データde出〜た
第1301回 近年の日経賞で狙える条件とは?
2019/3/18(月)
日曜に中京競馬場で高松宮記念が行われる今週は、中山、阪神と合わせて平地重賞が4レース組まれている。土曜の中山競馬場のメインは芝2500mのG2戦、日経賞。春の天皇賞に向けて注目しておきたい伝統の一戦だ。今回のデータde出〜たでは日経賞をピックアップし、2014年以降・近5年のデータから馬券で狙える条件を探っていきたい。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 日経賞近5年の上位3着以内馬一覧
年/馬場 | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半900m通過 |
2018 (良/15頭) |
1 | ガンコ | 2分33秒9 | 3 | 2 | 35秒6 | 56秒1 |
2 | チェスナットコート | 3/4馬身 | 7 | 9 | 34秒8 | ||
3 | サクラアンプルール | 3/4馬身 | 6 | 10 | 34秒6 | ||
2017 (良/16頭) |
1 | シャケトラ | 2分32秒8 | 4 | 8 | 35秒0 | 55秒1 |
2 | ミライヘノツバサ | 3/4馬身 | 7 | 1 | 36秒2 | ||
3 | アドマイヤデウス | アタマ | 6 | 4 | 35秒8 | ||
2016 (良/9頭) |
1 | ゴールドアクター | 2分36秒8 | 2 | 2 | 33秒8 | 57秒9 |
2 | サウンズオブアース | 3/4馬身 | 1 | 2 | 33秒9 | ||
3 | マリアライト | 1馬身1/4 | 4 | 5 | 33秒9 | ||
2015 (良/12頭) |
1 | アドマイヤデウス | 2分30秒2 | 4 | 5 | 34秒2 | 53秒7 |
2 | ウインバリアシオン | 1馬身3/4 | 5 | 3 | 34秒7 | ||
3 | ホッコーブレーヴ | アタマ | 6 | 8 | 34秒4 | ||
2014 (良/15頭) |
1 | ウインバリアシオン | 2分34秒4 | 1 | 3 | 33秒9 | 57秒1 |
2 | ホッコーブレーヴ | 1馬身3/4 | 10 | 11 | 34秒3 | ||
3 | ラストインパクト | 1馬身1/4 | 3 | 8 | 34秒6 |
まず表1は近5年の3着以内馬一覧。近5年ともに良馬場で行われているが、勝ちタイムは2分30秒2〜36秒8と年によってかなり開きがある。前半のペースも上位好走馬の上がり3ハロンのタイムもかなり違いはあるものの、勝ち馬5頭中4頭は4角通過順で5番手以内だった。
人気順では1番人気馬は【1.1.0.3】。14年ウインバリアシオンの1勝のみで、連対率・複勝率40%と信頼度は高くない。勝ち馬はすべて上位4番人気以内におさまっているものの、2・3着馬は下位人気まで分布している。近2年の2・3着馬もいずれも6番人気以下の伏兵で、やや波乱含みの一戦といえるだろう。
■表2 日経賞出走馬の所属別成績(過去5年)
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
美浦 | 1- 2- 3-29/35 | 2.9% | 8.6% | 17.1% | 9% | 76% |
栗東 | 4- 3- 2-23/32 | 12.5% | 21.9% | 28.1% | 62% | 77% |
表2は出走馬の所属別成績。栗東所属の関西馬が昨年のガンコら4勝をあげており、勝率・連対率・複勝率いずれも関東馬を圧倒している。昨年は1・2着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。ただ、関西馬の3着以内馬9頭中7頭は上位5番人気以内の馬だった。
対して、関東馬は16年ゴールドアクターの1勝のみ。3着以内馬6頭中4頭は6番人気以下の伏兵だった。関東馬は人気薄での激走が目立っており、複勝回収率では関西馬とほぼ互角の状態となっている。
■表3 日経賞の年齢別成績(過去5年)
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
4歳 | 2- 2- 1- 8/13 | 15.4% | 30.8% | 38.5% | 97% | 149% |
5歳 | 2- 1- 1-11/15 | 13.3% | 20.0% | 26.7% | 58% | 40% |
6歳 | 1- 1- 1-15/18 | 5.6% | 11.1% | 16.7% | 11% | 91% |
7歳以上 | 0- 1- 2-18/21 | 0.0% | 4.8% | 14.3% | 0% | 45% |
表3は年齢別成績。4歳馬が一昨年のシャケトラら2勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は7番人気チェスナットコートが2着に入っており、複勝回収率も100%を大きく超えている。5歳馬は昨年のガンコら2勝をあげ、複勝率は4歳馬に次いで高い。6歳馬は14年ウインバリアシオンの1勝。
勝率・連対率・複勝率いずれも年齢が上がるにつれて低下する傾向が見られた。
■表4 日経賞の前走レース別成績(過去5年)
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
有馬記念 | 2- 2- 2- 3/ 9 | 22.2% | 44.4% | 66.7% | 58% | 146% |
日経新春杯 | 2- 0- 0- 3/ 5 | 40.0% | 40.0% | 40.0% | 254% | 100% |
松籟S(1600万下) | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 270% | 120% |
ジャパンC | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0% | 320% |
アメリカJCC | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% | 0% | 84% |
早春S(1600万下) | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0% | 490% |
中山記念 | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 116% |
小倉大賞典 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 190% |
ステイヤーズS | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 340% |
その他のレース | 0- 0- 0-33/33 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
表4は前走レース別成績。有馬記念組が16年ゴールドアクターら2勝をあげ、連対率44.4%・複勝率66.7%と非常に高い。有馬記念と同じコースで相手が弱化されるとなれば、やはり好走しやすいということだろう。複勝回収率も100%を大きく超えている。
また、日経新春杯組は一昨年のシャケトラら2勝。勝利した2頭はともに前走で連対を果たしていた。その他の1勝は昨年のガンコ。同馬は2走前に日経新春杯で3着と好走後、前走京都芝2400mの松籟Sを勝利していた。なお、菊花賞組は15年サウンズオブアースが1番人気に推されながらも4着。ただし同馬は上がり最速をマークし、2着と同タイムの4着だった。
■表5 日経賞の前走着順別成績(過去5年)
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
前走1着 | 3- 1- 1- 9/14 | 21.4% | 28.6% | 35.7% | 100% | 90% |
前走2着 | 2- 1- 0- 4/ 7 | 28.6% | 42.9% | 42.9% | 132% | 72% |
前走3着 | 0- 1- 0- 3/ 4 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0% | 190% |
前走4着 | 0- 0- 2- 4/ 6 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0% | 81% |
前走5着 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 340% |
前走6〜9着 | 0- 0- 0-18/18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0% | 0% |
前走10着以下 | 0- 2- 1-14/17 | 0.0% | 11.8% | 17.6% | 0% | 105% |
表5は前走着順別成績。近5年の勝ち馬5頭はいずれも前走で連対を果たしていた。前走1着だった馬は昨年のガンコら最多の3勝をあげている。それら勝ち馬3頭はいずれも前走2400〜2500mのレースで勝利をおさめていた。また、前走2着馬は一昨年のシャケトラら2勝をあげ、連対率・複勝率42.9%は前走1着馬を上回っている。
なお、注意したいのが前走10着以下だった馬。巻き返して好走した3頭は前走JCもしくは有馬記念で、前走有馬記念組の2頭は過去に日経賞を勝利した経験があった。
■表6 日経賞の馬体重別成績(過去5年)
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
420〜439kg | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0% | 140% |
440〜459kg | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% | 0% | 54% |
460〜479kg | 1- 0- 0-12/13 | 7.7% | 7.7% | 7.7% | 41% | 16% |
480〜499kg | 1- 1- 4-21/27 | 3.7% | 7.4% | 22.2% | 12% | 93% |
500〜519kg | 2- 2- 0- 6/10 | 20.0% | 40.0% | 40.0% | 127% | 139% |
520〜539kg | 1- 1- 0- 5/ 7 | 14.3% | 28.6% | 28.6% | 28% | 54% |
最後に表6は出走時の馬体重別成績。少数ながら黄色で強調した500kg以上の大型馬が3勝。特に500〜519kgの馬は一昨年のシャケトラ、昨年のガンコと近2年続けて勝利しており、連対率・複勝率40%と優秀だ。これら500kg以上の大型馬が近5年の連対馬10頭中6頭までを占めている。
なお、出走数が最も多い480〜499kgの馬は16年ゴールドアクターの1勝のみで、3着が4回と多い。今回の日経賞でも馬体重をチェックして、500kg以上の大型馬を積極的に狙っていきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。