第1300回 今年も前走500万条件組に注目! スプリングS分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1300回 今年も前走500万条件組に注目! スプリングS分析

2019/3/14(木)

皐月賞トライアルのスプリングS。JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている1986年以降では、最多となる皐月賞馬10頭を輩出しているのが、このスプリングS組だ。昨年は本競走2着のエポカドーロが、皐月賞では7番人気の低評価ながらも巻き返して優勝、続く日本ダービーでも2着と好走した。今年はどの馬が1冠目へ向け前進するのか。過去の傾向から分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 13頭立て以下 14頭立て以上
1 4-3-2-1/10 40.0% 70.0% 90.0% 127% 120% 1-1-1-1/4 3-2-1-0/6
2 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 60% 61% 0-1-1-2/4 1-0-1-4/6
3 2-2-0-6/10 20.0% 40.0% 40.0% 116% 77% 0-1-0-3/4 2-1-0-3/6
4 1-1-1-7/10 10.0% 20.0% 30.0% 80% 56% 1-0-0-3/4 0-1-1-4/6
5 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 204% 69% 2-1-0-1/4 0-0-0-6/6
6 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 70% 0-0-2-2/4 0-0-0-6/6
7 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-23/23 0-0-0-6/6
8 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 90% 0-1-1-4/6
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6/6
10 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 137% 0-1-1-4/6
11〜 0-0-1-40/41 0.0% 0.0% 2.4% 0% 17% 0-0-1-33/34

2018/3/18 中山11R スプリングステークス(G2) 1着 8番 ステルヴィオ(1番人気)

過去10年、1番人気は複勝率90.0%。馬券圏外1頭は一昨年のサトノアレスだったが、昨年はステルヴィオが優勝しており、引き続き信頼性は高いと考えたい。連対馬20頭中18頭は5番人気以内と、連対候補は人気馬が中心になる。また、13頭立て以下で行われた年は好走12頭すべてが6番人気以内。14頭立て以上になれば、7番人気以下の馬にも2〜3着ならチャンスがある。

■表2 馬体重別成績(阪神除く)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜3番人気 同連対率
〜459kg 0-0-4-14/18 0.0% 0.0% 22.2% 0% 36% 0-0-3-0/3 0.0%
460〜479kg 4-1-2-36/43 9.3% 11.6% 16.3% 48% 28% 2-0-1-5/8 25.0%
480〜499kg 2-4-2-28/36 5.6% 16.7% 22.2% 26% 83% 2-3-0-3/8 62.5%
500〜519kg 2-3-1-14/20 10.0% 25.0% 30.0% 91% 77% 1-2-0-3/6 50.0%
520kg〜 1-1-0-4/6 16.7% 33.3% 33.3% 93% 53% 1-1-0-0/2 100.0%

馬体重別(阪神競馬場で代替された2011年を除く)では、他の多くのレースと同じように、大型馬ほど好走確率が高めに出ている。人気馬の「連対率」に大きな差がついているのがこのレースの特徴で、1〜3番人気馬に480キロ以上の馬がいれば特に注目したい。ただし、複勝率では460キロ未満の1〜3番人気馬も100%と崩れていない。

■表3 枠番別成績(阪神除く)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 4番人気以下 同連対率
1枠 2-1-1-7/11 18.2% 27.3% 36.4% 184% 72% 2-0-0-6/8 25.0%
2枠 1-1-1-10/13 7.7% 15.4% 23.1% 43% 72% 0-1-0-8/9 11.1%
3枠 2-1-1-10/14 14.3% 21.4% 28.6% 67% 82% 0-0-1-9/10 0.0%
4枠 0-3-0-12/15 0.0% 20.0% 20.0% 0% 60% 0-2-0-12/14 14.3%
5枠 0-1-0-15/16 0.0% 6.3% 6.3% 0% 6% 0-0-0-15/15 0.0%
6枠 2-1-3-12/18 11.1% 16.7% 33.3% 25% 62% 0-0-2-10/12 0.0%
7枠 0-1-0-17/18 0.0% 5.6% 5.6% 0% 8% 0-0-0-15/15 0.0%
8枠 2-0-3-13/18 11.1% 11.1% 27.8% 78% 85% 1-0-2-10/13 7.7%
1〜4枠 5-6-3-39/53 9.4% 20.8% 26.4% 66% 71% 2-3-1-35/41 12.2%
5〜8枠 4-3-6-57/70 5.7% 10.0% 18.6% 26% 42% 1-0-4-50/55 1.8%

同じく中山開催時にかぎった枠番別成績では、5、7枠が1連対のみ、他の枠は2連対以上。そのため内と外に分けると、1〜4枠のほうが好成績だ。特に4番人気以下の馬では、連対馬6頭中5頭がその1〜4枠から出ている。

■表4 前走クラス別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
未勝利 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 4-5-4-30/43 9.3% 20.9% 30.2% 79% 95%
OPEN特別 1-0-1-18/20 5.0% 5.0% 10.0% 11% 43%
G3 3-4-1-37/45 6.7% 15.6% 17.8% 37% 36%
G2 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 18%
G1 2-1-3-7/13 15.4% 23.1% 46.2% 43% 64%
地方 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

前走クラス別成績で、好走確率が高いのは中央競馬のG1組。また、500万条件組が3着以内に最多の13頭を送り込み、複勝率30.2%など好走確率も上々だ。一方で、新馬・未勝利組は12頭すべて圏外に敗退している。なお、前走レース別では朝日杯FSの【2.1.3.6】、共同通信杯の【1.3.0.15】、そしてきさらぎ賞の【1.1.1.3】を除き、好走馬は2頭以下。該当馬が多いレースでは、京成杯組が【0.0.0.10】に終わっている。


■表5 前走G1からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 人気 着順
2009 フィフスペトル 2 3 朝日杯FS 5 2
2010 ローズキングダム 1 3 1 1
2013 ロゴタイプ 1 1 7 1
2014 アジアエクスプレス 1 2 4 1
2015 ダノンプラチナ 2 3 1 1
2018 ステルヴィオ 1 1 3 2

前走で中央競馬のG1に出走していた好走馬は表5の6頭。そのすべてが前年の朝日杯FSに出走して連対、そして本競走では2番人気以内に推されていた。つまり好走条件が「G1で連対」とかなり厳しいものとなり、G1に出走していただけでは強調材料にはならない。

■表6 前走500万条件からの好走馬

馬名 人気 着順 キャリア 前走 距離 人気 着順
2009 レッドスパーダ 8 2 3戦 500万下 芝1600 3 1
2010 ゲシュタルト 10 2 3戦 こぶし賞 芝1600 3 5
2011 ステラロッサ 8 3 3戦 アルメリア賞 芝1800 2 2
2012 ロジメジャー 10 3 3戦 セントポーリア賞 芝1800 4 2
2014 ロサギガンティア 3 1 4戦 500万下 芝1800 2 1
クラリティシチー 4 3 5戦 セントポーリア賞 芝2000 1 2
2015 キタサンブラック 5 1 2戦 500万下 芝2000 9 1
2016 マウントロブソン 4 1 4戦 あすなろ賞 芝2000 2 1
マイネルハニー 5 2 5戦 フリージア賞 芝2000 3 1
2017 ウインブライト 5 1 5戦 若竹賞 芝1800 1 1
アウトライアーズ 2 2 4戦 ひいらぎ賞 芝1600 1 1
2018 エポカドーロ 3 2 3戦 あすなろ賞 芝2000 1 1
マイネルファンロン 6 3 4戦 フリージア賞 芝2000 4 2

前走500万条件組は13頭が好走、ここ3年は2頭ずつ好走と、注目の欠かせない存在になってきた。この13頭すべてに共通するのは、前走で芝1600〜2000mのレースに出走していたこと。さらに13頭中12頭は、キャリア3〜5戦、前走4番人気以内、そして前走では連対していた。この4項目をすべてクリアする馬なら【3.4.4.9】複勝率55.0%、複勝回収率161%となる。なお、キャリア2戦で優勝したキタサンブラックは、デビュー2連勝を飾っていた。

■表7 前走オープン特別〜G2からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 距離 人気 着順
2009 アンライバルド 1 1 若駒S 芝2000 1 1
2010 アリゼオ 2 1 共同通信杯 芝1800 1 3
2011 オルフェーヴル 1 1 きさらぎ賞 芝1800 2 3
ベルシャザール 4 2 共同通信杯 芝1800 2 4
2012 グランデッツァ 3 1 ラジオNIKKEI杯2歳S 芝2000 2 3
ディープブリランテ 1 2 共同通信杯 芝1800 1 2
2013 タマモベストプレイ 3 2 きさらぎ賞 芝1800 6 1
マイネルホウオウ 11 3 ジュニアC 芝1600 1 1
2015 リアルスティール 1 2 共同通信杯 芝1800 3 1
2016 ロードクエスト 1 3 ホープフルS(G2) 芝2000 1 2
2017 プラチナヴォイス 6 3 きさらぎ賞 芝1800 3 4

最後に表7は、前走でオープン特別〜G2に出走していた好走馬11頭である。この11頭は全馬が前走4着以内、そして11頭中10頭が前走芝1800〜2000m、同じく10頭が前走1〜3番人気。さらに、11頭中9頭は本競走で4番人気以内の支持を受けていた。

特に同距離・芝1800mの共同通信杯、きさらぎ賞に出走していた馬が多く、過半数の7頭を占めている。この「共同通信杯・きさらぎ賞組」は計【2.4.1.18】複勝率28.0%だが、前走1〜3番人気で4着以内に入った馬にかぎると【2.3.1.2】複勝率75.0%と、かなり信頼性は高くなる。なお、表4でも触れたように京成杯組は10頭すべて圏外に敗退している。

【結論】

2019/1/5 京都8R 福寿草特別 1着 4番 ロジャーバローズ

近年のスプリングSで、好走馬を多く輩出しているのは前走500万条件組。表6本文で挙げた好走条件をクリアすれば複勝率55.0%を記録し、本競走での人気に左右されない点も事前に予想する際には狙いやすい。

今年、表6の条件をクリアするのはエメラルファイトヒシイグアス、そしてロジャーバローズの3頭だ。このうち、エメラルファイトは前走時の段階で448キロという点が表2からマイナス。ヒシイグアスは前走「逃げ」の馬が【0.3.0.11】(中山開催時、Target frontier JVによる分類)と勝てていないことが、1着候補とするには気に掛かる。残る1頭・ロジャーバローズは前走時500キロの大型馬で、前走「先行」も【5.3.5.37】と不安なし。この3頭では筆頭格になる。また、エメラルファイトやヒシイグアスも、ロジャーバローズとの比較でこそ分が悪いものの、有力候補には変わりない。

9番人気だった朝日杯FSで2着に好走したクリノガウディーは、表5から今回2番人気以内に推されるかどうかかカギ。これをクリアしてくるようなら、上記3頭と互角以上の評価が可能だ。その他の組では、表7の条件をすべてクリアする馬が今年は不在。減点材料1つ(本競走での人気を除く)の馬では、シークレットラン(前走京成杯)、タガノディアマンテ(前走6番人気)、ディキシーナイト(前走1400m)あたりの名前が挙げられる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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