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第1287回 新年から高配当が連発! ダート・OP特別の穴馬を探る
2019/1/28(月)
2019年に入り、ここまで(1/27開催終了時点)4歳以上・オープン(OP)特別のダート戦は3鞍行われた。いずれのレースでも単勝10番人気以下だった馬が3着以内に食い込んでおり、3連複・3連単の馬券は高配当が出ている。そこで今回は、二けた人気で激走した馬に注目。ダートのOP特別での穴馬の特徴について調べていくことにする。
■表1 2019年すばるS(京都ダート1400m)
着順 | 馬名 | 人気 | 性 | 齢 | 決め手 | 前走レース | 前着 |
1 | サクセスエナジー | 2 | 牡 | 5 | 逃げ | 兵庫ゴG3 | 2 |
2 | スマートダンディー | 3 | 牡 | 5 | 先行 | 三河SH1600 | 1 |
3 | サングラス | 13 | 牡 | 8 | 追込 | ベテルギ | 10 |
■表2 2019年ジャニュアリーS(中山ダート1200m)
着順 | 馬名 | 人気 | 性 | 齢 | 決め手 | 前走レース | 前着 |
1 | ホウショウナウ | 1 | 牡 | 4 | 追込 | 御影S1600 | 1 |
2 | ドリームドルチェ | 13 | 牡 | 7 | 差し | オータム | 13 |
3 | ワンダーリーデル | 3 | 牡 | 6 | 差し | オータム | 3 |
■表3 2019年ポルックスS(中山ダート1800m)
着順 | 馬名 | 人気 | 性 | 齢 | 決め手 | 前走レース | 前着 |
1 | テーオーエナジー | 1 | 牡 | 4 | 逃げ | 師走SH | 1 |
2 | ホーリーブレイズ | 4 | 牡 | 5 | 差し | 晩秋S1600 | 1 |
3 | シャイニービーム | 12 | 牡 | 7 | 追込 | 師走SH | 11 |
冒頭で述べた4歳以上・OP特別のダート戦は3鞍。そのレースを個別に見ていくことにする。表1はすばるS、表2はジャニュアリーS、表3はポルックスSで、3着以内に入った馬を記した。すばるSで3着に食い込んだのは13番人気のサングラスだった。ジャニュアリーSで2着に入ったのはドリームドルチェで13番人気。ポルックスSでは12番人気のシャイニービームが3着に入った。いずれも7歳以上のベテラン馬で、差し・追い込みで好走を果たした。前走レース成績を見ると、今回と同じダートのOP特別に出走し、10着以下に敗れていた。また、表には記載しなかったが、いずれも休み明け3戦以内だったという共通項があった。
話をまとめると、下のクラスから上がってきたばかりの馬ではなく、ベテラン馬が穴を演出している。脚質は追い込みに注意か。前走着順が悪くても、休み明け3戦目以内であれば一変してくる可能性が十分ある。
■表4 3歳以上・4歳以上ダートのOP特別において二けた人気で3着以内に好走した馬(2017〜2018年)
日付 | レース名 | 着順 | 馬名 | 人気 | 性 | 齢 | 決め手 | 前走レース | 前着 | 休み明け |
2018.12.28 | ベテルギ | 3 | プレスティージオ | 11 | 牡 | 5 | 逃げ | 福島民友 | 6 | 2戦目 |
2018.11.18 | 霜月SH | 2 | プロトコル | 14 | 牡 | 7 | 差し | エニフS | 13 | 3戦目 |
2018.11.18 | 霜月SH | 3 | アキトクレッセント | 10 | 牡 | 6 | 先行 | グリーン | 9 | 3戦目 |
2018.10.21 | ブラジルH | 2 | クラシックメタル | 10 | セ | 7 | 差し | 名鉄杯 | 5 | 14週 |
2018. 9. 8 | エニフS | 1 | メイショウウタゲ | 12 | 牡 | 7 | 追込 | 名鉄杯 | 14 | ― |
2018. 6.23 | 大沼S | 3 | ゴーインググレート | 10 | 牡 | 8 | 先行 | 栗東SH | 4 | ― |
2018. 6.16 | 天保山S | 2 | ヒデノインペリアル | 11 | 牡 | 6 | 追込 | バレンタ | 9 | 18週 |
2018. 5.26 | 欅S | 3 | サトノファンタシー | 11 | 牡 | 5 | 先行 | オアシス | 13 | ― |
2018. 5.13 | 栗東SH | 3 | キタサンサジン | 11 | 牡 | 6 | 逃げ | 天王山S | 10 | 3戦目 |
2018. 5. 6 | ブリリアH | 3 | クラシックメタル | 12 | セ | 7 | 先行 | 金蹄SH1600 | 1 | 13週 |
2018. 3.18 | 千葉SH | 1 | ウインオスカー | 10 | 牡 | 5 | 先行 | 室町SH | 16 | 21週 |
2018. 3.18 | 千葉SH | 2 | ドリームドルチェ | 13 | 牡 | 6 | 先行 | 大和SH | 13 | 2戦目 |
2018. 3. 4 | 総武S | 2 | リーゼントロック | 10 | 牡 | 7 | 先行 | ポルック | 4 | 3戦目 |
2018. 2. 3 | アルデバ | 2 | アングライフェン | 10 | 牡 | 6 | 差し | オクトー | 8 | 16週 |
2017.12.24 | ギャラクH | 2 | ブラゾンドゥリス | 10 | 牡 | 5 | 差し | 福島民友 | 4 | 3戦目 |
2017.11.19 | 霜月SH | 3 | サノイチ | 14 | 牡 | 6 | 追込 | アハルテH | 9 | 23週 |
2017. 8.12 | 阿蘇SH | 2 | ブライトアイディア | 10 | 牡 | 7 | 差し | アハルテH | 4 | ― |
2017. 8.12 | 阿蘇SH | 3 | シンゼンレンジャー | 12 | 牡 | 8 | 差し | 仁川S | 4 | 22週 |
2017. 7. 9 | マリーンH | 3 | スズカリバー | 13 | 牡 | 5 | 先行 | 大沼S | 8 | ― |
2017. 6.24 | 大沼S | 2 | ダノングッド | 11 | 牡 | 5 | 逃げ | 東京スG3 | 4 | ― |
2017. 6.10 | アハルテH | 3 | チャーリーブレイヴ | 10 | セ | 7 | 先行 | バレンタ | 15 | 17週 |
2017. 5. 7 | ブリリアH | 2 | キクノソル | 14 | 牡 | 7 | 差し | 師走SH | 13 | 19週 |
2017. 4.22 | オアシス | 3 | ポイントブランク | 10 | 牡 | 7 | 先行 | ポラリス | 5 | ― |
2017. 4. 9 | 京葉S | 2 | トキノゲンジ | 13 | 牡 | 9 | 追込 | NST賞H | 13 | 33週 |
2017. 3.19 | 千葉SH | 1 | ナンチンノン | 10 | 牡 | 6 | 先行 | ポラリス | 14 | 3戦目 |
2017. 2. 4 | 大和SH | 3 | ウォータールルド | 12 | 牡 | 9 | 差し | マリーンH | 4 | 30週 |
2017. 1.21 | すばるS | 3 | マッチレスヒーロー | 11 | 牡 | 6 | 差し | ファイナ | 9 | ― |
こうした傾向は通年でも出ているのだろうか。そこで2018年と2017年のデータを見ていくことにする。表4は3歳以上・4歳以上ダートのOP特別において二けた人気で3着以内に好走した馬を記した。まず該当馬は27頭。その内18年は14頭で、17年は13頭だった。1年を通じてこれぐらいの数の穴馬が出そうだ。今年はすでに3頭が該当していることになり、出現ペースとしては例年よりも速いと言えるだろう。
着順の内訳を見ると、1着馬が3頭で、2着馬が11頭、3着馬が13頭。2着、3着のケースがかなり多い。あらゆるレースを通じて二けた人気の馬が勝つケースはそう多くはないので、こうした結果は自然と言えるだろう。かなり人気薄のタイプなので、単勝で狙うのではなく、連下候補として考えたい。なお、前述したドリームドルチェは、18年の千葉Sでも13番人気で2着に好走している。
性別はすべて牡馬とセン馬だが、この条件全体の傾向として牝馬の出走自体が少ない。よって、仕方がない結果と言える。年齢は7歳馬が最も多い。7歳以上でまとめると13頭。5歳馬が6頭で、6歳馬が8頭なので、半数近くが7歳以上だ。なお、3歳馬と4歳馬は1頭もいない。ベテラン馬が穴を演出しやすいのは、大きな特徴と言えるだろう。
脚質を見ると、追い込み馬はそれほど多くはない。全体としては先行馬がやや多くなっている。今年に入って穴をあけたのが追い込み馬だったのは偶然のようだ。脚質に関してはあまり気にする必要はなさそうだ。
前走レースはOP特別組が圧倒的に多い。1600万クラスからの昇級馬や、重賞組がかなり少ない。前走OP特別組の前走着順は4着以下。二けた人気になるような馬なので、基本的には前走で大きく負けている馬になる。気になるローテーションだが、休み明け(表に間隔を記載)か、休み明け3戦目以内の馬がやはり多かった。前走着順が良くない馬でも、休養によるリフレッシュや、休み明けを叩かれての変わり身は期待できる。こうしたケースを積極的にマークする作戦は、通年で使えるだろう。
ライタープロフィール
小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。