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第1336回 サマーマイルシリーズが開幕! 中京記念を制する馬は?
2019/7/18(木)
今週日曜日、中京競馬場のメインは中京記念。サマーマイルシリーズの開幕戦であり、激戦が予想されるハンデ重賞だ。現在の条件で行われるようになった2012年以降のデータを分析し、いつものようにレースの傾向などを分析していくことにする。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 中京記念の上位3頭の成績(2012年以降)
年 | 着順 | 馬名 | 人気 | 性 | ハンデ | 前走レース名 | 前人 | 前着 | 備考 |
18年 | 1 | グレーターロンドン | 1 | 牡 | 56.5 | 京王杯スG2 | 3 | 4 | |
2 | ロジクライ | 5 | 牡 | 56 | マイラーG2 | 3 | 7 | ||
3 | リライアブルエース | 4 | 牡 | 54 | 京王杯スG2 | 6 | 6 | 東京・中京で3勝 | |
17年 | 1 | ウインガニオン | 5 | 牡 | 57 | パラダイ | 3 | 1 | |
2 | グランシルク | 2 | 牡 | 56 | パラダイ | 1 | 2 | ||
3 | ブラックムーン | 1 | 牡 | 57 | 米子S | 1 | 1 | ||
16年 | 1 | ガリバルディ | 7 | 牡 | 55 | 米子S | 2 | 5 | |
2 | ピークトラム | 6 | 牡 | 56 | 谷川岳S | 2 | 1 | ||
3 | ケントオー | 4 | 牡 | 56 | 米子S | 4 | 1 | ||
15年 | 1 | スマートオリオン | 6 | 牡 | 57 | パラダイ | 11 | 1 | |
2 | アルマディヴァン | 13 | 牝 | 52 | パラダイ | 9 | 8 | 新潟・中京で4勝 | |
3 | ダローネガ | 3 | 牡 | 55 | 湘南S1600 | 2 | 1 | ||
14年 | 1 | サダムパテック | 7 | 牡 | 58 | 安田記念G1 | 17 | 7 | |
2 | ミッキードリーム | 11 | 牡 | 56 | 都大路S | 12 | 5 | ||
3 | マジェスティハーツ | 5 | 牡 | 56 | エプソムG3 | 1 | 6 | ||
13年 | 1 | フラガラッハ | 5 | 牡 | 57 | 京王杯スG2 | 14 | 15 | |
2 | ミッキードリーム | 13 | 牡 | 57 | 米子S | 9 | 6 | ||
3 | リルダヴァル | 3 | 牡 | 57 | エプソムG3 | 6 | 4 | ||
12年 | 1 | フラガラッハ | 5 | 牡 | 57 | 米子SH | 11 | 1 | |
2 | ショウリュウムーン | 6 | 牝 | 54 | 米子SH | 1 | 15 | ||
3 | トライアンフマーチ | 10 | 牡 | 58 | パラダイH | 1 | 1 |
まずは過去7年の中京記念で3着以内に好走した馬を見ていこう(表1参照)。昨年は1番人気のグレーターロンドンが優勝。2着は5番人気のロジクライで、3着は4番人気のリライアブルエースだった。馬連は2430円の配当だったが、例年に比べれば穏やかな決着だった。1番人気の好走はまだ2回目。一方、二けた人気馬の好走回数の方が多く、難解なレースになりやすい。
好走馬の性別を見ると、21頭中牡馬は19頭で、牝馬は2頭。芝短距離のサマースプリントシリーズに比べると、牝馬の好走数は少ない印象だ。
また、好走馬のハンデは56キロ(牝馬は54キロ)以上がかなりの割合を占める。これは大きな特徴と言えるだろう。
■表2 中京記念出走馬(牡馬・セン馬)のハンデ別成績(2012年以降)
ハンデ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収率 | 複回収率 |
52kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
53kg | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
54kg | 0- 0- 1- 7/ 8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0 | 27 |
55kg | 1- 0- 1-15/17 | 5.9% | 5.9% | 11.8% | 68 | 34 |
56kg | 0- 4- 2-23/29 | 0.0% | 13.8% | 20.7% | 0 | 66 |
56.5kg | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 500 | 180 |
57kg | 4- 1- 2-11/18 | 22.2% | 27.8% | 38.9% | 222 | 150 |
57.5kg | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
58kg | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% | 304 | 268 |
58.5kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表2は中京記念出走馬(牡馬・セン馬)のハンデ別成績(2012年以降)。56キロの出走馬が最も多く、そして6頭の好走馬を出している。ただし、勝ち馬は出ていない。優勝馬はハンデ56.5〜58キロから出ている。ハンデ55キロ以下からは3頭の好走馬が出ているが、好走率は低い。つまり、ハンデをある程度背負わされる実績馬の方が強く、そうでない馬はやや苦しい傾向だ。
■表3 中京記念出走馬(牝馬)のハンデ別成績(2012年以降)
ハンデ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収率 | 複回収率 |
51kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
52kg | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 186 |
53kg | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
54kg | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 92 |
56kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
牝馬のハンデ別成績(表3参照)もチェックしておく。牡馬に比べて出走馬の数は少ないが、ハンデ53キロ(牡馬で55キロ換算)は【0.0.0.7】で不振。牡馬と同じようにハンデ54キロ以上の馬にまずは注目してみたいところだ。
表1に戻り、好走馬の前走レース・前走人気・前走着順を見ていく。前走レースはパラダイスSや米子Sなど、芝1400〜1600mのオープン特別を使っている馬が多い。重賞では京王杯SCやエプソムC、安田記念といった東京芝の重賞組が多い。前走3勝(1600万)クラスを使っていたのは、15年3着のダローネガだけ。昇級馬の好走が少ないため、軽ハンデ馬の好走例も少なくなっているのだろう。
そして、前走1着馬の好走は8頭。同2着馬は1頭で、同3着馬はゼロ。前走1番人気の好走は5頭だが、同2番人気は3頭、同3番人気も3頭いた。前走3着以内か、3番人気以内の条件を満たしている馬の方が狙いやすい。そのいずれの条件も該当しない場合は、苦しいと考えたい。ただ、左回りのレースで勝ち鞍数が多いなど、強みと言える実績があれば見直す必要がある。
例えば、18年3着のリライアブルエースは東京・中京で3勝、15年2着のアルマディヴァンは新潟・中京で4勝の実績を持っていた。また、この両馬はハンデ54キロ(牝馬は52キロ)以下でもあった。前述のダローネガも前走東京芝1600mの湘南Sを勝利していた。軽いハンデで狙えるのは、左回りの実績・適性に長けている馬ということが言えるだろう。
【結論】
それでは今年の中京記念を占っていこう。出走予定馬は表4の通り。
■表4 今年の中京記念出走予定馬
馬名 | 性 | 齢 | ハンデ | 前走レース名 | 前人 | 前着 | 備考 |
プリモシーン | 牝 | 4 | 55.5 | ヴィクトG1 | 4 | 2 | |
ロードクエスト | 牡 | 6 | 57 | 安田記念G1 | 16 | 12 | |
キャンベルジュニア | 牡 | 7 | 56 | カーバン | 7 | 10 | |
ヒーズインラブ | 牡 | 6 | 56 | 米子S(L) | 4 | 10 | |
※プラチナムバレット | 牡 | 5 | 56 | 鳴尾記念G3 | 9 | 9 | |
ロワアブソリュー | 牡 | 6 | 56 | パラダH(L) | 3 | 9 | 東京・中京で5勝 |
ミエノサクシード | 牝 | 6 | 54 | ヴィクトG1 | 17 | 6 | |
※キョウヘイ | 牡 | 5 | 55 | 米子S(L) | 6 | 11 | |
ジャンダルム | 牡 | 4 | 55 | 東京新聞G3 | 8 | 14 | |
※リライアブルエース | 牡 | 6 | 55 | 米子S(L) | 2 | 2 | |
エントシャイデン | 牡 | 4 | 54 | 安田記念G1 | 14 | 15 | 東京・新潟で3勝 |
グランドボヌール | 牡 | 5 | 54 | CBC賞HG3 | 6 | 6 | 中京・東京で4勝 |
※シャイニービーム | 牡 | 7 | 54 | 米子S(L) | 11 | 3 | |
レインボーフラッグ | 牡 | 6 | 54 | 朱雀S1600 | 2 | 1 | |
カテドラル | 牡 | 3 | 53 | NHKマG1 | 7 | 3 | |
コスモイグナーツ | 牡 | 4 | 53 | 米子S(L) | 9 | 4 | |
※ベルーガ | 牝 | 4 | 53 | 阪神牝馬G2 | 14 | 12 | |
ヴェネト | 牡 | 7 | 53 | 六甲S(L) | 14 | 12 | |
クリノガウディー | 牡 | 3 | 52 | NHKマG1 | 13 | 14 | |
グルーヴィット | 牡 | 3 | 52 | NHKマG1 | 4 | 10 | |
ツーエムマイスター | 牡 | 7 | 52 | パラダH(L) | 10 | 2 |
※は除外対象(7/17午前現在)
まずは出走予定馬のハンデを見ていく。基本的には56キロ(牝馬は54キロ)以上の馬が優勢で、勝ちやすい傾向にある。今年はプリモシーン、ロードクエスト、キャンベルジュニア、ヒーズインラブ、ロワアブソリュー、ミエノサクシードらが候補。その中ではプリモシーンが最有力だろう。前走ヴィクトリアマイルに出走し、4番人気で2着という結果だった。備考欄には記載しなかったが、昨年の関屋記念優勝馬で、サマーマイルシリーズで結果を出している点が大きな強みだ。その他の候補の前走成績があまり良くない点も、本馬を後押しできる要素となる。
ロワアブソリューは前走3番人気で、過去に東京・中京で5勝という実績がある。ただし、前年の中京記念で12着と惨敗。この点は気がかりだ。
ハンデ55キロ以下は積極的に狙いにくいが、今年はそうも言っていられない状況かもしれない。ハンデ54キロのエントシャイデンとグランドボヌールには、過去に左回りコースで勝ち鞍が多い。また、前走NHKマイルCで3着の3歳馬カテドラルにも十分チャンスがありそうだ。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。