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第1291回 1番人気3連勝中! 京都牝馬Sを分析する

2019/2/11(月)

土曜の京都で行われる京都牝馬Sは、今年で54回目。その大半は芝1600mで行われてきたが、2016年に1ハロン短縮され芝1400mになると同時に、施行時期もひと月近く繰り下げられた。そこで今回は、過去10年のデータをもとに、距離短縮前と後の成績も比較しつつ、このレースを分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年
1 5-3-1-1/10 50.0% 80.0% 90.0% 158% 136% 3-0-0-0
2 2-1-1-6/10 20.0% 30.0% 40.0% 86% 71% 0-0-0-3
3 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 42% 0-0-1-2
4 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 18% 0-1-0-2
5 1-0-3-6/10 10.0% 10.0% 40.0% 107% 105% 0-0-2-1
6 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 121% 72% 0-1-0-2
7 0-3-0-7/10 0.0% 30.0% 30.0% 0% 120% 0-1-0-2
8 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 59% 0-0-0-27
9 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 236% 148%
10 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 41%
11〜 0-1-0-56/57 0.0% 1.8% 1.8% 0% 38%

2018/2/17 京都11R 京都牝馬ステークス(G3) 1着 8番 ミスパンテール

まずは人気別成績から。過去10年、1番人気は連対率80.0%、複勝率90.0%と安定した結果を残しており、特に距離短縮後は3戦全勝。一方、2番人気は過去10年こそ複勝率40.0%とまずまずだが、ここ3年はすべて馬券圏外。3番人気も過去10年【0.0.2.8】と連対がない。4〜7番人気は距離短縮後【0.3.2.7】複勝率41.7%。1番人気以外なら、この4〜7番人気あたりに注目するのが良さそうだ。8番人気以下は1400mになってから好走がない。

■表2 枠番別成績(過去3年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜3番人気
1枠 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2
2枠 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2
3枠 0-0-1-4/5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 42% 0-0-0-1
4枠 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 該当なし
5枠 1-1-0-4/6 16.7% 33.3% 33.3% 50% 81% 1-0-0-0
6枠 1-0-1-4/6 16.7% 16.7% 33.3% 51% 60% 1-0-1-0
7枠 1-2-0-5/8 12.5% 37.5% 37.5% 58% 105% 1-0-0-0
8枠 0-0-1-7/8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 31% 該当なし

芝1400mへの短縮後、枠番別で、連対馬を輩出しているのは5〜7枠のみ。特に3番人気以内に推された馬は、5〜7枠なら複勝率100%、その他の枠は5頭すべて馬券圏外と、明暗がくっきり分かれている。馬番別で見ると、1〜7番が【0.0.1.20】、8〜15番が【3.3.2.13】、そして16〜18番が【0.0.0.6】。8枠の3着1回は昨年の12番・エスティタートで、落ち着いた頭数になれば8枠でも気にならない。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年
4歳 8-2-1-42/53 15.1% 18.9% 20.8% 83% 58% 2-2-0-12
5歳 1-6-3-37/47 2.1% 14.9% 21.3% 6% 49% 1-1-1-12
6歳 1-2-5-35/43 2.3% 7.0% 18.6% 54% 99% 0-0-2-11
7歳 0-0-1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 53% 0-0-0-4
8歳 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 該当なし

年齢別では、4歳馬が10年で8勝をマーク。2〜3着は5〜6歳馬が中心で、複勝率では4歳から6歳までほぼ互角だ。ただ、距離短縮後の連対馬はすべて4、5歳馬。過去10年の連対率でも6歳はやや劣勢なだけに、連対候補はまず4、5歳馬から考えたい。

■表4 前走クラス、主な前走レース別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去3年
1000万下 2-0-0-9/11 18.2% 18.2% 18.2% 78% 32% 0-0-0-1
1600万下 0-4-5-16/25 0.0% 16.0% 36.0% 0% 132% 0-3-2-5
OPEN特別 1-0-1-43/45 2.2% 2.2% 4.4% 3% 6% 0-0-0-10
中央重賞(格付けなし) 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 50% 25% 1-0-0-5
中央G3 5-5-3-35/48 10.4% 20.8% 27.1% 110% 118% 1-0-1-11
中央G2 0-0-1-7/8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 21% 0-0-0-4
中央G1 1-1-0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 39% 28% 1-0-0-2
地方・海外 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1
愛知杯 2-3-1-19/25 8.0% 20.0% 24.0% 61% 72% 0-0-0-3
ターコイズS(重賞昇格後) 2-0-0-6/8 25.0% 25.0% 25.0% 76% 36% 2-0-0-6
京都金杯 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 107% 90% 0-0-1-1
エリザベス女王杯 1-0-0-3/4 25.0% 25.0% 25.0% 117% 47% 1-0-0-0
阪神C 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 24% 0-0-0-3

前走のクラス別成績を見ると、1600万条件組が勝ち馬こそ不在ながら複勝率36.0%の好成績。過去3年では同50.0%と、特に距離短縮後の健闘が目立つ。また、以前は1000万条件組からも優勝馬が出ていたが、1400m戦になってからの勝ち馬は、ターコイズS組2頭、エリザベス女王杯組1頭と、重賞組が占める。なお、愛知杯は本競走との距離差が400mから600mに拡大し、ここ3年は【0.0.0.3】に終わっている。

■表5 前走1600万条件からの好走馬(過去3年)

馬名 年齢 人気 着順 前走 距離 人気 着順 過去3走 主な重賞実績
2016 マジックタイム 5 6 2 節分S 芝16 1 1 1→2→1着 クイーンC2着
2017 ワンスインナムーン 4 7 2 サンライズS 芝12 1 1 4→1→1着 未経験
スナッチマインド 6 5 3 六甲アイランドS 芝14 3 1 2→8→1着 前年本競走4着
2018 デアレガーロ 4 4 2 市川S 芝16 5 1 1→4→1着 フラワーC11着
エスティタート 5 5 3 石清水S 芝14 8 2 9→8→2着 前年本競走4着

表4で高複勝率を記録した前走1600万条件組について、距離短縮後の好走馬を調べたのが表5である。5頭はすべて本競走4〜7番人気。この組で7番人気以内に推された馬は【0.3.2.1】複勝率83.3%と、高確率で好走している点は見逃せない。前走は5頭中4頭が1着、残る1頭も2着。また、過去3走のうち2勝を挙げているか、前年の本競走で掲示板に載っていることも条件になる。

■表6 前走重賞からの好走馬(過去3年)

馬名 年齢 人気 着順 前走 距離 人気 着順 芝重賞成績
2016 クイーンズリング 4 1 1 エリザベス女王杯 芝22 5 8 1-1-0-4
ウインプリメーラ 6 3 3 京都金杯 芝16 3 1 1-1-2-5
2017 レッツゴードンキ 5 1 1 ターコイズS 芝16 6 2 1-3-4-8
2018 ミスパンテール 4 1 1 ターコイズS 芝16 5 1 1-1-0-3

2017/2/18 京都11R 京都牝馬ステークス(G3) 1着 10番 レッツゴードンキ

最後に表6は、前走重賞組の好走馬4頭だ。距離短縮後に優勝した3頭は、表1でも触れたように1番人気で、残る3着1頭も3番人気。4番人気以下だった馬は【0.0.0.18】に終わっており、これが1600万条件組の台頭にも繋がっている。前走はG1以外なら連対していることが条件。ほかに、芝重賞で2連対以上。そして表には記さなかったが、1400m〜1600m戦で重賞勝ちがあることや、G1出走経験を持つことでも共通していた。

以上、京都牝馬Sの傾向をまとめてみた。距離短縮後はかなりはっきりした傾向が出ており、1番人気か4〜7番人気、4〜5歳馬、5〜7枠、前走1600万条件か重賞、といったあたりが好成績を残していた。もちろん、わずか3回の傾向であるため過信は禁物だが、過去10年でも1番人気馬や4歳馬、そして前走1600万条件組あたりは好結果を出しており、注目して良さそうな印象だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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