第1299回 穴馬にも要注意! ファルコンSを分析する|競馬情報ならJRA-VAN

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第1299回 穴馬にも要注意! ファルコンSを分析する

2019/3/11(月)

今週土曜に中京競馬場で行われるファルコンSは、以前の6月から2006年に3月へと移動、NHKマイルCへ向けたステップレースになった一戦だ。その後、11年は阪神競馬場での代替開催、翌12年からは改修された新・中京の芝1400mを舞台に行われている。そこで今回は、その12年以降の7回を対象に、このレースを分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 1-0-0-6/7 14.3% 14.3% 14.3% 52% 21%
2 2-1-0-4/7 28.6% 42.9% 42.9% 112% 82%
3 2-2-1-2/7 28.6% 57.1% 71.4% 192% 204%
4 1-1-0-5/7 14.3% 28.6% 28.6% 181% 102%
5 0-0-3-4/7 0.0% 0.0% 42.9% 0% 132%
6 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 61%
7 0-1-0-6/7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 65%
8 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 77%
10 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11〜 1-2-1-48/52 1.9% 5.8% 7.7% 150% 79%

2018/3/17 中京11R ファルコンステークス(G3) 1着 10番 ミスターメロディ(3番人気)

過去7年、1番人気の馬券圏内好走は14年1着のタガノグランパ1頭のみ。しかし、3番人気が複勝率71.4%を記録するなど、2〜5番人気は計【5.4.4.15】複勝率46.4%、単複の回収率121%、130%をマークしている。

■表2 1〜3着馬の人気と3連単配当

1〜3着馬人気 3連単配当
2012 4 12 3 32万0140円
2013 2 11 5 15万0580円
2014 1 3 11 4万7980円
2015 14 4 5 63万8950円
2016 2 3 9 4万2480円
2017 3 2 6 6万0680円
2018 3 7 5 6万1560円

年ごとの成績を見ると、1〜3着馬はすべての年で「5番人気以内2頭+6番人気以下1頭」の組み合わせ。そして2桁人気馬が連対すれば3連単15万馬券以上、連対しなければ4〜6万馬券となっている。3連単や3連複なら、人気馬ばかりや穴馬ばかりではなく、人気馬と穴馬を組み合わせて買い目を構築したい。

■表3 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 4番人気以下 同複勝率
1枠 2-0-1-11/14 14.3% 14.3% 21.4% 594% 172% 1-0-1-11/13 15.4%
2枠 0-1-1-12/14 0.0% 7.1% 14.3% 0% 99% 0-1-1-10/12 16.7%
3枠 1-1-1-11/14 7.1% 14.3% 21.4% 21% 55% 0-0-1-10/11 9.1%
4枠 0-3-2-9/14 0.0% 21.4% 35.7% 0% 177% 0-3-2-9/14 35.7%
5枠 2-1-1-10/14 14.3% 21.4% 28.6% 96% 77% 0-0-1-8/9 11.1%
6枠 0-0-0-14/14 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-13/13 0.0%
7枠 2-1-0-16/19 10.5% 15.8% 15.8% 86% 47% 1-0-0-12/13 7.7%
8枠 0-0-1-18/19 0.0% 0.0% 5.3% 0% 16% 0-0-0-16/16 0.0%

枠番別の成績では、全体としては内〜中が優勢で、外枠は苦戦。特に4番人気以下の馬では、3着以内に好走した12頭中11頭が1〜5枠だった。残る1頭は7年前、新コース1年目のブライトライン(4番人気1着)。その12年を除いた過去6年で見ると、6〜8枠は全馬の合計でも【1.1.0.42】に終わっている。

■表4 キャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 6番人気以下
〜2戦 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2/2
3戦 1-0-0-6/7 14.3% 14.3% 14.3% 70% 32% 0-0-0-6/6
4戦 2-1-1-16/20 10.0% 15.0% 20.0% 67% 60% 0-0-0-11/11
5戦 1-2-1-18/22 4.5% 13.6% 18.2% 16% 43% 0-0-1-12/13
6戦 1-1-2-24/28 3.6% 7.1% 14.3% 10% 46% 0-1-0-21/22
7戦 2-2-1-19/24 8.3% 16.7% 20.8% 379% 143% 1-1-0-16/18
8戦 0-0-2-9/11 0.0% 0.0% 18.2% 0% 144% 0-0-2-9/11
9戦 0-1-0-3/4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 165% 0-1-0-1/2
10戦〜 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2/2

キャリア別の成績を見ると、3歳春に行われるG1のステップレースとしては、キャリアを重ねた馬の好走が多い印象だ。該当馬が多い中では、キャリア7戦馬が連対率16.7%、複勝率20.8%をマーク。これを含むキャリア7〜9戦馬が複勝回収率100%を突破している。また、表の右に記したように、6番人気以下で連対した4頭はいずれも、キャリア6戦以上の馬だった。

■表5 前走クラス、主なレース別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
未勝利 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 2-2-2-37/43 4.7% 9.3% 14.0% 30% 65%
OPEN特別 2-0-0-31/33 6.1% 6.1% 6.1% 246% 54%
G3 3-2-2-14/21 14.3% 23.8% 33.3% 103% 128%
G2 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0-3-2-9/14 0.0% 21.4% 35.7% 0% 115%
地方 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 143%
アーリントンC 2-0-2-10/14 14.3% 14.3% 28.6% 117% 95%
クロックスS 2-0-0-18/20 10.0% 10.0% 10.0% 406% 90%
シンザン記念 1-1-0-3/5 20.0% 40.0% 40.0% 106% 196%
朝日杯FS 0-3-2-9/14 0.0% 21.4% 35.7% 0% 115%
京成杯 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 370%
全日本2歳優駿 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 215%
朱竹賞 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 525%

表5は前走クラスと、主なレース別の成績である。16年8着のショウナンライズ(朝日杯FS14着→クロッカスS取消)は、オープン特別・クロッカスS組に分類している。
複勝率が高いのは前走G1、G3組で、JRA重賞組の合計では【3.5.4.24】複勝率33.3%、複勝回収率119%になる。ほかに、好走確率は低めながらも、500万条件組も好走馬6頭を輩出している。

■表6 前走重賞からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 主な実績
2012 ブライトライン 4 1 アーリントンC 5 7 ラジオNIKKEI杯2歳S5着
レオンビスティー 12 2 シンザン記念 10 8 クリスマスローズS1着
サドンストーム 3 3 朝日杯FS 5 6 京王杯2歳S2着
2014 タガノグランパ 1 1 アーリントンC 3 2 ←、シンザン記念3着
2015 アクティブミノル 4 2 朝日杯FS 9 5 函館2歳S1着
ヤマカツエース 5 3 アーリントンC 10 6 すずらん賞2着
2016 ブレイブスマッシュ 3 2 京成杯 9 12 サウジアラビアRC1着
シゲルノコギリザメ 9 3 アーリントンC 6 12 シンザン記念3着
2017 コウソクストレート 3 1 シンザン記念 6 14 京王杯2歳S4着
ボンセルヴィーソ 2 2 朝日杯FS 12 3 デイリー杯2歳S2着
メイソンジュニア 6 3 全日本2歳優駿 6 5 福島2歳S1着
2018 アサクサゲンキ 7 2 朝日杯FS 8 10 小倉2歳S1着
フロンティア 5 3 朝日杯FS 6 8 新潟2歳S1着

2017/3/18 中京11R ファルコンステークス(G3) 1着 9番 コウソクストレート

表6は、地方競馬も含めた前走重賞組の好走馬13頭である。このうち、前走で掲示板を確保していたのは4頭だけ、JRA重賞で5着以内だったのは3頭にとどまる。前走でJRA重賞に出走していた全馬について、前走着順別の成績を調べると、前走1〜5着馬は【1.2.0.11】複勝率21.4%に対し、前走6着以下だった馬は【2.3.4.13】同40.9%。JRA重賞組なら前走着順は気にならず、むしろ掲示板を外していた馬のほうが複勝率は高い。ただ、前走では凡走していても、それ以前に重賞で5着以内かオープン特別で連対した実績は必要で、できれば重賞3着以内の実績を持っているのが理想だ。

■表7 前走オープン特別からの好走馬

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 芝1400m実績
2015 タガノアザガル 14 1 クロッカスS 6 9 2-1-0-1
2016 トウショウドラフタ 2 1 3 1 3-0-0-1

続いて表7は、前走オープン特別からの好走馬2頭で、2頭とも同距離・1400mのクロッカスS出走馬だった。この2頭の共通点は、芝1400mで2勝以上かつ3連対以上をマークしていたことだ。前走クロッカスS出走馬(同レース取消のショウナンライズは除く)のうち、本競走で5番人気以内に推された馬は過去7年で5頭いたが、13年1番人気7着のティーハーフが芝1400m【0.1.1.0】など、馬券圏外に敗れた4頭はこの条件をクリアできていなかった。

■表8 前走500万条件出走馬の成績

前走クラス 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
500万平場 2-2-1-17/22 9.1% 18.2% 22.7% 59% 80%
距離延長 0-0-0-8/8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
同距離 2-2-1-8/13 15.4% 30.8% 38.5% 100% 136%
距離短縮 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万特別 0-0-1-20/21 0.0% 0.0% 4.8% 0% 50%

最後に前走500万条件組について。この組の好走馬6頭中5頭は、前走で同距離・1400mの平場戦に出走していた(昨年の優勝馬・ミスターメロディはダートの1400m戦)。この「同距離・平場戦」組にかぎれば複勝率38.5%、複勝回収率136%と、JRA重賞組(表5本文)を上回る成績になる。一方、特別戦からの好走馬は14年3着のアルマエルナト1頭のみで、15年には前走で同コース・同距離のなずな賞を勝ってきたフミノムーンが、1番人気で4着に敗退している。

以上、中京新コースで施行されたファルコンSの傾向をまとめてきた。最後に挙げた、前走500万条件なら特別戦より同距離の平場戦組が優位、という点は特に注意が必要だろう。重賞組なら、直近の成績よりも、前々走以前の実績に注目したい。また、表2で触れたように、穴馬が1頭絡むように買い目を組み立てたい一戦だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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