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第1358回 前走競馬場別成績に大きな違い! 京都大賞典を分析する

2019/10/3(木)

秋の京都開催開幕週のメインは伝統のG2、京都大賞典。天皇賞・秋やジャパンC、有馬記念といった古馬中長距離G1へ向けて注目の一戦だ。今回は京都大賞典をピックアップし、2009年以降・過去10年のデータからレース傾向ならびに馬券で狙えそうなタイプを探っていきたい。なお、分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 京都大賞典の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 3-  1-  2-  4/ 10 30.0% 40.0% 60.0% 67% 74%
2番人気 2-  1-  3-  4/ 10 20.0% 30.0% 60.0% 58% 96%
3番人気 2-  0-  2-  6/ 10 20.0% 20.0% 40.0% 101% 89%
4番人気 1-  3-  1-  5/ 10 10.0% 40.0% 50.0% 86% 112%
5番人気 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 184% 54%
6番人気 0-  3-  0-  7/ 10 0.0% 30.0% 30.0% 0% 76%
7番人気 0-  2-  1-  7/ 10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 228%
8番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気以下 1-  0-  0- 26/ 27 3.7% 3.7% 3.7% 615% 139%

まず表1は人気別成績。1番人気馬は16年キタサンブラックら最多の3勝をあげ、連対率40%・複勝率60%。2番人気馬は昨年のサトノダイヤモンドら2勝で、複勝率では1番人気馬と並んでいる。以下、3番人気馬が2勝、4・5番人気馬が1勝ずつ。10番人気以下の勝利は13年ヒットザターゲット(11番人気)。ただ、8番人気以下の激走は同馬のみで、3着以内馬はほぼ7番人気以内におさまっている。その中で2着馬は、半数の5頭が6・7番人気から出ている点をチェックしておきたい。

配当面で大波乱となったのはヒットザターゲットが勝利した13年のみ。断然の1番人気(単勝1.2倍)だったゴールドシップが5着に敗れ、人気順で11→7→2番人気の決着となり、3連単361万9290円の大荒れとなった。14年以降の近5年は上位6番人気以内の馬が上位を占めており、堅めの決着が続いている。

■表2 京都大賞典の枠番別成績(過去10年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 2- 1- 1- 6/10 20.0% 30.0% 40.0% 49% 207%
2枠 4- 0- 2- 5/11 36.4% 36.4% 54.5% 1608% 409%
3枠 1- 2- 0-10/13 7.7% 23.1% 23.1% 66% 51%
4枠 0- 1- 2-11/14 0.0% 7.1% 21.4% 0% 47%
5枠 0- 1- 1-13/15 0.0% 6.7% 13.3% 0% 39%
6枠 1- 1- 1-12/15 6.7% 13.3% 20.0% 34% 50%
7枠 1- 2- 2-14/19 5.3% 15.8% 26.3% 9% 51%
8枠 1- 2- 1-15/19 5.3% 15.8% 21.1% 96% 43%

表2は枠番別成績。黄色で強調したように内目の1・2枠に入った馬が好成績をあげている。特に2枠は昨年のサトノダイヤモンドら最多の4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。1枠も16年キタサンブラックら2勝で、複勝率40%。複勝回収率でも207%と優秀だ。1〜3枠が過半数の7勝をあげており、内目の馬が勝ち切る傾向が強い。まだ枠番は発表されていないが、1・2枠優勢の傾向は覚えておきたい。

■表3 京都大賞典の年齢別成績(過去10年)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
4歳 4-  6-  1- 15/ 26 15.4% 38.5% 42.3% 52% 122%
5歳 5-  3-  4- 23/ 35 14.3% 22.9% 34.3% 552% 177%
6歳 0-  0-  3- 27/ 30 0.0% 0.0% 10.0% 0% 14%
7歳 1-  1-  2- 10/ 14 7.1% 14.3% 28.6% 61% 86%
8歳以上 0-  0-  0- 11/ 11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は年齢別成績。黄色で強調した4歳馬、5歳馬が連対馬の大半を占めている。4歳馬は16年キタサンブラックら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。5歳馬は昨年のサトノダイヤモンドら最多の5勝をあげており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。これら4歳馬、5歳馬が中心だ。

6歳馬からは連対馬が出ておらず、複勝率でも10%と4・5歳馬に大きく差をつけられている。7歳馬は一昨年のスマートレイアーが勝利し、複勝率も28.6%とまずまず高い。

■表4 京都大賞典の前走レース別成績(過去10年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
宝塚記念 5- 1- 5-11/22 22.7% 27.3% 50.0% 796% 250%
新潟記念 2- 1- 0- 8/11 18.2% 27.3% 27.3% 79% 47%
阪神大賞典 1- 1- 0- 0/ 2 50.0% 100.0% 100.0% 245% 340%
オールカマー 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 306% 146%
鳴尾記念 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 430% 110%
天皇賞春 0- 2- 2- 6/10 0.0% 20.0% 40.0% 0% 69%
札幌記念 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 215%
丹頂S 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 40%
西宮S(1600万下) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 220%
WAJ(1600万下) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 340%
ジャパンC 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 140%
朝日チャレンジC 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 21%
安田記念 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 40%
その他のレース 0- 0- 0-37/37 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。出走数最多の宝塚記念組が昨年のサトノダイヤモンドら5勝をあげ、複勝率も50%と高い。この組で前走一桁人気だった馬はのべ【5.0.4.6】で、複勝率は60%とさらに高くなる。

新潟記念組は14年ラストインパクトら2勝。阪神大賞典組は09年オウケンブルースリが勝利しており、好相性だ。なお、天皇賞・春組からは勝ち馬が出ておらず、好走しても2・3着止まりとなっている。

■表5 京都大賞典の前走競馬場別成績(過去10年)

前走場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
札幌 0-  2-  0- 17/ 19 0.0% 10.5% 10.5% 0% 32%
函館 0-  1-  0-  3/  4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 322%
福島 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
新潟 2-  1-  0- 10/ 13 15.4% 23.1% 23.1% 66% 40%
東京 0-  1-  1- 12/ 14 0.0% 7.1% 14.3% 0% 18%
中山 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 184% 88%
京都 0-  2-  2-  7/ 11 0.0% 18.2% 36.4% 0% 62%
阪神 7-  3-  6- 19/ 35 20.0% 28.6% 45.7% 539% 194%
小倉 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
地方 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
海外 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走競馬場別成績。黄色で強調したように前走阪神だった馬が昨年のサトノダイヤモンドら近4年続けて勝利しており、過半数の7勝を占めている。14年を除いて毎年1頭は3着以内に入っており、複勝率は45.7%と非常に高い。宝塚記念組の好走が多いものの、それ以外のレースでも【2.2.1.8】で連対率30.8%・複勝率38.5%と好相性を誇る。前走阪神コースだった馬を積極的に狙っていきたい。

他の競馬場では前走京都の複勝率が36.4%と高く、3着以内馬4頭はすべて前走天皇賞・春組だった。

■表6 京都大賞典6番人気以下で好走した馬の一覧(過去10年)

年度 馬名 人気 着順 当該年の阪神大賞典出走
2017 トーセンバジル 6 2 3走前3着
2016 アドマイヤデウス 6 2 2走前3着
2014 タマモベストプレイ 6 2 6走前8着
2013 ヒットザターゲット 11 1 なし
アンコイルド 7 2 なし
2012 オウケンブルースリ 7 2 前走8着
2009 トーセンキャプテン 7 3 なし

最後に表6は京都大賞典を6番人気以下で好走した7頭の当該年における阪神大賞典の出走の有無をまとめたもの。7頭中4頭が好走した年の阪神大賞典に出走していた。表4の前走レースでも阪神大賞典組は好相性と述べたが、前走かどうかにかかわらずその年の阪神大賞典に出走した馬は穴の資格ありといえそうだ。

<結論>

■表7 今年の京都大賞典の出走予定馬(10/2現在)

馬名 性齢 前走成績
アドマイヤジャスタ 牡3 日本ダービー18着
アルバート 牡8 18AR共和国杯10着
ウインテンダネス 牡6 七夕賞9着
ウラヌスチャーム 牝4 クイーンS4着
エアウィンザー 牡5 大阪杯5着
エタリオウ 牡4 宝塚記念9着
クリンチャー 牡5 新潟記念12着
グローリーヴェイズ 牡4 天皇賞・春2着
シルヴァンシャー 牡4 御堂筋S(1600万下)1着
ダンビュライト 牡5 大阪杯9着
チェスナットコート 牡5 丹頂S9着
ドレッドノータス セン6 丹頂S5着
ノーブルマーズ 牡6 小倉記念3着
パリンジェネシス 牡5 目黒記念10着
メートルダール 牡6 函館記念7着
リッジマン 牡6 天皇賞・春8着
レノヴァール 牡4 札幌日経OP5着

2018/10/21 京都11R 菊花賞(G1) 2着 9番 エタリオウ 2019/3/31 阪神10R 御堂筋ステークス 1着 4番 シルヴァンシャー 

今年の京都大賞典の出走予定馬は表7のとおり。

人気を集めそうなのが前走天皇賞・春で勝ったフィエールマンのクビ差2着だったグローリーヴェイズ。ただし、表4で示したように前走天皇賞・春組は勝ち星がなく、2・3着止まりだ。「能力的に抜けていて、1着間違いなし」というほどの信頼度はないだろう。

データ的に狙いが立つのは前走阪神組のエアウィンザー、エタリオウ、シルヴァンシャー、ダンビュライトの4頭。なかでもエタリオウは宝塚記念組で、前走4番人気と一桁人気だったのも強調材料。まだ1勝馬で2着7回と勝ちみに遅いのは確かだが、得意の京都コースで前走9着からの変わり身に期待したい。シルヴァンシャーは目下3連勝中。馬体重を増やしながら勝ち続けており、本格化と見てよいだろう。重賞初挑戦となるが、一気に突破してもおかしくない。

エアウィンザー、ダンビュライトも重賞実績があり、十分に勝ち負けできる能力を持つ。データ的にも好成績をあげている5歳馬だ。最後に穴でリッジマン。連対馬が出ていない6歳馬だが、出走予定馬で唯一今年の阪神大賞典に出走していた。もつれる展開になれば、激走があるかもしれない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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