝率44.3%と非常に高い。ただ、G1では1番人気の【1.1.2.2】に対して、2番人気では【4.1.1.1】と4勝をあげている。ちなみに3番人気以下は【0.0.0.7】と不振傾向だった。

芝では全76勝中70勝が1・2番人気と大多数を占めている。また、芝レースで6番人気以下になることはまずないのだが、17年キーンランドCでは13頭立ての12番人気エポワス(セン馬9歳)に騎乗して、勝利に導いている。

■表3 藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の競馬場別芝レース成績(2017年〜2020年2月16日終了時点)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
札幌 13-  7-  9-  7/ 36 36.1% 55.6% 80.6% 123% 115%
函館 5-  6-  3-  7/ 21 23.8% 52.4% 66.7% 44% 82%
新潟 2-  0-  1-  1/  4 50.0% 50.0% 75.0% 70% 80%
東京 29- 21-  7- 33/ 90 32.2% 55.6% 63.3% 98% 93%
中山 11-  6-  3- 14/ 34 32.4% 50.0% 58.8% 90% 80%
中京 1-  1-  0-  0/  2 50.0% 100.0% 100.0% 90% 140%
京都 3-  0-  0-  4/  7 42.9% 42.9% 42.9% 142% 67%
阪神 12-  3-  4- 12/ 31 38.7% 48.4% 61.3% 100% 82%
小倉 0-  0-  1-  0/  1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 110%

※福島は騎乗なし

表3は競馬場別芝レースでの成績。騎乗機会10回以上の中では札幌芝で13勝をあげ、複勝率80.6%と優秀だ。騎乗数が多い東京・中山芝では勝率32%台をキープしている。

関西では阪神芝での騎乗機会が多く、勝率38.7%と東京・中山の勝率を上回っている。芝レースにおいては回りや直線の長さにかかわらず、高いアベレージを残している印象を受ける。

■表4 藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の芝レースにおける前走からの距離増減別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
同距離 32- 14- 13- 29/ 88 36.4% 52.3% 67.0% 110% 94%
今回延長 11- 15-  6- 21/ 53 20.8% 49.1% 60.4% 64% 92%
今回短縮 20-  8-  4- 20/ 52 38.5% 53.8% 61.5% 104% 90%

※2017年〜2020年2月16日終了時点

表4は好成績を残している芝レースにおける前走からの距離増減別成績。連対率・複勝率はそれほど大差がないのに対して、勝率では今回短縮38.5%、同距離36.4%、今回延長20.8%とかなり差が開いている。同距離組、今回短縮組は単勝回収率で100%を超えている。

今回延長組だけが2着数が1着を上回っており、なかなか勝ち切れていない。芝レースの中でも前走から同距離または短縮組はアタマから積極的に買い、前走から延長となる場合は扱いを慎重に考えたいところだ。

■表5 中山芝における藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2枠 1- 2- 1- 0/ 4 25.0% 75.0% 100.0% 32% 122%
3枠 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 177% 85%
4枠 3- 0- 1- 1/ 5 60.0% 60.0% 80.0% 148% 114%
5枠 0- 2- 0- 1/ 3 0.0% 66.7% 66.7% 0% 93%
6枠 1- 1- 1- 2/ 5 20.0% 40.0% 60.0% 40% 74%
7枠 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7% 316% 113%
8枠 2- 1- 0- 2/ 5 40.0% 60.0% 60.0% 68% 68%

※2017年〜2020年2月16日終了時点

表5、表6では今週から始まる中山、阪神における傾向を探っていく。表5は中山芝における枠番別成績。2〜8枠では連対率・複勝率ともに高い率を残しているのに対して、最内の1枠では5回騎乗してすべて5着以下に敗れている。5頭はいずれも上位4番人気以内に支持されていたが、着順が人気を上回ったケースは一度もなかった。進路取りが抜群に巧いルメール騎手でも小回りでごちゃつきやすい最内枠では難しい場合があるのだろう。中山芝で1番枠に入った場合には注意しておきたい。

■表6 阪神芝における藤沢和雄厩舎×ルメール騎手の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
2歳 2- 0- 2- 0/ 4 50.0% 50.0% 100.0% 125% 120%
3歳 6- 0- 2- 3/11 54.5% 54.5% 72.7% 135% 96%
4歳 3- 3- 0- 3/ 9 33.3% 66.7% 66.7% 86% 94%
5歳 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6歳 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 120% 60%

※2017年〜2020年2月16日終了時点

2019/4/7 阪神11R 桜花賞(G1) 1着 8番 グランアレグリア

最後に表6は阪神芝における年齢別成績。黄色で強調したように2歳戦、3歳戦では勝率50%以上と優秀で、単勝回収率でも100%を超えている。複勝率も2歳では100%、3歳では72.7%と非常に高い。昨年グランアレグリアで制した桜花賞のように重賞における活躍が目立つのも特徴だ。

ただし、4歳になると勝率は33.3%と下がり、5歳以上となると1勝のみ。今春も藤沢和雄厩舎の阪神遠征、ルメール騎手騎乗の場合はぜひとも出走馬の年齢に注意して馬券を検討していただきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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