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第1357回 暮れの2歳G1へ注目の一戦! サウジアラビアRCの狙いどころは?
2019/9/30(月)
スプリンターズSが終わり、今週から東京・京都・新潟へと舞台が変わる。開幕週は土曜にサウジアラビアRC、日曜は毎日王冠に京都大賞典と3鞍の重賞が組まれているが、今回は土曜東京メインのサウジアラビアRCをピックアップ。一昨年の勝ち馬ダノンプレミアムは後に朝日杯FSを勝利し、昨年の勝ち馬グランアレグリアは朝日杯FSで3着、そして桜花賞制覇と、今後のG1へ向けて注目の一戦だ。重賞として新設された2015年以降の近4年のデータからレース傾向ならびに馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 サウジアラビアRC近4年の3着以内馬一覧
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半800m通過 |
2018 |
1 | グランアレグリア | 1分34秒0 | 1 | 2 | 34秒0 | 48秒3 |
2 | ドゴール | 3馬身1/2 | 7 | 7 | 33秒7 | ||
3 | アマーティ | 1馬身 | 4 | 3 | 34秒5 | ||
2017 |
1 | ダノンプレミアム | 1分33秒0 | 2 | 2 | 34秒4 | 46秒1 |
2 | ステルヴィオ | 1馬身3/4 | 1 | 16 | 33秒5 | ||
3 | カーボナード | 1馬身1/4 | 6 | 7 | 34秒4 | ||
2016 |
1 | ブレスジャーニー | 1分34秒5 | 3 | 7 | 33秒8 | 47秒7 |
2 | ダンビュライト | 1馬身1/4 | 2 | 6 | 34秒2 | ||
3 | クライムメジャー | 3馬身 | 1 | 3 | 34秒9 | ||
2015 |
1 | ブレイブスマッシュ | 1分34秒2 | 4 | 6 | 33秒4 | 47秒0 |
2 | イモータル | ハナ | 1 | 6 | 33秒4 | ||
3 | アストラエンブレム | クビ | 2 | 8 | 33秒0 |
まず表1はサウジアラビアRC近4年の3着以内馬一覧。勝ちタイムは、前半からハイペースで流れた一昨年以外は1分34秒台の決着となっている。出走頭数も一昨年以外は10頭前後で、平均〜スローの流れで落ち着くことが多いようだ。
4角通過順では先頭で逃げた馬が馬券に絡んでおらず、メンバー中上がり最速だった馬がすべて馬券に絡んでいる。近2年では一昨年のダノンプレミアム、昨年のグランアレグリアと道中2番手につけて直線早めに抜け出した馬が連勝。一昨年2着ステルヴィオを含めた3頭は後にマイルG1を勝利しており、適性の高さが問われる一戦だ。
人気順では1番人気馬は【1.2.1.0】で昨年のグランアレグリアの1勝のみだが、複勝率100%と安定している。2番人気馬も【1.1.1.1】で連対率50%・複勝率75.0%と高く、3着以内馬はすべて上位7番人気以内におさまっていた。キャリアが浅い2歳戦とはいえ、堅めの決着が目立っている。
■表2 サウジアラビアRC近4年のキャリア別成績
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
1戦 | 2- 3- 2- 6/13 | 15.4% | 38.5% | 53.8% | 37% | 90% |
2戦 | 1- 1- 2-14/18 | 5.6% | 11.1% | 22.2% | 27% | 37% |
3戦 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
4戦 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 405% | 80% |
5戦以上 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表2はキャリア別成績。前走新馬戦で1戦のみの馬が一昨年のダノンプレミアム、昨年のグランアレグリアと2勝をあげ、連対率38.5%・複勝率53.8%と優秀だ。昨年は1〜3着まで該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。
キャリア2戦の馬は16年ブレスジャーニーが勝利するも、連対率・複勝率で1戦の馬に大きく差をつけられている。なお、3戦以上の馬で好走したのは4戦の15年1着ブレイブスマッシュのみ。キャリア1戦の馬を積極的に狙っていきたいところだ。
■表3 サウジアラビアRC近4年の前走着順別成績
前走順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1着 | 4- 4- 4-18/30 | 13.3% | 26.7% | 40.0% | 60% | 67% |
前走1人気 | 3- 2- 3- 3/11 | 27.3% | 45.5% | 72.7% | 118% | 108% |
前走2人気 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 71% | 18% |
前走3人気 | 0- 1- 1- 3/ 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% | 0% | 62% |
前走4人気 | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0% | 195% |
前走5人気以下 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走2着 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走3着 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走4着 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走5着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走6〜9着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走10着以下 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3は前走着順別成績で、前走1着馬については前走における人気別成績も示している。まず近4年の3着以内馬12頭はすべて前走で勝利をおさめていた。前走で2着以下だった17頭はすべて馬券圏外と苦戦傾向にある。
前走1着馬の前走人気では黄色で強調したように、前走1番人気馬が昨年のグランアレグリアら3勝をあげ、連対率45.5%・複勝率72.7%と非常に高い。前走1番人気で勝利した馬はぜひともチェックしておきたい。3着以内馬はすべて前走4番人気以内で勝利していた。
■表4 サウジアラビアRC近4年の間隔別成績
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
連闘 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中1週 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中2週 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中3週 | 0- 0- 0-14/14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中4〜 8週 | 1- 3- 2-11/17 | 5.9% | 23.5% | 35.3% | 47% | 74% |
中9〜24週 | 3- 1- 2- 4/10 | 30.0% | 40.0% | 60.0% | 99% | 76% |
表4は前走からの間隔別成績。ここでもハッキリとした傾向が出ており、前走から中3週以内だった馬は【0.0.0.20】と3着以内馬が出ていない。中3週以内というと前走で秋の中山・阪神開催を使われていた馬で、それらの馬は苦戦傾向となっている。
3着以内馬12頭はすべて前走から中4週以上開いていた。特に中9週以上の馬からは近3年の勝ち馬が出ており、連対率40%・複勝率60%と非常に優秀だ。中4週以上と前走との間隔がある馬、特に中9週以上と成長を促した馬が好走しやすい傾向にあるようだ。
■表5 サウジアラビアRC近4年の前走コース別成績
前走コース | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
東京・芝1600 | 2- 0- 0- 0/ 2 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 315% | 120% |
札幌・芝1500 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 405% | 80% |
阪神・芝1800外 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 180% | 75% |
中京・芝1600 | 0- 1- 1- 1/ 3 | 0.0% | 33.3% | 66.7% | 0% | 76% |
札幌・芝1800 | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0% | 30% |
新潟・芝1800外 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 110% |
新潟・芝1400 | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 390% |
新潟・芝1600外 | 0- 0- 3- 7/10 | 0.0% | 0.0% | 30.0% | 0% | 62% |
中山・芝1600 | 0- 0- 0-14/14 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
阪神・芝1600外 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
その他のコース | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
最後に表5は前走コース別成績。黄色で強調したように前走が今回と同じ東京芝1600mだった馬は16年ブレスジャーニー、昨年のグランアレグリアと2戦2勝。同コースでの経験が非常に大きいのだろう。それに対して、同じマイル戦でも前走中山・阪神だった馬は1頭も3着以内に入っていない。これは表4でも示されているが、間隔が短いことに加えて、右回りから左回りに替わることも一因ではないかと考えられる。実際に前走右回りだった馬は【2.1.0.26】で連対率・複勝率10.3%なのに対して、前走も左回りだった馬は【2.3.4.9】で連対率27.8%・複勝率50.0%と圧倒している。
今回と同じ前走東京芝1600mで勝利している馬には、まず注目。そして前走右回りだった馬よりも前走左回りの中京・新潟を使われてきた馬を重視して馬券を組み立てていきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。