データde出〜た
第1330回 飛躍を誓う3歳馬が出陣! ラジオNIKKEI賞を攻略する
2019/6/27(木)
2013年以降、3歳重賞のラジオNIKKEI賞は夏の福島の開幕週に行なわれるようになった。昨年は2着に入ったフィエールマンが菊花賞を勝利。今年も秋の飛躍につながる馬が現れることを楽しみにしつつ、データによるレース攻略を目指したい。集計期間は、現行の日程となった13年以降の過去6年分。データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 人気別成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
1番人気 | 2- 2- 0- 2/ 6 | 33.3% | 66.7% | 66.7% | 113% | 98% |
2番人気 | 2- 0- 0- 4/ 6 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 141% | 63% |
3番人気 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
4番人気 | 0- 1- 0- 5/ 6 | 0.0% | 16.7% | 16.7% | 0% | 38% |
5番人気 | 1- 0- 2- 3/ 6 | 16.7% | 16.7% | 50.0% | 163% | 151% |
6番人気 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
7番人気 | 0- 0- 1- 5/ 6 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0% | 51% |
8番人気 | 1- 1- 0- 4/ 6 | 16.7% | 33.3% | 33.3% | 380% | 170% |
9番人気 | 0- 1- 2- 3/ 6 | 0.0% | 16.7% | 50.0% | 0% | 255% |
10番人気〜 | 0- 1- 1-33/35 | 0.0% | 2.9% | 5.7% | 0% | 45% |
表1は人気別成績。過去6年の1着馬は、1番人気と2番人気が各2頭、5番人気と8番人気が各1頭という内訳となっている。もっとも人気がなかった13年1着のケイアイチョウサンでも単勝オッズは22.8倍で、現行の日程となった13年以降、極端な人気薄が勝った例はない。そのケイアイチョウサンを含む8、9番人気から計5頭が好走しており、穴ならこのあたりに狙いをつけると面白いのではないか。
■表2 枠番別成績
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
1枠 | 1- 0- 1- 8/10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 40% | 80% |
2枠 | 2- 2- 2- 4/10 | 20.0% | 40.0% | 60.0% | 69% | 201% |
3枠 | 0- 1- 1- 8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0% | 114% |
4枠 | 0- 0- 0-11/11 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
5枠 | 1- 1- 1- 9/12 | 8.3% | 16.7% | 25.0% | 81% | 70% |
6枠 | 1- 2- 0- 9/12 | 8.3% | 25.0% | 25.0% | 190% | 104% |
7枠 | 0- 0- 0-12/12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
8枠 | 1- 0- 1-10/12 | 8.3% | 8.3% | 16.7% | 36% | 43% |
表2は枠番別成績。2枠の好走率が突出して高く、これは狙ってみる価値がありそうだ。一方、7、8枠は合わせて【1.0.1.22】、勝率4.2%、複勝率8.3%、単勝回収率18%。複勝回収率21%と外枠不利の傾向は否めない。もちろん7、8枠に人気薄ばかりが入ったわけではなく、1〜3番人気に限っても【1.0.0.7】と苦戦。唯一の好走馬は17年1着のセダブリランテスで、この年は12頭立てと頭数が少なく、外枠の不利が緩和された部分はありそうだ。
■表3 ハンデ別成績(牡馬のみ)
ハンデ | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
50キロ | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
51キロ | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
52キロ | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
53キロ | 0- 1- 3-18/22 | 0.0% | 4.5% | 18.2% | 0% | 97% |
54キロ | 4- 1- 2-16/23 | 17.4% | 21.7% | 30.4% | 178% | 87% |
55キロ | 0- 3- 0- 4/ 7 | 0.0% | 42.9% | 42.9% | 0% | 184% |
56キロ | 1- 0- 1-11/13 | 7.7% | 7.7% | 15.4% | 31% | 38% |
56.5キロ | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 280% | 150% |
57キロ | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表3はハンデ別成績。なお、牝馬の好走例は1頭しかないため(16年2着ダイワドレッサー・53キロ)、ここでは牡馬だけを対象とした。目を引くのは、過去6年で4勝を挙げた54キロと、勝ち馬は出ていないが連対率42.9%の55キロ。56キロ以上でも勝ち馬2頭は出ているが、合算して【2.0.1.13】、勝率12.5%、複勝率18.8%、単勝回収率43%、複勝回収率40%と、54キロや55キロに比べてやや見劣る。また、52キロ以下の好走例はなく、軽ハンデは結果につながっていない。
■表4 出走間隔別成績
出走間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
連闘 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中1週 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
中2週 | 0- 0- 2-10/12 | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 0% | 78% |
中3週 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 1140% | 310% |
中4〜8週 | 5- 5- 4-38/52 | 9.6% | 19.2% | 26.9% | 48% | 93% |
中9週〜 | 0- 1- 0-15/16 | 0.0% | 6.3% | 6.3% | 0% | 8% |
表4は前走からの出走間隔別成績。まず、連闘や中1週は好走例がなく、中2週も連対なしと、詰まった間隔は結果が出ていない。また、中9週以上も16頭で2着1回のみと、間隔が開いても苦戦の傾向となっている。好走馬の大半は中3週および中4〜8週で出走しており、適度な間隔で出走してきた馬を狙っていくとよさそうだ。
■表5 前走距離との比較
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
今回延長 | 0- 2- 3-23/28 | 0.0% | 7.1% | 17.9% | 0% | 82% |
同距離 | 2- 2- 1-24/29 | 6.9% | 13.8% | 17.2% | 29% | 36% |
今回短縮 | 4- 2- 2-22/30 | 13.3% | 20.0% | 26.7% | 131% | 106% |
※前走の対象は芝のみ
表5は前走と今走の距離から「今回延長」「同距離」「今回短縮」の成績を比較したもので、前走は芝のみを対象とした。傾向としてはわかりやすく、好走率、回収率ともに「今回短縮」の成績が明らかに優秀。次に「同距離」と「今回延長」を比較すると、複勝率は互角だが、「同距離」では勝ち馬が2頭出ているのに対して、「今回延長」で勝ち切った例はない。なお、前走がダートだった2頭はいずれもふたケタ着順に敗れている。
■表6 前走クラス別成績
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 |
1勝(500万下) | 1- 3- 2-29/35 | 2.9% | 11.4% | 17.1% | 12% | 46% |
2勝(1000万下) | 1- 0- 1- 7/ 9 | 11.1% | 11.1% | 22.2% | 253% | 138% |
オープン特別 | 3- 1- 1-13/18 | 16.7% | 22.2% | 27.8% | 60% | 78% |
G3 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
G2 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% | 14.3% | 140% | 40% |
G1 | 0- 2- 2-11/15 | 0.0% | 13.3% | 26.7% | 0% | 134% |
※オープン特別にはリステッド競走を含む
表6は前走クラス別成績。この表を見る限り、前走で重賞に出走していた実績上位馬でも、そう簡単には好走できないようだ。実際、前走G1から勝ち切った馬はいない。前走G1組はむしろ穴馬が2、3着に突っ込むことが多く、それは複勝率26.7%、複勝回収率134%という数字に表れている。前走G2およびG3組は合わせて【1.0.0.11】と苦戦傾向で、14年1着のウインマーレライを除く11頭は4着以下に終わっている。
注目すべきは、過去6年のうち5勝を前走で重賞以外のレースに出走していた馬が挙げていること。そのうち3勝は前走オープン特別(リステッド競走を含む)で、具体的にはプリンシパルSや白百合Sから臨む馬がいれば注目してみたい。また、出走例は多くないが、前走で古馬混合の2勝クラス(1000万下)から好走した2頭は、8、9番人気が各1頭と激走に注意。前走1勝クラス(500万下)は、前走が1番人気1着なら【1.2.1.10】、それ以外の馬は【0.1.1.19】とやや差がついており、基本的には前者を狙いたい。
■表7 芝1800mの複勝率別成績
芝1800mの複勝率 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回率 | 複回率 | |
2走以上 | 100% | 2- 2- 2- 7/13 | 15.4% | 30.8% | 46.2% | 53% | 93% |
50%以上100%未満 | 2- 2- 2-18/24 | 8.3% | 16.7% | 25.0% | 57% | 89% | |
50%未満 | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 285% | 77% | |
1走のみ | 100% | 1- 1- 1-12/15 | 6.7% | 13.3% | 20.0% | 29% | 65% |
0% | 0- 0- 0-13/13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% | |
未出走 | 0- 1- 1-14/16 | 0.0% | 6.3% | 12.5% | 0% | 100% |
表7は、ラジオNIKKEI賞と同じ芝1800mの複勝率別成績を調べたもので、出走歴が「2走以上」「1走のみ」「未出走」に分けている。まず、芝1800mを2走以上していた馬から見ていくと、この距離で複勝率100.0%の馬はさすがに堅実。これが50%以上100%未満になると、好走率はほぼ半減してしまう。そして、50%に満たないと好走率はさらに半減と、実績に応じて数値が下がっていく。
芝1800mの出走歴が1走のみの場合も同様で、その1走で好走していればチャンスありだが、好走できなかった馬が3着以内に入った例はない。そして、芝1800mに未出走だった場合、1着馬は出ていないが、2、3着には各1頭が入っている。
【結論】
今年のラジオNIKKEI賞に登録がある21頭について「芝1800mの出走歴と実績」に応じて、データから有力と思われる馬を挙げていきたい。
まずは芝1800mを2走以上している馬から。この場合、複勝率100%だと好走率が高く、登録馬21頭のなかで該当するのはマイネルサーパスとランスオブプラーナの2頭だ。このうちマイネルサーパスはハンデ54キロ、中4週、距離短縮と好走率の高いデータが揃っている。惜しむらくは1着馬が出ていない前走G1のローテだが、3着以内の有力候補には挙げられる。
複勝率50%以上100%未満に該当する登録馬は10頭と多く、このなかで条件が揃うのはハンデ54キロ、中8週、距離短縮のアドマイヤスコール。また、好走率の高い前走オープン特別出走のレッドアネモス、ヒルノダカールにも注目したい。
芝1800mに1回だけ出走していた馬は、その1走で3着以内に入っていることが絶対条件だった。該当する登録馬ではブレイキングドーンがハンデ55キロ、中7週、距離短縮とよさそうだ。
最後に芝1800m未出走の登録馬も4頭おり、このなかではブレイブメジャーか。1着馬が出ていない距離延長に該当するのは割引だが、ハンデ54キロ、中8週、前走1勝クラス(500万下)で1番人気1着なら、3着以内の資格はあるだろう。
ライタープロフィール
出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。